どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

想えばアレからまだ1年にもならない… /    初冬の神宮外苑から新国立競技場へと歩いた日のこと

-No.2450-
★2020年06月06日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 3376日
★延期…オリンピック東京まで → 413日
★旧暦4月15日、満月
(月齢14.4、月出19:29、月没04:34)


※5日午後、北朝鮮拉致被害者、横田めぐみさんの父、滋さんが87歳で亡くなった。無念の「老衰」でありましたろう。国とはなにか? 一個のヒトとして、これほど無力感に苛まれた事件はありません。それこそ出口の見えない国家間闘争の狭間に、ただ冷たく〝放置〟された個々の人々。なにも成しえなかった無力の一人として、無言で頭を垂れるしかありません。南無。合掌。






◆オリンピック・イヤーの春にそなえる外苑のイチョウ並木だった…

 新国立競技場を、生まれたばかりの姿を、この目にたしかめておきたいと思って…昨年の10月下旬、完成披露があったばかりの頃に、一度。
 東京体育館側、外苑西通りに面した一郭からの外観を歩き見てはいたけれど……

 なにしろ、いちおうの完成とはいえ、まだ細部の調整は進行中であり、立ち入り制限の柵ものこっている段階では、気兼ねなく堪能には、ほど遠かった、から。

 あらためて、こんどは、正面の千駄ヶ谷からではなく、向こう正面にあたる外苑前、青山通りから、いちょう並木を歩いて左まわりに、新国立競技場の4分の3をめぐってみた。

 神宮外苑いちょう並木は、もうすっかり黄金色の葉も散りつくして、冬ごもりの風情だった、けれど。
 秋のなごりを愛しむ散策の人たちにまじって、並木管理の都職員たちが巡察の最中。来夏にせまったオリンピックを、迎える準備に余念がないようであった。

 ぼくは、銀杏樹の冬姿も愛する者で、そのごつごつと筋肉をもりあげたような幹枝の逞しさが好きだった。
 柿の木などにのこされた実を「木守」などと言うけれど、銀杏樹の散りのこった葉にも「木守」の精があるように想う。
 樹の内部では、きっともう、春の芽吹きにそなえたエネルギーの循環、ふつふつ、とくとく、盛んにちがいなかった…… 
 











◆コンセプトは「杜〔もり〕のスタジアム」

 隈研吾さん設計の、新国立競技場(この〝新〟は完成引き渡しで解消され、東京大会中は「オリンピック(五輪)スタジアム」の呼称が使われる予定)の外観で、ひときわ目を惹くのは…
 屋根の「風の大ひさし」や、各階層の軒ひさしをリズミカルに演出している縦格子。
 これだけで、シンプルな形状の巨大な競技場に、かなりの軽やか感がもたらされている。これは、よいね!

 「和」を装う縦格子には、全47都道府県の木材が用いられ。北・東の入場門には東日本大震災の被災地、岩手・宮城・福島の木。南の門には熊本地震の県産材が用いられている、そうな。
 見上げる5階部分の外側、1周850mもあるというコンコースは、オリ・パラ東京大会後の、イベントがないときには一般に無料で開放される、ともいわれる。

 完成したばかりで植栽の木々はまだ小さいけれど、10年後・20年後には〝杜〟の雰囲気をかもしだしているかも知れない。
 それを予告でもするかのように、外苑の並木ではすでに散りつくしていたイチョウが、ここではまだ黄金色を輝かせており…。

 この日たまたま、なにかの準備に開かれていた選手入場門からは、世界記録ラッシュの舞台と評判たかいモンド社(イタリア)の、茶系濃い「れんが色」のトラックが望まれた。
 このスタジアムの競技場空間に、オリンピック代表選手として立てる者は、まずそれだけでも幸せ…を、ジッと噛みしめることになるのだろう。

  











クーベルタン男爵像が出迎える…

 昨年、秋9月にオープンした「日本オリンピック・ミュージアム」は、日本スポーツ協会や各種競技団体の多くが事務局を置く「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア」の1・2階。

 「オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタン男爵、若き日の像に迎えられる館内。
 1階には、ウェルカム・サロンやカフェ、有料の2階には歴代の大会開会式を映像で体験できるシアターロームや、競技体験コーナーなどもある…けれども。

 多くの来館者の興味は、「オリンピックスタジアム」目の前にする前庭の五輪のモニュメント。この日も、団体見学の子どもや老若男女のグループたちが、入れ替わり立ち替わりの記念撮影を愉しんでいた。
 この騒ぎは、オリ・パラ開催期間までを通してつづくことになるのだろう。
 (…と、そのときすでにボクは、青空に響く開会式ファンファーレの音を追う気分であったのだ…)

 そんな人波がふと途絶えた、記念撮影スポットに立ったら、新「オリンピック・スタジアム」がすぐ目の前。
 それでも、交差点ひとつ分のゆとりはあるから、さほどではないけれど。
 すぐ縁辺を歩きまわってみると、圧倒的なボリュ-ム……

 そんな感慨に耽りながら、しばらく、ぼんやりと眺めていたら。
 ふと、あの、膨大な建設費用が問題にされて採用とりやめになった当初案、ザハ・ハディドさん設計の宇宙基地を思わせるデザインが、あらためて超新鮮にボクの脳裡を席捲……
 たとえ一時だけでもいいから観ておきたかった…と、痺れるほどに想ったことだった。

 いうまでもない
 ぼくが腰を据える考え方とは、あきらかに真逆ではあった、けれど。
 矛盾は、痛切なまでにわかっていて…それでもなお、観ておきたかった!

 このように無限な幻想をこの世に現出できるのがアニメ世界である…なら、ぜひ「夢の新オリンピックスタジアム」をつくって見せてほしいものだと、ボクは思ってやまなかった……