-No.1188-
★2016年12月22日(木曜日、天皇誕生日)
★《3.11》フクシマから → 2114日
★ オリンピック東京まで → 1310日
◆11月8日(火)、はげあん診療所
6時起床…まもなく音もなく雪ちらちら。
ツルが3羽、視界を横ぎって渡る。タンチョウか…は未確認。
きょうは燃えるゴミ出しの日、かみさんエゾリスに遭遇したと興奮気味に報告する。
やがて雨……
モデルハウスの部屋の乾燥かわらず、喉がからから、ひりひり、痰がキレなくて。
「そうだ、お医者さんに診てもらおう」と思いつく。
旅先で、どこか具合がわるくなっても、よほどのことがないかぎり、ガマンして、自宅に帰ってから〈かかりつけ医〉に診てもらうのが、まぁふつうのパターンだろう。
しかし、このたびは〈移住体験〉でアル。
地域医療の実態も知っておきたい。
コンシェルジュからの情報にも医療機関の紹介があり。
「はげあん診療所」というのに心がうごいた。
ぼくは、井伏鱒二の『本日休診』をイメージしたわけだけれど。
お医者さんモノは、ドラマの定番。
たいがい、ちょと変わり者の人間像が描かれ。
患者たちとのさまざまな交流をとおして、ヒューマンに語られる。
「はげあん」先生に逢ってみれば、町内事情の一端も知れそう。
しかし、なにかしらなければ診てもらうわけにもいかない。
風邪っぽい…これはいいチャンスだった。
「はげあん診療所」の専門は整形外科のようだったが、もちろん総合診療の役割もになう。
待合室には、近在近所のお年寄りの姿が目立ち、なごやかなムードがかもし出されていた。
壁に掲示されたあれこれを見ると、地域文化の担い手、指導層の一人であることもうかがい知れる。
ぼくの、いいかげんっぽい症状にも、真摯に対応してくださり。
「はげあん」の印象、想像にたがわず(いいんでないかい)、ぼくはおおいに安堵した。
町にはほかに、介護老人保健施設を併設したクリニックがあり、総合相談窓口の地域包括支援センターもある。
◆認定こども園「ほろん」と子育て支援センター
昼すこし前に、子育て支援プログラムの充実を目指す町自慢の施設、認定こども園「ほろん」を訪問、見学させていただく。
”移住”にも2つのタイプがあって。
ぼくらのような年寄りが「二地域居住型」とすれば、若い働きざかりは「就業定住型」。
いうまでもなく、この”北の大地”に似あうのは、基本「就労定住型」になる。
そういう若い層に向けた環境整備は、これから将来の地方自治にはかかせない。
昨年オープンしたばかりの、「こども園」は幼稚園無料(医療費も無料)、子育て支援センターが付属しており、無料開放「遊びの広場」のスケジュールも気くばりされている。
子どもたちが、人なつこく、素直なのがいい。
子どもなりに、まず、きびしい自然環境への認識があるからだろう、できることは自分でする習慣と、大人たちの支援に甘え感謝する姿勢が目に見えて、とても気もちよかった。
給食施設も充実しており、「とても助かってます」というお母さんたちの声を、かみさんは「ふれあいプラザ」のお風呂などで、聞いてもいた。
いずれにしても、ぼくらの頃には考えられなかったことばかり……
来年度には、世代間コミュニケーションの場「生涯学習センター」もオープンの予定という。
手づくり「花鉢スタンド」をプレゼントして辞去。
◆ビート(砂糖大根)の収穫
午後は、近郊の畑作地をぐるり、ひと巡り。
農家は特産のビートや、名産ナガイモの遅れた収穫に大忙し。
例年より「半月も早いさ」、「平年ならまだ積雪ゼロだもな」の嘆きの声ばかり。
暗くなってもトラクターがしきりに動きまわっていた。
昨日の夕刊紙「勝毎」のトップ記事、タイトルは。
「畑の実り 覆う雪」
「収穫、防除作業に遅れ」
だけではない、雪の下で越冬する秋まき小麦が、雑菌によって枯死する「雪腐れ病」の防除作業にも影響がある、とのこと。
ビートは「ビーツ」とも呼んで、蒟蒻に似た塊は「砂糖大根」より「西洋赤蕪」のほうがぴったり。
ビートからつくられる砂糖は「甜菜糖〔てんさいとう〕」ともいって、ぼくら中学生の頃は語呂合わせで、「頭がよくなる砂糖」と覚えた日があったことを想いだす。
明日からは、また雪の予報。
荒れ模様になるかも、の観測もある。