-No.1036-
★2016年07月23日(土曜日)
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◆オキナワモズクの濃い味わい
沖縄のモズクの美味さ、味わいの濃さは、昨年も経験して、舌がその記憶を忘れていない。
天麩羅にしても、揚げ油にまけない味わいに、なんともいえない風趣があった。
ふだん東京あたりで手に入るモズクとは、だいぶ趣きがことなると思ったら、別の種類だという。
オキナワモズクまたはフトモズクといって、中にぬめり(粘り気)があり、こりこりとした歯ごたえが持ち味。
いっぽう、ふつうのモズク(イトモズクともいって”水雲”そのもの)は、表面にぬめりがあって、なめらかな口あたりが特徴、というわけだった。
沖縄県は、モズク生産で世界一。なかでも生産量がいちばん多い勝連漁協(年間約6000トン)の、そのなかでも津堅島産が大半を占めるという。
津堅島のモズク漁師は現在70名ほどと聞いた。
「モズク」の語源は「藻に付く」で、ホンダワラなどに着生する。
その性質を利用して、30年ほど前から始まった網の養殖が、ニンジンの生産とともに島の経済を支える。
モズクの収穫は4月から6月で、生の極上の風味を味わえる期間はかぎられるために、現在は冷凍保存が普及。
その他は塩蔵されてから、広く市場に流通することになる。
津堅島の長老先生Cさんの奥さまから、モズク天麩羅の作り方を教わり、冷凍の生モズクをお土産にいただいて帰った。
まずモズク酢での歯ごたえは味わったから、次はモズク天麩羅が食卓にのる日を待つ……
津堅島では、サラダやスパゲッティやオニギリの具にしたり、モズク餃子やモズクの油味噌などにもするという。
◆海ぶどうのプチプチ食感も忘れられない
沖縄の海の幸、もうひとつ。
「海ぶどうそば」というのを食べて、そのプチプチ食感がたまらなかった。
なにも”グリーンキャビア”なんぞと気どらなくてもよろしい、嫌味のない爽快味ならだんぜんこっちが上だろう。
暖海性の海藻で、2~5メートルほどもある匍匐茎〔ほふくけい=ランナー〕を伸ばし、その途中々々から直立する茎が生じる。
これに球粒状の小枝が葉っぱのように密生し、この直立茎を食用にする。
「クビレヅタ(括れ蔦)」の和名じゃ、てんで食欲をそそらない。
「海ぶどう」はいいネーミングに思う。
海水の水槽で鑑賞用に栽培もされるというくらい、見た目も涼やかな。
もちろん生でいただく。
しかもウレシイことに暖海の産ということで、低温には弱く冷蔵にはむかない(萎んでしまう)ために、空港などでもパックで売られているのを、買って帰った。
二杯酢でいただくのが最上であろう。
オキナワモズクとは、また、別の趣きで舌を楽しませてくれる。
いまは養殖もされているようだが、心配なのは資源の枯渇……