-No.0485-
★2015年01月19日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1411日
(高倉健没から → 70日)
★オリンピック東京まで → 2013日
◆『あなたに褒められたくて』
年が明けて最初に読んだ本、高倉健さんの〈随想〉。
随筆というより、彼にふさわしいのは〈随想〉です。
健さんの〈随想〉に似あうのは、単行本より文庫本(ぼくが読んだのは集英社文庫版)。
タイトルは(きっと、そうだろなぁ)感じで、でも(もしかすると…)寄り添う女性の影に淡い期待を抱かせもして。
種を明かされてみれば、(やっぱり)お母さん、ほかにないですもんね。
彼の書いたものは、これまでにも何度か、雑誌で読んだことがあって、いずれも健さんらしさの滲むものでしたが。
あらためて一冊になったのを読んで、(あっ)と気づかされました。
彼の生き方は、ほぼ理解できてた…と思うんですけど。
表現の仕方、話術っていうんですか、そっちもすごい。
ですます…も、である…も、どっちへも隙なく自由に、行ったり来たり。
ピュアで、自在で、破調があって、落としどころも心得ていて。
きっと、健さん自身(どう表現したらいいか)については、ずいぶん格闘したんじゃないか、苦心の末の〈自然体〉だったろうと思うんですが。
結果、ちゃんと〈一本〉筋が通ってる。
健さんの演じた役柄を追ってみても、(全作品を観たわけじゃないけど)なんか筋は〈一本〉通ってましたね…っていうのは、すごいな、しあわせなことだと思いますね、役者として。
ぼくなんか、表現法の〈破調〉については、中原中也の詩作などから懸命に学んだりしてきたわけですけど、ついに健さんの〈自然体〉には及ばず。
どっか無理があるんでしょうね、やっぱり。
筋が〈一本〉じゃない、のかも知れない。
身の丈にあってない、のかも知れない…。