-No.0959-
★2016年05月07日(土曜日)
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◆こりゃ太るゼ!
六本木。
東京ミッドタウンの向かいに「MALINS」という店がある。
前から知っていたわけでも、友だちが教えてくれたわけでもなく。
「フィッシュ・アンド・チップス」とはいかなるモノなりや、食べてみなけりゃナニもいえねぇ。
…ということで、ネットで調べ、わざわざ出かけて行ったのだった。
メニューは単純明快で、魚のフライとポテトチップスのコンビネーション。
大、中、小とあり、陳列ケースの見本を見るまでもなく、ボリュームがちがう。
カロリーの気になる揚げものでもあり…小を注文してビールも頼む、(勝手に)そういうことになっている気がする。
ソースを選んで、席で待つ。
もちろんテイクアウト(テイクアウェイ)もできる。
注文してから揚げる。
その間に、どうして「フィッシュ・アンド・チップス」か。
イギリスで活躍する日本人シェフが「フィッシュ・アンド・チップスで革命を」起した、という記事に出くわしたから。
日本のように鮮度のいい魚が手に入らないので困ったそのシェフは、イギリスの漁港に出かけてその原因を発見。
この国の漁師たちが鮮魚の扱い方を知らないことに驚き、日本式の、たとえば氷を積んで出漁し獲れた魚をその場で氷詰めにして帰る、といった鮮度維持法を教え、それを買いつけることで信頼関係を構築したという。
つまり、こうした日本の品質管理と調理技術とをもってすれば、イギリス伝統の魚料理で、簡素なだけに素材がすべての「フィッシュ・アンド・チップス」をもっと革命的に美味しくできる、というわけだった。
(そりゃ、そうでしょとも)ぼくは思った。
ぼく自身、パリのレストランで食べた魚料理が、じつは魚を味わう料理ではなく、しっかりと熱を通しソースの味わいでいく料理であることを知って厭きれた経験がある。
さらに翌日、マーケットの魚売り場を見て驚いた。
日本でも、「生食用」と「加熱用」とに分けて提供されることがあるけれど、これと比べたらパリのマーケット魚は、「生食用」なんかまるでなし(刺身にならない)、「加熱用」にしても売れ残りの部類…くらいならまだマシな方、気のきいた魚屋なら売れない代物ばかりだった。
しかも、その店がとくによくないのでもないらしい。
ぼくは、イギリスに旅したことはないけれど。
現地でいま、革命的にうまいものになっているとすれば。
もともと魚の鮮度なら折り紙付きの日本でなら、ゼッタイに美味い「フィッシュ・アンド・チップス」が食べられるはずだ、と。
できてきた「フィッシュ・アンド・チップス」。
「フィッシュ」フライは、カリっとした歯ごたえの、小麦粉の衣だけの、これはフライじゃなくて立派に天麩羅デス。
タラか、カレイか、オヒョウかは知らないけれど、ようするに”白身魚”ってやつ(触感からするとたぶんカレイ)。
思ったとおりの旨さ。
揚げ油の風味だけで、ソースなど無用。マヨネーズも付いてきたが、なんにもいらない。
イギリスでは伝統的に酢と塩をかけて食べるそうだが、いりません、せっかくの鮮度がもったいない。
「チップス」のほうは、ぼくらがふだん食べているポテトチップスとは違って、フライドポテトですね。
それも太めなのがイギリス流だとか。
これがたっぷりと添えられていて、ビール一杯では食べきれずに、テイクアウト容器をもらって「お持ち帰り」と相成った。
ファースト・フードにしては、わりあい、いいお値段でしたが。
それよりも、こんなボリュームたっぷりの揚げものを日常的に食べていたら、間違いなくメタボ・コース。
ビールとの相性のよさは、思ったとおりでしたが。
ボクなんか、この食べものは「お子さま」用で充分な気がしました。