-No.1025-
★2016年07月12日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 1951日
★ オリンピック東京まで → 1473日
◆離島ツアーの幕引き
6月6日、長かった南の離島めぐりの一日も、ようやく陽が西に傾いた。
(旅にあるときボクは、移動の乗りもののなかでも滅多に眠らない、イヤ、じつは眠れない)
朝、ほぼ同時刻にでかけたさかざまなツアーの船便が、帰着時刻もまた似たようなものになるからであろう。
何隻かの舟艇と石垣港外で一緒になった。
(こういうオモシロさが見逃せないからだ…)
朝のスタート風景を見たときに、ぼくは「(北の海の)コンブ漁みたいだ」と思った。
きめられた時刻に一斉に、数多の漁舟群が運動会みたいにスタートダッシュ競って港を出て行く、覇気やヨシ。
そうしてコンブ漁の場合は、早く一杯にコンブを収穫した舟から帰港してくるのだが、同じような力量の漁師が多いと見え、帰港もやっぱり競争にならざるをえないのだったが。
南の離島ツアー船の、出港・帰港風景にも似たところのあるのが、少しおかしかった。
石垣港離島ターミナルの、岸壁にボクシング・チャンピオンのブロンズ像が両手を挙げていた。
(朝、出かけるときには気づかなかった)
勝利のポーズとっているのは、石垣島出身のプロボクシング・元WBA世界ライトフライ級チャンピオン具志堅用高。
現在は、アフロヘア―と口髭でおなじみ、不思議なおかしみのある異色のタレント。
1970年代後半から80年代はじめにかけて、世界王座6連続KO防衛を含む13度の防衛を果たし、24戦23勝(15KO)1敗という圧倒的な戦績をのこした男である。
その具志堅がチャンピオンになった試合のあと、「自分はカンムリワシになりたい」と語ったところから、以後カンムリワシのリングネームでも呼ばれることになったのを、ぼくもよく覚えている。
その、カンムリワシ。
後頭部に白い羽毛の混じる冠羽のあるのが特徴の、暖地性の猛禽類を、きょう西表島で、つづけて2度も目撃していた。
それだけのことだったら、あるいはすぐに忘れていたかも知れないが。
ツアー・バスの運転手さんが具志堅用高の大のファンで、あれこれのエピソードを添えて語ってくれたのが記憶にのこった。
なかでも……
「彼がチャンピオンになって連戦連勝の勢いにあったとき、じつは、石垣島にはまだ、その試合の模様を映し出すテレビ放送がなかったんデス、東京の会場の熱気も昂奮も、わたしらには無縁でした、具志堅さんだってあの頃は、外国で闘っているようなものだったんですヨ」
ガイド口調の淡々とした話しぶりが、かえって真実の味わいをコク深いものにした……
ホテルに帰ると、ロビーで島唄のライブがはじまっており。
立ち見客の姿がエレベーターホールにまであふれていた。
……………
5日に行われてた沖縄県議会議員選挙、投開票の結果は。
翁長知事の与党が勝利、多数の議席を維持した。