-No.0826-
★2015年12月26日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 1752日
★ オリンピック東京まで → 1672日
ここへきてやっと、冬型の気候になってきたようですが…。朝の、あの、しびれるような冷え込みはありません。
人間、勝手な生きものですが…。やっぱり、どこかさびしいような気分デス。
◆春さきがけの花が…
木瓜〔ぼけ〕の花が一輪、冬枯れのなかに紅を点〔さ〕して咲いた。
木瓜は、わが家では、年が明けて初めに咲く花。梅より早く、春の魁〔さきが〕け。
ぼくが山靴を履き始めた頃、甲州の山家からもらわれてきて以来、庭の隅にひっそりといる。
小さいながら丈夫に、年に一度の出番をわきまえてきた。
家を引っ越したときも、忘れ去られず、ついてきた。
いまも、南向きの家の東側、緑道沿いの裏口脇、めだたないところにいる。
いつも、振り返ればさほどのことはないのに、なぜか気忙しい年越しをして、さて、見るともなしにそちらに目をやると、ポッと咲いている。
雪など散らついてくれると、さした紅がことに明るく映える。
「土の中は萌える春です」
ことば少なに、凛としている。
木瓜 紅い 母さん いくつになったっけ
これは母の生前、自作の句。
そんな花でもあった。
その木瓜が、まだ師走のさなかに、咲いてしまった。
ほんとうなら、まだ、ひと月は先のはずが…。
待ちわびたわけはない、春が遅いわけではない。
春さきの、なごりの冷えこみと間違われるようなこともない。
開花のきっかけに、思いあたるような節もなく。
どうも、かげんが、思わしくありません、とでもいうように。
もうしわけありません…風情の、そういえば、花の色に艶もなく。
なんだか、はぐらかされたような、年の暮れ。