-No.1211-
★2017年01月14日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 2137日
★ オリンピック東京まで → 1287日
◆逆転のチャンスは6・7区までだった
2日の往路観戦を終え、町田に戻って居酒屋で一杯。
明日もやっぱり青学かしらねと、カミさんが言うのへ。
ぼく、美酒地酒の猪口を手に無言で頷くのみ……
それでも翌3日。
朝早くに起きて、復路スタートの8時にあわせて雑煮を祝う。きょうも、いい天気。
きのうの芦ノ湖畔、箱根神社大鳥居前で目撃した青学大の原監督に笑顔はなかった…といったが。
それは勝敗の帰趨をにぎる指揮官としてとうぜんのこと。
原さんの腹は、むひひ…とほくそ笑んでいたことだろう。
なにしろ往路は、このチームとしてはやや控えめなオーダーでのぞみ、それでもトップでゴール。エントリー変更もなかった。
復路、当初のエントリーが(失礼ながら)見え見えの”アテウマ”とわかるほどに、すぐれた控え(補欠)の選手層。
思ったとおり、合計で4人まで認められるエントリー変更枠を3人までつかってきた…ヤルなぁ青学さんよ。
6区の山下り。
33秒差を一気につめるならここが勝負…と思ったが、追う2位の早大は伸びず、差が2分08秒に開く。
3位順大、4位東洋大。
この区間で輝いたのは日体大。山下りのスペシャリスト秋山清仁(4年)くんが2年連続の区間トップで、ことしの箱根で唯一の区間賞、記録も58分01秒とりっぱなもの。チームを13位から7位に押し上げた。
7区に入ると青学大は、エントリー変更1人目の田村和希(3年)が目算どおりに…と思いきや、16kmすぎ、まさかの脱水症状でピンチに。
しかし伴走車の原監督、おちついて車を田村くんの脇に寄せなにやら声掛け、きっとブレーキにしない走法の指示であったろう。
田村くんもこれにこたえてなんとか踏ん張り、ゴール前ではもちなおす。
2位の早大はこの区間、逆転期待の井戸浩貴(4年)くんだったが、このチャンスをつかめず、差を1分21秒に47秒縮めただけ。
青学を”命拾い”させてしまって、これでは勝負にならない。
8区に入ると、青学大はエントリー変更2人目、去年の東京マラソン日本人2位の下田裕太(3年)くんが好調、こんどこそ目算どおりに区間賞の走りで2位以下との差を広げる。
2位早大と5分32秒差、3位東洋大と6分38秒差。駒大は9位に低迷。
9区。青学大は池田生成(4年)くんも好調。区間2位の好走を見せ。
この区間でやっと、東洋大が野村峻哉(3年)くん区間賞の走りで早大をかわし2位にあがってきた、とはいうものの青学との差はわずか8秒縮まっただけ。
つまり、1位と2位の差この時点で6分30秒…勝負あった!
最終10区。青学大のアンカーはエントリー変更3人目キャプテンの安藤悠哉(4年)くん。
彼の安定した走りっぷりを途中まで見て、朝酒・昼酒の酔いがまわったボクは、おやすみなさい……
結果だけおさらいしておくと。
総合優勝の青学大(3連覇)は、区間賞2つだけ記録もまぁほどほどながら、2位東洋大に7分21秒差。それでも「十分に手応えはあった」という酒井監督の言葉は、くやしまぎれというか、負け惜しみにしか聞こえない。
3位早大、4位順大、5位神奈川大がおひさしぶりの健闘。9位駒澤は一から出直し。17位の山梨学大にいたってはコトバなく。
ことし予選会で中大が敗れ、はじまった伝統校の退潮ムードは、18位明大、19位日大にも警鐘を鳴らす。
わずかに「やったね、おみごと」は、オープン参加の関東学生連合、10区照井明人(東京国際大、4年)くんの(参考記録ながら)区間1位の走り。
”幻の区間賞”だっていいじゃないか。「東京オリンピックでマラソン代表をねらう」という意気込みにカンパイだ!
これだけ。青学大にはもうしわけないけれど。
3日の即報記事で「歯がゆい」「つまらない」と嘆いたぼくの気もち、おわかりいただけるだろうか……
◆東京オリンピックのマラソンをねらうなら…
ことしは、日本伝統の長距離レース「駅伝」発祥から100年。
そうして、箱根駅伝(大正9=1920年)も東京オリンピックの年に100周年を迎える。
いっぽうで、箱根駅伝を筆頭とする大学陸上長距離界から、その後の大きな飛躍をはたした選手が、このところ少ない、いっこうに目立たない。
卒業して社会人になって、実業団のまぁトップレベルまではなんとか行けるし、それなりにガンバってはいるのだが、いまひとつピカッと耀かないのはナゼか。
どうやら、首をひねっているのはぼくだけじゃないらしい。
ぼくも一時、じつは箱根の山上りに難があり、くわえて各区間20km程度というハーフマラソン的な距離が徒になっているのではないか…と考えたりした。
そのせいで、男子マラソンの低迷に”活”が入らないのではないか。
メダル争いだけがオリンピックじゃない…のはわかっているが、どうにも歯がゆい。
日本陸連と、実業団と、大学との間の連携、意志の疎通にも問題があるのではないか。
どうも、よくわからない。いっこうに、すっきりしない。
こんど、日本陸連がたちあげた「長距離・マラソン強化戦略プロジェクト」のリーダー、瀬古利彦氏にいわせれば「箱根駅伝とフルマラソンは並行できる」そうだから、お手並拝見といきたいところ。
でも、その気配が感じられるのはいつごろ……
大学長距離界のスターが、実業団に入ってさらに磨きをかけ、その水になじんで実力を発揮できるまでに、どうも〈3年くらい〉はかかる気が、ぼくにはしている。
すると…2020TOKYOにまにあいそうな選手はことしの卒業生くらいまで、ということになるのだが……