-No.0889-
★2016年02月27日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 1815日
★ オリンピック東京まで → 1609日
◆雪氷像もレンガ造りには敵わない
じつは、この日(2月9日)の朝。
雪まつり会場にでかける前、いちばんに北海道庁旧本庁舎「赤れんが」を訪れた。
この建物には大学時代、北海道開拓地踏査の下調べに道庁を訪れた折に出逢っており、こんどは再会の挨拶だった。
現在の同庁建物がすぐに隣接してある。
ぼくたちの泊まったホテルが「赤れんが庁舎」から通りひとつ隔てたところにあって。
朝夕、部屋の窓からその佇まいに接することができたのは、ホテルはどこも満室のこのシーズンに、ラッキーなことだった。
雪まつり会場の大通り公園に近いせいもあって、朝から訪れる人の姿がひきもきらない。
…というより、雪氷像よりも訪れる人たちをよろこばせていた。
どっしりとしたその重量感、それでいて、どこか愛嬌もある明るさ。
明治21(1888)年にできたこの建物が、現在ある庁舎に引き継がれるまで80年間の道庁だった。
”ネオ・バロック様式”のアタマに”アメリカ風”とつくところが、その明るさのひみつだろうか。
これから開拓地踏査に旅立つ若者には、心づよく頼りがいのある建物に印象されたものだった。
いったいレンガ造りというのは、コンクリートジャングルにも、アスファルト街路にも映えるものだが、より一段と精彩をはなつのはやはり、大自然の濃い緑のなか。
かつては、夏空に向かって手をさしのべるかの姿に、開拓の意気込みを追ったものだが。
いま見る、雪のなかの風情もまたよい。
雪像にまさり、時計台にもまさる。
ぼくのサッポロは、赤れんが庁舎、北大植物園、サッポロビール園、この3つなのだった。