-No.0922-
★2016年03月31日(木日)
★《3.11》フクシマから → 1848日
★ オリンピック東京まで → 1576日
◆3月10日(木)北日本新聞
その一報を知ったのは福井県、越前三国、日本海を目の前にする宿のテレビで……
そうして、詳報は富山市の宿で買った新聞で読んだ。
ご存知のとおり、関西電力高浜原発3・4号機(福井県高浜町にある)の運転が差し止められた。
運転禁止の仮処分を申し立てたのは、高浜原発から70km圏内に琵琶湖がすっぽり含まれる、隣接県滋賀県の住民。
この決定は直ちに効力をもち、(うち4号機はトラブルがあってすでに停止中のため)3号機の運転が停止された。
差し止め決定の要点。
①発電の効率性と、甚大な災禍とを、引き換えにはできない。
使用済み核燃料プール、冷却設備の耐震強度は、新規制基準を充たすだけでは足りない。
②福島の原発事故をふまえた、過酷事故対策、耐震基準の策定、津波対策、避難計画に、疑問がのこる。
福島原発事故の徹底した原因究明がなされないまま、新規制基準をつくった規制委の姿勢にも不安がある。
③住民に対する、人格権侵害の惧れが高いにもかかわらず、関電は、安全性確保と、その説明責任を尽していない。
原発周辺の活断層の調査も徹底されておらず、関電が設定した基準地震動が妥当とはいえない。
津波対策も不十分、避難計画にも意をはらうべきだ。
……としたうえで、最終的には、国の(新規制基準が政府のいう「世界最高水準」といえるのかどうかも含め)無責任を指摘。
④事故時の避難計画の策定は、自治体ごとではなく、国が主導して、行うべきだ。
……としている。
この差し止め決定については、新聞はじめ各方面から「画期的」との評価があり、ぼくも同感。
だが、もっと本質的にボクの実感するところを、付けくわえておきたい。
それは……
裁判所から〈お上〉意識がうすれたことだ。
これまで、おなじ〈お上〉の側、国のすることには口をはさまない態度できたことに、反省というか、少しではあるけれど変化が見られた。
どちらかといえば〈お上〉の番人に近かった立場が、ちょっとは民の身方に寄り添ってくれた感がある。
だって、よ~く考えてみれば、そうでしょう。
国があって民があるのでは、けっしてない。
民があってはじめて国がある、からです。
裁判所には、まだ、〈ふくみ〉をのこした表現が気になる、こともありますけどね。
まぁ、ぼちぼち、かわっていってほしいと思っています。