-No.2099-
★2018年06月21日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3025日
★ オリンピックTOKYOまで → 399日
★旧暦5月19日、寝待月・居待月
(月齢17.7、月出22:38、月没08:35)
◆大間町…ちょっとだけ変貌!?
むつ市で、スマホのメンテナンスを済ませ。
国道279号(愛称=むつはまなすライン)で、ふたたび海峡通りへ。
昨夜、台風をやりすごした下風呂温泉を通って、大間町を目指す。
この道も《11.3.11》以来、すっかりなじみ〔・・・〕になった。
大間は、フェリーの出る港。
県都青森より北海道函館の方が至近(海上約23km)、しかも便利なので、「函館市大間町」と俗に言われるほどの海峡の町。
諸事〝喰い気〟に収斂する傾向の近ごろは、海峡の「大間マグロ」漁で勇名を馳せ、「超ビッグ・ファイト一発で億御殿が建つ」…人気は、かつての「北洋稼ぎ」の比ではない。
と、いっても、それはあくまでも、ごく一部にかぎられた話しで。
ゲンジツには〝原発マネー〟の方が、目に見えて、とりあえず町を変貌させている。
こんど訪ねて見ると、町役場は新たな地所に引っ越して、いまふうの建築物になり(…といっても原発はまだ未完成のため台所はクルシい)。
「電源立地地域対策交付金」で新築なった町なかの大間小学校は、まわりの住宅地風景からは、やはり浮いた存在になっていた。
新役場のすぐ裏手にまわると、大間原発がすぐ目の前。
原発が御殿で、役場は家老の邸…といった風情であった。
ここでは、原発と民家の距離があまりにも近く、おそらくは、およそ500mくらいのものだろう。
大間原発での、ぼくたちの定点は、仏ヶ浦方面へ少し南に行った、奥戸〔おこっぺ〕漁港。
きょうは、その空が暗雲に覆われ、港には人っ子ひとり姿も見えない……
指呼の間に大間原発を望む奥戸漁港は、岸壁などの整備が成されたほかに、とくに変化は見られない。
大間原発誘致では、大間漁協に144億円、奥戸漁協に90億円の漁業補償金が支払われており。
電源開発(株=Jパワー)は他に、町役場建設費の一部も負担している。
その、いまだに〝建設中〟(08年に始まった工事の進捗率は37.6%)状態の大間原発。
18年春には、同年中の工事再開を目指すとされていたが、原子力規制委員会による新規制基準への適合検査が長引いており。
結局、ぼくたちが訪れた9月に入っても再開されることなく。またしても(3回目)、2年後の20年後半に延期。
これによって、世界初のプルサーマル(プルトニウムとウランの混合酸化物=MOX燃料を燃やして発電する軽水炉)発電所の稼働目標も、さらに2年(2026年)延長されることになった。
……………
17年暮れには、在京の新聞に「六ケ所村独り勝ち」の見出しが躍った。
六ケ所村だけが、工事需要の好景気に沸いている、という。
そのわけは、使用済み核燃料再処理工場の完成延期が(計24回も)繰り返された(にもかかわらず)、そのおかげで、追加の安全対策工事の需要が増大しているからだ、と。
こればかりは、たとえ原子力発電を許容する人たちにとってさえ(ナンのこっちゃ)であろう。
つまり、他の2原発(東通と大間)が工事中断して、立地自治体の景気も青息吐息のなか、いちばんの問題児、日本原燃の施設を抱える六ケ所村だけが、追加々々工事が喰う金のおかげで地元も潤っている…という。
なんとも、ヤリきれないお話し。
(なお、その後、18年9月中旬になって、日本原燃核燃料再処理工場が新規準に適合となり、六ケ所村だけの好景気は、まだまだつづく見通しだ)
……………
ぼくたちは、奥戸港から町なかに戻り。
港に近い、ビジネスホテルに投宿。