-No.0690-
★2015年08月12日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 1616日
(高倉健没から → 275日
★オリンピック東京まで → 1808日
◆はたして〝復興〟の一助となるか…
7月16日(木)、雨。
ぼくの性格は、しとしと雨には寄り添わない。
降っているのかいないのか、わからないくらいの雨に濡れるのはゴメン、どうせならキッパリしっかり傘を叩いて降ってほしいのダ。
とはいえ、そんな本降りの雨のなかでは、ろくな身動きもならない。
(建物に入るとするか…)
ぼくらは、常磐道から仙台東部道路に入って、この7月1日にオープンしたばかり「仙台うみの杜水族館」を観に行った。
水族館は、仙台港インターからすぐのところ。
港湾後背地というのはどこでも、区画配置がおおざっぱで、ごく殺風景にできているものだが、そんななかにあって水族館のある一郭だけが、人通りもにぎやかに盛り上がっていた。
そこは、あの大津波に浚われた公園跡地を、嵩上げ整備した場所だった。
とまれ、たしか今年、小・中学校の夏休みが始まるのは18日の金曜日からだと思っていたが、水族館入口に並ぶ親子・孫子連れの群れを見ると、もうすっかり〝夏休み中〟であった。
館内の展示を観ると、巨大水槽の「いのちのきらめくうみ」、この地方特産の「マボヤのもり」、再現された磯場で生きものたちと触れあえる「うみの杜ビーチ」など、さまざまに工夫が凝らされて、これからの水族館は水槽の奥を覗きこむところではない…のがよくわかる。
そして、なんといっても人気ナンバーワンは、やはりイルカ・アシカのダイナミックなパフォーマンスが見られる「うみの杜スタジアム」。
近ごろ、なにかと大仕掛けな水族館が人気を集めているなか、ここ仙台うみの杜水族館の規模は大きくない。
しかし、この水族館の飼育員や生きものの多くは、5月に閉館したばかりのマリンピア松島水族館から引き継がれている。
それはそれでよい…として。
ぼくには、イルカのジャンプに喝采のわくパフォーマンス・スタジアムの風景が、周囲とはかけ離れて違和感の、異次元空間にふと思えてしまう。
沿岸被災地ではいまも、復興住宅の建設より、慰霊碑や祈念物、集合施設の方が先行しつづけている。
みずからは家族ともども、仮設住宅に不自由に暮らしながら、たまにこうした水族館などに慰めのときをすごしに来るのが、はたしてそれでいいのだろうかと、つい思わざるをえないのだった…。