-No.0960-
★2016年05月08日(日曜日)
★《3.11》フクシマから → 1886日
★ オリンピック東京まで → 1538日
◆北に向かう
《11.3.11》から5年を迎えて、被災地東北の知友の人たちにも、”すきま支援”をつづけてきたボクたち夫婦にも、少しだけれど心境の変化が見られた。
それは、幼児のよちよち歩きを見守るようでありながら、「それだよね、生きるって」と胸のふるえるような気づきでもあった。
ぼくたち爺っちゃ婆っちゃは、16回目になる”巡礼”を、これから先にどうつなげ、どうやって弛みなくつづけたらいいのかを、半ば茫然としながらも考えていた。
そうしてすごす日々の節目に、このたびの熊本地震がおきた。
最初の震度7に襲われた14日は、かみさんの70の誕生日、忘れられない日がまたひとつ。
それからいまだに、おさまらない地震動に揺さぶられる日々がつづいている。
5年前の経験と、それから得た(教訓とはいうまい)示唆が、ざんねんながら生かされていない。
この国の知恵ある人たちは…(しかし)…いつになったら警鐘をわが身の気づきにできるのだろうか。
じつは、この日を予期していた自分が、ぼくにはある。
そのときの気がまえもあったはずだが…5年前には考えもしなかった変化があって愕然とした。
(力になれる)という自負が湧き上がってこない。
たとえばボランティアが、「寄り添う」と言う。
それはどういうことなのか……
どこに寄り添い、どう寄り添えるというのか……
いざってときに、理屈なんかコネてても始まらない。
わかっている、ボク自身がだれよりもそういうタイプの人間だ、けれど。
いってしまえば、まぁ、そういうこと、余力がないのだ。
半端に軸足をうごかせない、もどかしいが、やむなし。
熊本のことは、天の配剤にあずけて。
ぼくは、ひきつづき《11.3.11》を追う、北に向かう。
◆「花鉢スタンド」兼「人形飾り椅子」
巡礼は巡礼で、転々と土地土地の事情を尋ねつつ。
大槌町(岩手県)には、訪れつづけようやく根づいた木工ワークショップの集まりがある。
ナニをつくるか。
毎回、頭をなやませるのは、材料から道具までひっくるめて、運びこまなければならないからだ。
去年は「小鳥の巣箱」だった。
気もちが、ようやく内から外へ、向く頃あいと見たから。
けれど、巣箱をかける場所は選ばなければならない、ということもあり。
「巣箱型貯金箱」のオプションも用意した。
さて、ことしは……
自宅再建や、災害復興住宅への転居がはじまったことをうけ。
庭さきやベランダを意識して、「花鉢スタンド」になった。
これは「人形飾り椅子」にもなる。
なによりノコギリとドライバーくらいという、道具だてのシンプルさが魅力だ。
この5年間に知りあい、知遇をふかめた現地のお二人に、試作の材料を送った。
ワークショップ本番で、製作指導のお手伝いをしてもらうために……。