-No.0763-
★2015年10月24日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 1689日
高倉健没から → 348日
★ オリンピック東京まで → 1735日
《11.3.11》2015夏の巡礼をし遂げて、帰宅後に…。
◆『さとうきび畑』のCDを買った
こんどは、上間綾乃の唄、ウチナーグチ(沖縄言葉)の『さとうきび畑』。
ぼくは、北帰行タイプの旅人だけれど、唄は南へ、沖縄へと翔けて飛ぶ。
北の、津軽海峡の向こうで義兄が病にたおれ、あっけなく亡くなった。
その生から死への移ろい、のこされた始末をカミさんと、つけ。
戻ったわが家で、ふたたびウチナーグチ『さとうきび畑』を聞いた。
ざわわ…と、こころ騒がれた。
この、鎮魂の名曲バラードが、ウチナーグチ(沖縄言葉)に訳されて、いま唄われたことに、ぼくは胸がふるえた。
沖縄の地上戦で亡くなった人々を偲ぶ唄に…。
なぜ、これまでにウチナーグチ(沖縄言葉)の歌詞がなかったのか…いや、いや、いや、そうではない、ただ聴かれなかっただけなのだろうヤマト(本土)では…なんとフシギなことだった。
「戦後七十年だけれど、ほんとうの意味で戦争は終わっていないのかも知れない」
上間さんの想いが、風になって「ざわわ」とそよぐ。
澄んだソプラノの、高温が冴えてわたる唄。
森山良子の『さとうきび畑』も、夏川りみの『さとうきび畑』もよかったけれど。
こんどの上間綾乃の『さとうきび畑』の唄には、洗練しきれない“島人”の想いが灼きついたような、佳さがった。
ウチナーグチ(沖縄言葉)は、わかりにくいけれど、唄のこころは、なんの障りもなく胸底にまで響く。
9月中旬には沖縄、浦添で第21回をかぞえる「しまくとぅば語やびら大会」があり、そこでもウチナーグチ(沖縄言葉)の『さとうきび畑』が唄われた。
上間さんのCD収益の一部は、戦火で失われた沖縄の森をとりもどす活動に生かされる、という。
ぼくらヤマト(本土)に在る者には、いま、「植民地=沖縄」の現実にむきあう正直がもとめられている。