-No.0582-
★2015年04月26日(日曜日)
★《3.11》フクシマから → 1508日
(高倉健没から → 167日
★オリンピック東京まで → 1916日
*パソコンを買い替え、システムも一新。いまのボクは、まだ、それに戸惑っている状況なのですが…*
*再開します*
*とりあえず、とうぶんはドキドキしながら、なにか不都合なことがあるかも知れませんけれど…*
◆抜き身の刃にふれるような役者
萩原流行さんが亡くなった、22日のことだった。
ボクには、”つよく琴線をはじかれる”感じに、とても気になる存在の役者だった。
彼は舞台の人であり、ぼくは舞台が苦手ときているので、彼の舞台を観てはいないのだけれども…。
ぼくがハマりこんでいる映像の世界で、彼は異彩を放ちつづけた。
”性格俳優”という表現が、ぼくにはナットクできているわけではないけれど。
萩原流行は性格俳優だと想える…そういう役者さんだった。
テレビドラマでは、卑劣…とか、極悪非道…とか、いったふうの犯人役を演ずることが多くて、観る人を戦慄させる役づくりをした。
なかでも2009年のテレビ朝日、『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』。
〈落としの八兵衛〉の異名もとった鬼刑事、平塚八兵衛が主人公の物語は、もちろん八兵衛役の渡辺謙が主役だったが…。
1963(昭和38)年「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の犯人、小原保役を演じた萩原流行(当時の芸名は萩原聖人)は、抜き身の人の生きざまを抉り出す演技で、主役の渡辺謙をみごとに喰って魅せた。
こちらの肌身をふるわせるほどの凄味があった。
松田優作と親友だった彼…には、なるほど、うなずかせるモノがある、が。
ボクはそれよりも、なぜか、萩原流行の面影にはロビン・ウィリアムズがダブる、のだ。
どちらも”抜き身”を演じて、果てた役者。
”抜き身”というと、ふつう、”刃”を連想させるけれども、彼らの場合には、むしろ”むき身”の貝のようだった。
萩原流行は”うつ”の人でもあった、役者ゆえ…。
ロビン・ウィリアムズにもまた、似たようなハートの慄きがあった…。
ウェスタン・ルックを好み、気さくで、ひょうきんに、生き抜けようとしたのだろう、けれども…。
愛用のハーレー・ダビッドソンで、路上に息絶えた。
警察の護送車との接触があったといわれることにも、因縁めいた想いをおこさせる。
「聖人」から「流行」に改名したとき、ぼくは勝手に「りゅうこう」と読み、そのほうが素直で彼に相応しいと思ったものだが、彼は(ひとつひねって…か)「はやり」と称した。
それだけのこと…だけれども。