どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

〝建設残土〟で海抜ゼロメートル地帯に〝命山〟を/〈騒音〉よりなによりダイジな〈汚染〉のチェック

-No.0858-
★2016年01月27日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 1784日
★ オリンピック東京まで → 1640日




◆海抜ゼロメ-トル地帯に”残土”の高台

 つい先日お伝えしたばかりの「事前復興」。
 熱心な対策にとりくむ自治体のひとつに、東京都葛飾区がある。

 〈海抜ゼロメートル地帯〉はいうまでもなく、大規模水害で〈水没〉の危険を抱えるからだが。
 その葛飾区がまとめた防災構想に、建設残土を活用した公園の高台化がある。
 〈命山〉だ。
 
 残土を引き取るかわりに建設業者に造成してもらおうという、このアイディア。
 国交省の〈東京東部低平地『防災高台整備事業』〉の適用第1号になる見通し、といい。
 さらには、リニア中央新幹線工事の残土利用も検討するそうな。

 無用になったものを、ただいたずらに〈廃棄物〉にしない工夫は、イイと思う。
 ぼくは、建設残土が(どこへ消えていくのか)じつは気になっていた。

 高度経済成長期に出た首都東京の膨大な残土は、そのほとんどが「夢の島」など湾岸の埋めたてに使われたことになっているが。
 それでも余った残土があるのではないか、処理に困ったこともあるのではないか、極秘に(不法)処理されたものもあるのではないか。

 そんな心配ごと、懸案の解消策こそ、もっともっと積極的に。ぼくは望む。

 ”残土”の高台が整備されるのは、荒川と並流する中川東岸、区立の新小岩公園。
 このあたり、ひとたび川の氾濫に見舞われれば、最深3~4メートルもの浸水が予想される、という。
 ここに50mプールおよそ220杯分、22万立方㍍の残土を運び、最高6メートルにまで嵩上げしようというわけだ。

 「残土の運搬と、造成の費用は、原則的に自治体の負担なし。建設業者にとっては残土の処分先を確保することになる」
 これが、仲介役をする国交省のもくろみ。
 来年にも工事に着手して、それでも完成までには10年ほどかかるというから、溜息ものだ、けれど…。

 災害発生時の避難経路、避難先の確保という大命題は、もちろんあるのだけれども。
 だからって、手をこまぬいていることはない。
 「イザってときに間にあうのか」なんて、ことでもない。
 「よかれ」の継続する意志をもつことがたいせつなんダ。

 それにしても建設残土の、その膨大量には生唾を呑む。
 リニア中央新幹線(2027年完成予定)工事から、排出される残土は、東京・神奈川分だけで東京ドーム14杯分、1740万立方㍍。
 うち19.4kmがすべてトンネルになる東京都の分だけでも600万立方㍍。
 その、ほとんどの処分先がまだ現段階では決まっていないのだ、そうな。

 ちなみに、ふだんの公共工事で出る建設残土量は年平均で約300万立方㍍ほど、とか。
 それが、2020年〈東京オリンピックパラリンピック〉開催にともなう建設ラッシュになれば…。

 ぼくは、《11.3.11》後の数年間、イヤ地域によってはいまでも、”災害復興”のダンプカーがひっきりなしに、砂塵をまきあげ往ったり来たりする光景が目に泛ぶ。
 前回1964年東京オリンピックのときもそうだった。
 いまほど道路舗装の進んではいなかった当時、土砂を満載してデコボコ道をわがもの顔に爆走する、トラックの後塵を拝して咽ぶ庶民世界があった。

 しかし…。
 ときが経ってみれば、それら残土はどこへ消えたのか、知る由もない。
 適不適はともかく、どこかしらに呑みこまれてしまっていた。

 想えば、これも大地自然の懐の大きさ、深さではないか。
 その大地を、しかし…。

 人は、よく考えることもなしに、そんな大地自然を汚してきた。
 建設残土には、とうぜん、その影響があらわれないかが心配だ。
 運搬時の騒音より、なにより汚染。

 運びだす際の”汚染チェック”に、国交省も、自治体も、建設業者もこぞって。
 充分な気配りがなくてドウスル。