-No.0920-
★2016年03月29日(火曜日)
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◆エコ・ツーリズムとは…
いうまでもない。
自然環境のほか、文化や歴史などを観光の対象としながら、その〈持続可能性〉を最大限に考慮し追求するツーリズムである。
ただし、この定義もまた、それぞれの国や民族によって解釈や事情がおおきく異なること、いうまでもない。
中部から南部の東アフリカでは、いま、エコ・ツーリズムとしての「サファリ・ツアー」が人気だという。
しかし……
そもそも「サファリ」というのが、スワヒリ語源の「狩猟および探検の旅行」。
エコ・ツーリズムとは対極、〈持続可能性〉どころか〈絶滅危惧性〉にあふれていた。
世界の王侯や富豪たちが、サファリの戦利品で自慢の大邸宅を飾ったのダ。
そうした過去の、反省の上に立ってのエコ・ツーリズム流行り、ということであろう。
けれども……
「サファリ・ツアー」の人気をささえているものは、狩猟時代から変わらない。
”ビッグ5”と呼ばれる大型動物たち。
ゾウ、ライオン、ヒョウ、アフリカスイギュウ、サイ。
そう……
かつて狩猟の対象として、もっとも危険な相手とされた5種類。
その生態を大自然のなかで観察するにしても、やはり〈大物ねらい〉なのダ。
この〈大物ねらい〉の習性というか性癖って、いったいナニ、ドコからよってきたるか。
狩猟民族に特有ともかぎらず、たてえば農耕・採集の民にも厳然として〈大物ねらい〉はある。
省みるとボクなんかにも、かなり色濃くそれがあり、お恥ずかしいくらいダ。
ナゼッて、〈いちばん〉狙いの根底にあるのは〈差別化〉の意識にほかならないと思うから、デス。
ならば、いっそヤメチマエばいいものを、それは助平根性でやっぱりサミシイから、デス。
……………
ともあれ。
ビッグ5の朝な夕なの生態、アフリカ大陸の大自然にもとめる人たちの姿を見つめながら、ボクには、まったく別な想いがわいていました。
それは、ニオイ。
野生動物、それも大型ゆえに強烈なニオイというものが、この広すぎるほどの大地では気にもなるまい、いやむしろ懐かしいくらいなのでなないか…ということ。
じつをいうと、ぼくは、そのニオイが嫌で、動物園が好きになれない。
日本でいえば上野動物園のような、一流クラスの動物園でも、ニオイには悩まされなければならない。
野生動物を、自然から切り離して囲うことの無理、無体を思わざるをえない。
そうデス……
「サファリ・ツアー」のようなエコ・ツーリズムを、世界中の子どもたちが体験できるようになれば、「動物園なんかいらない」んです。