-No.0491-
★2015年01月25日(日曜日)
★《3.11》フクシマから → 1417日
(高倉健没から → 76日)
★オリンピック東京まで → 2007日
◆“72時間”後の暗鬱な時のながれ
あのとき…1月20日、火曜日の午後。
イスラム国が拘束した〈日本人2人に対する2億円の身代金要求〉と、その期限“72時間”指定があってから、ぼくの思考と生命維持の生活リズムは、おかしな具合に齟齬をきたしたまま、虚しいからまわりをつづけています。
そうして23日の金曜日、期限とされた“72時間”をすぎた後も…。
拘束されたうちの1人が、どうやら殺害されたらしい。
のこされた1人が、まったく憔悴し怯えた表情で、日本政府に助命を訴えていました。
安倍総理の表情は困惑きわまり、菅官房長官の顔にも怯えの影がよぎりました。
「怯えるな」なんて…そんなんじゃないです、ぼくにも怯えがある。
国の指導者には、もっと真剣に怯えてほしい。
「テロは許されない」のは、そんなの、あたりまえ。
「テロに屈しない」のも、それはそれで、いいんです。
そのうえで、“命を奪われること”には、正直に怯えてほしい。
欧米諸国間で「テロ組織の身代金要求には応じない」約束がなされている、といいますが。
アメリカとイギリスの旧二大国は、自国の文化的な衰弱も手伝って、心底ふかい怯えのうえに、“最後の砦”を死守するほどの思い…かも知れませんが。
ほかの国々は、人質解放のためには、裏金を払うことまで含めて、あらゆる可能性をもとめて、ふところ深く応じているらしい情報もありますよね。
それが、あたりまえだと、思いませんか。
なんで、たとえ同盟関係にあるとはいえ、他国の事情につきあってまで、自国民の命に冷淡でいられるのか…そっちのほうが、おかしい…んじゃないかな。
身代金を払って人質を助けたあと、「それでもテロには屈しない」と、堂々と訴えていけばいい。
身代金を払えば、それが、次の人質誘拐やテロの資金になる…っていいますけど、じゃ、人質を見殺しにして、テロはなくせますか。
それまでに、どれだけ自国民の命を代償に払うと、いうのですか。
先進文明国が、新興国や発展途上の国々や地域を、みずからの利益のために、食いものにしてきたことは、歴史としてあきらかな事実ですよね。
この間に押しつけてきた、さまざまな形での不利益や“怯え”が、いまは“返し波”になって先進国の岸を洗っていることも、事実でしょ。
人として、卑屈になることはない、と思いますけど。
他人のことには、まったく思いも及ばない、思慮にかけた“差蔑”意識や、その表れが、思わぬ不幸な方向に人類を押し流してしまうことのほうが、テロにもまして怖いです、心底“怯え”ます。
農耕民族だからどうの、狩猟民族だからどうの…は、このさいやめて。
日本人ほど“怯え”る心情を理解する、ナイーブな民はないと思っています。
あのときから始まった、暗鬱な時のながれ。
ほかに、これといった大きなニュースがなかったから…ですか、違うでしょ。
これほどの大事が、ほかにありますか。
天候はまぁまぁ、穏やかに移ろっているのに…。
やりきれないほどに暗鬱な空気が、日本の庶民の頭上を覆っています。
“怯え”です。
オレはちがう、なんて強がることはない。
政府は“命の救出”に全力を傾注するとき、です。