どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.104~ 「ヘア・ドネーション」髪を切るボランティア

-No.2453-
★2020年06月09日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 3379日
★延期…オリンピック東京まで → 410日
★旧暦4月18日、寝待月・伏待月
(月齢17.4、月出22:16、月没07:22)





★若いうちだからデキるボランティアもある★

 台風19号禍の被害が意想外なほどの広がりを見せた昨年暮れは、年の瀬が迫っても各地でつづく避難所暮らしのことにくわえて、支援のボランティアの手が足りないこと…が災害列島ニッポン世の中を〝鈍色〔にびいろ〕〟に曇らせました。
 (そうして、いまはまた〝新コロ〟禍中の先の見えない不安がつづきます…が、おかげさまで、心ある市民の間には共感と共助の交流ケンザイです)
 そこで、あらためて。

 ボランティア……
 阪神淡路大震災で芽吹き、東日本大震災でようやく根づいたかに見えた、ニッポンのボランティア精神も、しかしじつは、ザンネンながら内実まだまだ、ということのようです。

「だけどさ、ほんとのとこ…ボランティアって、なんなの?」
 いまでも、こんなふうに訊ねられことが、あるくらい。
 ほんとのところは、まだ、そんなニッポンのボランティア事情です。

  ……………

 だからこそ、ここで。
 ちょこっと、イイ話しを、ひとつ。

  …………… 

 大学の総合病院内を歩くと、腫瘍外科や放射線科、形成外科などの受付窓口ちかくに、「ウィッグ」のパンフを見かけることがあります。
 なにかしらの治療の結果おこる頭髪の欠損を修復する「洋髪かつら」、用途は女性にかぎらず、子どもたちにもおよびます。

 でも、ぼくもこの歳(74)になるまで、これには、ほとんど無関心でした。
 男にも頭髪を喪う(禿頭という)キョウフはありますが、おかげさまでボクは〈白髪〉の方に進んだので、そんな(床屋に言わせると禿頭になる人の頭皮は硬いそうです)コトもなく。
 毛の性質が剛〔こわ〕いもんですから、他人さまのお役に立つこともあるまい…と、そればっかり。

 ところが
 つい先ごろになって、「ヘア・ドネーション」というのに出逢いました。
 つまり「髪の寄付」…臓器提供の「ドナー」と同じですね。

 治療用に、みずから伸ばした髪の毛を提供します。
 (これだって、じつは、その昔、貧しかった時代には、家計を助けるための娘の〝身売り〟とならんで〝黒髪を売る〟というコトがありました…それを想えば、まさしく隔世の感アリ)

 ある日の新聞記事に、髪を長く胸のあたりまで伸ばした子の写真が、大きく載りました。
 女の子かと思ったら、小学3年の男の子。

 この子が
 間違えられても髪を伸ばしているのは、
「病気の人の〈かつら〉をつくってもらうためです」
 と。

 「ヘア・ドネーション」は1990年代にアメリカで始まった運動。
 日本では2016年から大阪市の「Japan Hair Donation&Charithy(ジャーダック)」が、18歳未満の患者を対象に取り組んでいるそうです。

 この少年も、そんな活動をテレビの情報番組で知ってから伸ばし始めて、まだ半年。寄付できる長さになるまでには、さらに、あと1年くらいはかかるでしょうか。
 「ヘア・ドネーション」啓発の集いなどにも参加して、世の中を知り、視野を広げていくうちに、みずからの活動を知ってもらい、もっと広めたいと思うようになって。
 それには新聞社に投稿して訴えかけるのがよいと、この子は思いつきました。

 こうして
 この子は、「自分にもできる社会参加」に〈気づいた〉わけです…が。
 その〝気づき〟から始まった、世の中とのあれこれの出逢い(接点)が、ほかでは得られない学び。
 なにより貴重だったのは、そうしたなにげないカタチで、この子は自身を成長させることができました。

 ボランティア精神などといっても、ボクの場合にしたって、けしてリクツから学んだわけじゃない。
 ふとした〈気づき〉がきっかけでした。

 〈気づき〉には、〈対面・対人〉がかかせません。
 「交渉」というと難しいことのようですが、なに、他人と出逢いのチャンスをふやしていけば、自然に〈気づき〉のチャンスもふえていきます。

 この〈気づき〉、身をもってわからせくれる指導者は少ないのがザンネン。
 いまのところ、自分で〈気づき〉のアンテナ感度をよくしていくしかありません、けれども。

 なにしろ
 たとえば「髪」。
 この「髪」ひとつで人の印象は左右されたり、偏見の因になったりすること。
 また、学校によっては長髪じたいが禁止されることもある…などなど、さまざまな世情の縮図のひとつといってもいい。

 前記「ジャーダック」によれば、男性からの「髪」の寄付は全体の10%程度、なかでも小学生となると、さらに、その中の数%にしかならない…とのこと。
 そうでしょうね、それだけに、なおさら。

 この子が、元は美容師の母に養育れた影響はあるかも知れませんが、なにしろステキな〈気づき〉ではありましたし。
 それを、さらに〈広めたい意識〉になったことが、もっと大きい。

 世のオトナたちが、現状のワクに囚われて身動きできないでいる、いま。
 たとえば、スウェーデンの若き環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16歳)たちの活動が、新鮮、かつ勢いも力もつけてきています。
 オトナたちが智慧もなく黙っていていいのか……問われているとき、デス。

★How to…「ヘア・ドネーション」★

 ちなみに、「髪を切るだけのボランティア」を訴えて無償提供活動を行っている「Japan Hair Donation&Charithy(ジャーダック)」の場合。

 原則として
〇長さは、乾燥した状態で31cm以上
 ※1人の子のウィッグ用には、20~30人分の髪が必要とされます。ひどくダメ
  ージがなければよく、カラーやパーマや白髪であってもオーケー。
〇髪の根元を輪ゴムなどで縛る
 ※髪には個人差があるので、1人1人別に。
 ※紐で縛ると、ほどけてしまう心配がありからだそうです。
〇美容院でカットしてもらう場合は、事情を把握している「ヘア・ドネーション賛同
 美容室」がよい。

 とのことでした。

  ……………

【後日談】
★「20〔はたち〕ヘアドネ」★

 こんな記事が載ったのは、成人式を控えた年明け早々の1月。
 新成人を迎える群馬大学の、女子学生4人。
 やはり、母親から聞いた「ヘア・ドネーション」の知識がきっかけで。

 成人式の晴れ着姿に備えて、女子は髪の毛を伸ばす傾向にあることから、これはいいチャンスと気がついて企画したそうです。
 前橋市長に手紙を書いて協力を依頼。メンバーは市内の美容院にも協力を要請して、29の店舗から賛同を得たとのこと。

 前橋市の成人式にブースを設け、新成人たちを対象に、受付は12日から1年間。
 賛同する美容院で免許証などの身分証を提示して髪を寄付すれば、カット料金の割り引やトリートメントなどのサービスが受けられます。
 賛同美容院などは「20のヘアドネinまえばし」のホームページで確認。

 目標は、「まずは1人分を作るため30人ほどの寄付を」と控えめですが、これなんかもちょっとイイ話し。

 想うに…
 いまの〈寛容ではない〉、自分が傷つかないように〈他者を攻撃する〉世の風潮は、まともじゃありません。
 せめて、若者を指導する立場にあるオトナたちには、「イイものはイイ」と評価できる態度でありたい…と思います。