どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

その魚体そのものが「潜水艇」…深海のデメニギス

-No.2481-
★2020年07月07日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 3407日
★延期…オリンピック東京まで → 382日
★旧暦5月17日、居待月…七夕・小暑
(月齢15.9、月出20:51、月没06:08)






◆深海探査艇

 日本だと、現在は海洋研究開発機構の大深度有人潜水調査船「しんかい6500」が、世界2位の実力艇として運用中。
 猛烈な水圧に耐えながら、アクリル樹脂製の覗き窓(7cm厚の2枚重ねで計13.8cm)から深海を調査しています。

 ぼくが、深海に興味を深くするわけは、高山や極地のほとんどが征服されたいま、そこが「地球最後のフロンティア」とも呼ばれる世界だから…にほかなりません。

 宇宙もフロンティアに違いないでしょう、けれども、ぼくはより現実派。
 といったところで、その〈深海〉のゲンジツは、手の届かない遠い世界であり、あじわえる領域もまだわずかな記録映像にすぎないのです…が。

  ……………

 NHK・BSの『ブルー・プラネット』という海洋世界にまつわるあれこれを、テーマごとにまとめた映像シリーズ番組があって。
 その「深海」編を観ていたら(………)ただただ唖然。

 深海に棲む生物は皆、奇妙な形や色彩に富んで、仕掛けも凄いばかり。
 恐怖映画やSF映画にヒントを提供することも多い、わけですが。
 こんどのコレには、まったく開いた口がふさがらなかった!

 そのカタチ、丸ぽちゃのお魚ちゃんにちがいなく…しかし、その構造たるやまるで、アクリル樹脂製の観察窓をもった深海探査潜水艇そのまま。
 だって、ナント中が透けて見えてる!
 これまでの常識が真っ逆さまに覆されて、向こうが人間の智慧と工夫をマネてるようにしか見えませんでした。

 その魚の名は「デメニギス」。
 「デメ」とは言っても、「出目金」のそれとは根本的に異なっており。
 透明なドーム状膜の頭部内に、「管状眼」と呼ぶらしい〝筒〟状の眼球がドヨ~ンと、いかにも眠そうに見えている…のでした、が。

 なんでも、この眼がスグレモノらしくて。
 筒状の眼球の軸を回転させることができ、ふだんは眼を真上に向けて上方から射し込むわずかな光をキャッチ、それによって獲物の影をとらえ、捕食しているらしい…といいます。
 深海探査艇のかぎられた視角からは、それ以上の了解は得られなかったのだ、
けれども…

 「カウンターイルミネーション」というのを、ご存じだろうか。
 深海魚のなかには、みずから発する光で狩りをするものがあって、その代表格がチョウチンアンコウなんですが。

 デメニギスは、この深海魚ならではの特技、捕食術を無にする保身術をもっている、というのです。
 どうやら、眼に特殊なフィルターのような器官があるらしい。

 さらには、こやつ、獲物の少ない深海で命ながらえるため、クラゲ類が捕らえた獲物を横取りする術も習性している、そうな。
 (う~む…やるのぅ、おぬし!)
 
  …………… 
 
 この奇態なデメニギスという魚。
 しかし…その棲息域は、わずかな陽光をキャッチする、くらいですから。人がイメージする〝深海〟よりは、かなり浅い水深400~800mくらいの層。

 ぎりぎり陽光が届くかどうかの「薄明」域、明け方とも暮れ方ともつかない、水深1000mくらいあたりの深海を「トワイライト・ゾーン」と呼ぶわけですが、デメニギスはもっぱらこのあたりに生きる者。
 かなりエキゾチックなムードを漂わせます、けれども、日本でも岩手県以北の沖合には分布する、そうですよ。

  ……………

 以上、述べてきたように。
 ぼくは、この歳(齢75間近)になって初めて知ったのですし、いずれにしても最近になって発見された魚かと思いきや。
 最初の報告があったのは1939年(ナント! ぼくが産まれる前)のこと、とか。
 ただし、生きた姿で観察されたのは2004年になってから、だそうですけれど。

 なんだかホッと安堵の、ふしぎな気分を味あわせてくれたお魚ちゃんでした……