-No.0828-
★2015年12月28日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1754日
★ オリンピック東京まで → 1670日
◆わが家も30km圏内付近…
地図(記事中の小さな挿入図)を見た途端に、目が一点に吸い寄せられた。
三浦半島を中心にすえた図の、半島基部の辺りに黒点があって、米海軍横須賀基地(原子力空母)の注記。
周りに3km・5kmの同心円、そこまでは横須賀市内で納まっているけれど、それが30kmに波紋が広がると。
もちろん三浦半島はすっぽり呑みこまれ、湘南の海も半分くらいは範囲内、東京湾奧は大田区役所にかかり、対岸の房総半島側では木更津市役所までが巻きこまれていたのだが…。
「おぃおぃ、よせやい、入っちゃってるじゃねぇか」
神奈川と東京の都県境を示す点線の、北西のあたりににスゥーっと、盲腸みたいに横浜市へ食い入っているところが、町田市の南端だ。
ちゃぁんと30km圏内に、踏み越している。
まぁ、厳密にいえば、わが家のある住宅街までは及んでいないものの。
俄然、他人ごとではなくなった。
原子力潜水艦はなにも、そのエネルギーだけをどっかから貰ってきてるわけじゃない、正真正銘の原子炉を艦内に保持し、運転しているんですからね。
(ちなみに、10月に配備されたロナルド・レーガンの場合、加圧水型原子炉2基、出力は計120万キロワットと推定され、これは福島第一原発1号機とほぼ同等)
万が一事故があったときの避難範囲を、原発と同等にすべきなんじゃないか。
ということで、国のマニュアルを検証する政府の作業委員会が発足して、議論がはじまったわけです。
(アタリマエのことをするのにも、こうしてモッタイをつけないとデキない)
…で、まず避難を始める放射線量の判断基準を、原発指針と同じ毎時5マイクロシーベルトにした。
(これまでの原子力艦マニュアルではなんと、毎時100マイクロシ-ベルトだった)
次は、避難範囲の見直しになるわけだ、けれども、ここでも「どうしましょうか…」と、テーブル囲んで会議。
(会議の正式名称、「原子力艦災害対策マニュアル検証作業委員会」と長い分だけ、関係者17人と委員の数も多い分だけ、時間も金もかかるのデス)
〈避難範囲〉の基準の比較
〇原子力艦マニュアル
①半径1キロ圏内(基地内)は避難
②半径3キロ圏内は屋内退避
↓(見直すと下記)
〇原子力発電所指針
①半径5キロ圏内(予防的防護措置準備区域=PAZと略称)はただちに避難
②半径30キロ圏内(緊急時防護措置準備区域=UPZと略称)の自治体は避難計画を策定
となる。
(こうしたお役所好みの名称の、手の混んだワカリにくさ、はっきり”目くらまし用語法”といっていい)
ともあれ。
見直しとなれば、もちろん、地元の横須賀市はタイヘン。
「ただちに避難開始」だけじゃない、あらかじめ住民には安定ヨウ素剤を配布しなければなりません。横須賀市の人口20万人超。
(どうするんですかネ)
周辺30キロ圏内の 周辺都市だってタイヘン。
東京都区内では大田区が、神奈川県では横浜・川崎の100万人都市(新聞報道では町田市は入れてもらえていない)が、避難計画を策定し避難場所を確保しなければならない。
どれだけタイヘンか。
たとえば原発立地市町村で、避難計画をいまだに策定できていないところが”目白押し”状態。
前にボクは、辺鄙な東通原発(青森県・下北半島)でさえ、事後があったときには避難路を確保することが難しい現実を報告しました。
おそらく関係者にも、「現実には”絵に描いた餅”の避難計画にしかならない」ことがワカッテいるから、策定できないのだと思います。
半径30キロ圏内(緊急時防護措置準備区域=UPZ)人口がもっとも多い東海第二原発(茨城県)の周辺市町村では避難計画を策定できていません。
つまり、そういうことなんデス。
この狭小な火山・地震頻発国に、原発は、ほかのどんな国にもまして、馴染まない。
つまり、そういうことなんですが…。
年が明けたら、町田市に「対策をどう考えているか」確かめてみるつもり。
たぶん、ほかの自治体と同様に、そんなマニュアル検証作業が始まったことすら知らない(知らされてもいないんでしょう)んだ思いますが…。