-No.1179-
★2016年12月13日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 2105日
★ オリンピック東京まで → 1319日
◆11月1日(火)、〈移住〉を考えるきっかけのことなど
はじまりは2年前だった……
東京であった「ふるさと回帰フェア」の催しのひとつ、「魅力発信フェア」という短かい影像紹介で、たまたま上士幌町と出逢った。
(-No.0368-2014年9月24日記事『ふるさと回帰フェアに想う都会人のため息/「地方消滅」も「首都沈没」も怖いニッポン』http://blog.hatena.ne.jp/sashimi-fish1/draft-scat.hatenablog.com/edit?entry=12921228815733380028)
その後、曲折があって……
縁あってお願いした「モデルハウスでの生活体験」を、ワケあってキャンセルさせてもらった経緯もあり。
(-No.792-2015年11月22日記事『”移住”を目指す人も、体験で”模索”したい人も/”地球温暖化”で見直される”北の大地”』ログイン - はてな)
けれど、それらのことどもは過去記事を参照していただくことにして。
ともあれ、リトライ版「ちょこっと暮らし体験」の2週間であった。
多事多端な年の心境は、けっして平らかではなかったけれど、(どかまで行ったって人生そんなもの)と肚をくくっての旅立ちだった。
ただ、ここはやはり……
◆行き方も、気分もかえたい
気があって。
まず、愛車のタイヤをすべてスタッドレス(雪道用)に履き替えた。
じつは、このたび体験の主目的は「晩秋の十勝を識る」であったのだけれど、どうも天候のぐあい思わしくなく。
十勝でも、例年にない早い冬になりそうな…気配が現地から伝えられてきた。
札幌で、そろそろ冬道準備にかかる人が出てきたとはいえ、東京はまだ紅葉もはじまっていない時期。
タイヤ・ショップに問い合わせ、倉庫を探してもらって、やっと履き替えられたのが出発の2日前。
行き方をかえたいといっても、陸路高速道を突っ走って行くのでないかぎり、あとはフェリーしかない。
そのフェリー便が、直前になって急遽「就航とりやめ」になるというハプニングもあって、1日遅れの出発になった。
フェリーも毎度のことになると、アプローチ・ルートにも新鮮味とぼしく。
このたびは、ひとひねりして、首都高速湾岸線から東京湾アクアライン。
「海ホタル」はあいにくの雨模様。
東関東自動車道で、ひさしぶりの水郷潮来。
神宮橋で渡る北浦の風景も、”移住”を意識して見る目には、雨粒にもふと新鮮な彩り。
「鹿島立ち」の鹿島神宮(祭神は武神の武甕槌神〔たけみかづちのかみ〕)では、菊花展の丹精こめた花々にも雨……
◆大洗港からの船旅
大洗の港には、余裕たっぷり早めに到着。
漁港に近い市場で、船旅、今宵ディナーの肴をもとめる。
アンコウ鍋の本場ではあるが…船室ではできない相談。
しからば刺身、アワビとカツオのよさそうなところをゲット。
車にもどったら、漁師ふうの男が売り込みにくる。
獲れたばかりの上ものがある、と。
これからアレに乗るんでね、フェリーのほうを指さすと。
よかったら帰りにも寄ってみてくれと、なんとも愛想がよかった。
大洗-苫小牧航路、このたびの乗船はサンフラワー「さっぽろ」。
いつもはスタンダードルームの洋室だったが、今回は奮発して初めてのデラックスルーム洋室。
ホテルのデラックスルームとは比べものにならない簡素さだ、けれど、(とくに占有できる)空間の貴重な船ではツインベッドだけでもありがたい。
ちょとハシャギたい気分に誘われ、船員服を借りて記念のポーズ。
こんなことも、想えばずいぶんひさしぶり。
よい酔いかげんに、トロリんちょ……
早々にもぐりこんだベッドの眠りから目覚めると、ハッとする星夜であった。
気づかされたきっかけは、不審物が発見されたという船内放送。
どんな不審ブツであったのか、とにかく、すべての船室各部屋をまわって確認がおこなわれ。
(もちろんボクらの船室もノックされ、扉を開けると制服姿があった)
結果(アレはなんだったの?)か、どなたかが不可解な持ち物を、不可解なところに置き忘れた…ということだったようなのだが。
(くわしい事情はついに明かされなかった)
日々、ドコかでナニかがある世のなか。
船旅にもこんなことがある、よくあるとは言わないが、けして稀なことでもない。
とまれ、こうして。
航海は風凍える行路、翌朝の船窓には飛沫が凍りついていたのだけれど、海は静かに凪いでおり。
ぼくの夢枕では、北の大地にふさわしい直線道路のカラマツ林が、どこまでも、どこまでも黄金色につづいていた……