-No.0823-
★2015年12月23日(水曜日、天皇誕生日)
★《3.11》フクシマから → 1749日
★ オリンピック東京まで → 1675日
◆「あれっ、吊りそう」~「釣られちまった」
明け方に、足に違和な予感があって。
(あっ、つりそう…)
これまでにも、ときたまあって。
でも、そんなときには、つま先を意識して手前に、引っぱるようにしてやると難を逃れられた。
ところが、そのときは、これまでと違って。
(こりゃヤバい、とめられない)
いちはやく、つま先が静観、そのままなす術もなく、足が「つって」しまった。
不意に「つって」しまうのはやむをえない、として、「つりそう」な気配には対処して、回避できていたのが、できなくなっていた。
そのショックに、身体を引き攣らせたまま、ぼくは。
「つる」のは、たしかに「吊る」のだけれども、「釣る」感じもあるなぁ。
これって「こむらがえり」でしょ。だけど誰も「コムラがカエリそう」とはいはないよネ、「ツリそう」って。直截な感覚だとやっぱり、「カエル」んじゃなしに「ツル」んだよネ。
なんぞと思ってみたりしていた。
しかし…。
そうしていても事態は打開しようがなかったので、あそるおそる起き上がり、ゆっくり膝をのばして、手で足首を反らせていった。
さいわい、まだ、足首に手はとどく。
それに、ボクの場合、痛みはさほどのこともない。
間もなく「こむらがえり」は治まって、ぼくはよちよちオシッコに立ってから、仰向けになり。
(トシってことかぁ…)
すると、もう眠れない。
お爺ちゃんが(想念のむこうで)憮然としている。
「ねぇ、泳がないの、海に入らないの」、少年のボクが訊いている。
「足がツルようになって、コワいから、ヤメた」、お爺ちゃんがボソッと応える。
母方のお爺ちゃんは面倒見のいい人で、ぼくたち孫を連れては山や海に遊び、ハンモックを吊ってくれたり、日除けの傘を広げてくれたり。
そうして自身は、黙って汗を拭いている。
(歳をとるってことは、そういうこなんだ)と思って…。
そうした細波のような心境のなかに、いま、ぼくがいた。
☆ ☆ ☆
『筋肉・関節の動きとしくみ事典』(成美堂出版)という本が、手もとにある。
小学校の理科室で見た人体見本や骨格見本いらい、気にすることもなった身体の成り立ちが知りたくなったのも、つい近ごろのことだった。
この本の足の図解に、脛骨と脛骨筋、腓骨と腓腹筋などがある。それはワカッタ。
けれども、「脛」が「すね」、「腓」が「こむら(ふくらはぎのこと)」とは、すぐには結びつかず。
ましてや、「腓返り」が「転筋(筋が転ぶ?)」とは思えなかった。
ともあれ。
「こむらがえり」というのは、自分の意思に反して急に、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が収縮すること。俗に「足がつった」状態になると、痛みをともなって身動きできない。
ボクのお爺ちゃんがオソレたように、水に溺れることもあるわけだった。
ネットで調べてみると。
情報いっぱい、関心の高さをうかがわせる。
この症状の〈特徴〉は二つ。
①高齢になるとともにおこりやすく、女性の方がおこりやすい。
②スポーツや散歩など日常生活の動作中におこる場合は一過性だが、就寝中におこる場合はクセになりやすい。
〈なぜか〉というと。
睡眠中は足が伸びきった状態。足が吊るのは「ふくらはぎ」が伸びたときだから、人はいつ吊ってもおかしくない状態で寝ていることになる。
ふつうは寝返りをうったりすることで伸びが解消されていると考えられ、なんらかの理由で体調に狂いが生じた結果の「こむらがえり」だと。
(そういえばボク、目覚めたときには掛け布団をどこかへ、蹴飛ばしてしまっているほど寝相がわるかったのに、近頃はずいぶん寝相がよくなってきたのに、自身、驚いていたところだったのダ…)
〈治すには〉収縮した筋肉を伸ばしてやればいいのだから。
①ほかに人がいれば、足の裏側から押してもらう。
②ひとりの場合は、膝を伸ばし、足のつま先をゆっくり顔の方へ曲げ、ふくらはぎの筋肉を伸ばす。
〈治ったあと〉の処置は。
〇放っておかずに、蒸しタオルなどで温めてやる。筋肉の回復がはやく、再発の予防にもなる。
その〈予防策〉は。
①足を使った実感があるときは、ストレッチ。
②スポーツドリンクなどで水分とともに塩分(スポーツが原因のときは塩分の不足によることが多い)やミネラルを補給。
③漢方薬を服用(これはカミさんがウォーキング中、両足に「こむらがえり」という一大事があったとき、人が教えてくれてから後、かかりつけ医に処方してもらったツムラの芍薬甘草湯というのを常備している)。
ところで。
「こむらがえり」にかぎらず、人はさまざまな筋肉の収縮・痙攣の問題を抱えているわけで、全身どこの筋肉におこっても不思議はない、という。
ふむ…。
とりあえず、心筋に「こむらがえり」があればお陀仏だなと、ナットクした