-No.1887-
★2018年11月21日(水曜日)
★11.3.11フクシマから → 2813日
★ オリンピックTOKYOまで → 611日
◆心身ともに「げんき」にはなれないゲンジツ
福島巡礼からの帰途、福島市に出て、息ぬきに花見山公園に寄った。
周辺は花木生産農家の集落で、色とりどりの花に彩られる春は「桃源郷」と讃えられるところ。
ぼくも、いちど訪れてみたいと思っていたのだ。
しかし、折からの真夏どきは、ざんねん花の端境期。
しばらく歩いて、やっと百日紅〔さるすべり〕と木槿〔むくげ〕が見られた程度の里山に やむをえず 木蔭を見つけて休ませてもらうにとどめ、またの再訪を期すことにした。
以下は、汗を拭き拭き、あらためて想いかえした福島のいま。
ぼくの心にのこった残影のようなもの…かも知れない。
……………
ここまで23回の<報告記>で見てきた〝浜通り〟。
双葉郡7町村(楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、川内)、約2万7,000世帯の<生活実態>アンケート調査結果(18年1月まてめ)が、興味深かった。
調査票を郵送して、回答があったのは約1万世帯。
その75%が県内避難者、県外は24%、不明が1%。
避難中の人もふくめた住民の半数以上(56.5%)が「うつ症状」に近い。
(それでも前回、11年9月調査結果の74.3%にくらべれば改善してはいる…というのだが)
これが、わが身近のことだったら、誰しもが眉を曇らせるにチガイない。
なかでも大きかったのは、「現在の考え」の問い、「原発の廃炉までに事故が起きないか不安」には49.6%が「強くあてはまる」と応えている。
職業の「正規の職員・従業員」20.6%(無職55.5%)という数値も、生活不安をうかがわせてシンコクだ。
元の住居地への<帰還意志>、「戻る気はない・戻れない」が58.8%……
「うつ症状」というのは、病気と診断されるほどになれば誰にも気づかれるだろうが、まだ軽いあいだは専門科医師でもないと判別はむずかしかろう。
調査したのは、福島大学「うつくしまふくしま未来支援センター」。
(気もちはワカルけれども、こうしたネーミング どこか ひとりよがりで、わかりやすさ、親しみやすさを忘れている…考えてほしいものダ)
まだ8割ちかい人が震災時の所在にもどっておらず、長期化する避難生活や放射能影響の不安から、ストレスを抱えている。ごく、あたりまえのことなのに、国や自治体は、親身な把握と対策に手をつけない(つけられない…のではない)でいる。
この国でシンコクなのは、なにかにつけて〝上っ面(たてまえ)〟で〝偏狭〟なことだ、といったら言いすぎだろうか。