どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

革命的なネジトラブルのレスキュー工具/     ペンチの新星「ネジザウルス」とは…

-No.1683
★2018年05月01日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2609日
★ オリンピックTOKYOまで →  815日

 おはようございます、おげんきよう、<なっつまん>です。

*また、ひとつ。〝国鉄〟時代のローカル線が消えた。3月31日(土)、山陰本線江津〔ごうつ〕駅(島根県)から中国山脈に分け入って芸備線三次〔みよし〕駅(広島県)まで、108.1kmを結んで88年の三江〔さんこう〕線。この線はかつて、江川の清流に沿って遡る三江北線(江津-浜原50.1km)と、秘境ムード漂う中国山中を行く三江南線(三次-口羽28.4km)とに分断されていたのを、75(昭和50)年にやっと全線開通の念願かなったものだった。「利用客減」といわれてしまへばそれまでだ…が、国鉄民営化後、本州で100kmを超える路線の全線廃止は初めてのこと。<時代の波>とはいいながら<地方再生>の声も空念仏にすぎなくなっては、このうごきとどまる気配とてない。*








◆新築祝いに<道具箱>をプレゼントする

 そういう文化が、かつて日本にあった。
 わが家でも、両親が初めて家を新築したとき、建設会社から届けられたのを覚えている。
 長方形の木箱には、ノコギリ、カンナ、ノミ、キリ、カナヅチ、ヤスリ、指金など、ひととおりの大工道具が納まっていて、子ども心に誇らしいようなウレシイ気分だった。

 そのココロは。
「ご自分のお家(持ち家)たいせつに、傷んだらメンテナンスしてあげてください」
 
 ところが、ウチは父親が「クギ1本うてない」タイプの人で、なにかあると近所の大工さんや親戚の叔父さんに助けられていたから、(ボクがやらねば)ならなかった。
 大工仕事に興味があって、建築現場で彼らの仕事ぶりを眺めるのが好きでもあった。

 いまある木工指向は自然のなりゆき……

 手仕事は、道具づかいだ。
 いい道具で、使い勝手をくふうして、頼りすぎない。

 さまざまな場面に応じて、さまざまな道具がある、なかに、これは大工道具という範疇ではなく、なにかにつけての<便利道具><汎用工具>として、なくてはならないものがある。

 代表的なのが、ペンチ。(上掲のフォト下段)
 英語の「pinch(挟む)」が訛って聞こえたのが語源と言われるが、この道具を英語では「プライヤ-」あるいは「カッティング・プライヤ-」。
  
 金属製の噛み合う構造になったステーをピボット(軸)で結合したもので。
 小溝の刻まれた刃先の平らな部分では、針金などを曲げるほか、挟み・捩り・引っ張り、あるいは材料の固定にも器用、ネジ回しにも対応する。
 さらに刃口の奥は切れ刃になっていて切断もできる。

 ついでに、このペンチ、やっとこ鍋(手なし鍋のこと)用のヤットコと並ぶ板場(調理場)の重宝道具で、勘のイイかたはすでにお気づきだろう、ギンナン割りに好都合…で、ずばり「ギンナン」の別名をちょうだいしている。

 じつは、これ。
 <道具箱>など無くなった現代の家庭でも、どこかに、なにかのガラクタと一緒くたにされながら、健気にのこり、頑張っている老兵。うっかりすると「あの掴むやつ」なんて呼ばれたりしながら…。

 お宅にも、あるでしょ!?
 出して見てください。
 あらためて見ると、頼りがいがあるでしょ。存在感ずっしり。

 ところが、この道具が「あんがい」なんです。
 意外な弱点がある。

 ふつうの家庭で、この道具が活躍する場面…というと?
 曲げたり、切ったり、ではなくて。挟んで引っ張る、あるいは捩る仕事。
 不要になったり、打ち損じたクギを、引っこ抜く。「くぎ抜き」の代用。
 まぁ、それがクギなら、なんとか引っこ抜けます、が。

 ネジになると、とたんに難儀、往生することになる。
 なぜか? ネジはいうまでもなく「捩じ込む」ことで強度を発揮する金具。抜くときには逆に「捩じ戻す」必要がある。強く挟む(ホールドする)力と捩る力がもとめられる。

 「ネジにはドライバーがあるじゃないか」そのとおり、だが。
 不要になったネジが、いつも真面〔まとも〕とはかぎらない。いや、むしろ……

 ネジの頭の、ドライバーの刃先を受ける溝が潰れていたり、頭そのものが無くなってたりで、ドライバーではどうもならない事態が圧倒的に多いのだ…(そうでしょ)。
 そこで、助っ人にペンチが登場、となるのだ、けれど。

 これがとんだ思惑はずれで、悪戦苦闘の泥沼にひきこまれることになる。
 もう一度、上掲下段フォトのペンチ、刃先アゴの内側を見れば明らか。刻まれた溝はヨコ方向なので、これではタテ方向に捩じ込まれたネジをホールドできない。
 ぼくも、なんど、このペンチのヨコ溝を見つめて、ため息を漏らしたか知れない。

 この溝がタテに刻まれてればイイのに!
 想ってはみても、木工屋には手がかりもなければ、拠りどころもなかった。

 大袈裟でなしに、そうして幾星霜……
 この長年の難儀に、パッと待望の曙光が射した。
 (いやぁ~、すっかりお待たせしてしまって)
 開発してくれた作業工具メーカー「エンジニア」さんからの、名のりの声だった。

 ネジトラブルのレスキューツールは「ネジザウルス」。(上掲フォト上段)
 http://www.engineer.jp/products/nipper/np04/pz-58

 ご覧のとおり、アゴ内側の溝にタテ方向が加わり、半円の彫も加えて複雑に構成された咥え構造が、格段に噛みつきをよくして。
 錆びたネジ、潰れたネジ、固着したネジのほか、掴みにくい形状のトラス(頭部が円い丘のような形になっている)ネジなど特殊ネジにも対応できる。

 ピボット(軸)の開閉がラクなバネ付き、もちろんペンチに必須の切断刃も健在。
 もうひとつウレシイくふうは、これまで、もっぱら男性向きにしか考えられてこなかった道具の諸元、これを女性にも無理なく使えるカタチのものにしてくれたこと。

 幾種類か用意されたシリーズ商品のうち、写真のようなタイプなら、見た目ばかりか使い勝手もスマート。できるものは手ずから、賢くおしゃれに暮らす女性の、きっと心づよい味方になってくれるにちがいない。 
 



◆道具談義の〆くくりに

 もういちど「道具箱」噺。
 むかし。道具を大事にした腕のいい大工は、じぶんの道具箱を自作していました。
 ですから、わけ知りの世人は、こんなふうに言ったものでした。
「大工の腕の良し悪し見抜きたけりゃあ、道具箱を見ろ…ってな、ほんとだぜ」

 ちなみに小見出し上の写真は、ぼくが指導する「よみうりカルチャー荻窪」の「木工教室」で、生徒さんのひとりが手がけた作品「木製道具箱」。
 大工さんの実用品にくらべると小ぶりな、インテリア指向の道具箱です。