-No.0465-
★2014年12月30日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 1391日
(高倉健没から → 50日)
★オリンピック東京まで → 2033日
◆ホテル・オークラの「シュトーレン」
家から歩いて15分ほどのところに、パン屋さんがある。
ちょうど程よい距離感なので、“筋トレ”ウォークの折り返し点にして、ときどきでかける。
去年の12月中旬。
「クリスマスの頃だけの」というパン、「シュトーレン」のお知らせが写真付きで掲示されていた。
美味しそう…で、食べてみたかったのだけれど、下のバスケットは空っぽ。
「すいません、きょうのぶんは売り切れました」
じゃ、また、出なおして来よう…で、結局それっきりになった。
ぼくは、そのパンの名も、すぐに忘れた。
もともとボクにとってパンは、主食ではない。
間食あるいは「おやつ」の部類に属する感じで、米飯の代りにはものたりないものだった。
それくらいの、ごく軽い存在なのダ…いまは。
でも、パンの焼ける匂いは好きで、香ばしさに魅かれて店に入ってしまうこともある。
小学校のころ、友だちにパン屋さんの子がいて、羨ましかった覚えがあるほどだ。
その頃は、チョコレート・パンが大のお気に入り。
いまは、もっぱらカレー・パンで、ぼくはなぜかカレー・ライスより、カレー・パンとか蕎麦の「カレー南蛮」のほうに惚れている。
だから、まぁ、ほかのパンは、見た目もよく美味しければなんでもいい、くちなのだった。
それは、さておき…。
一年がすぎ、ふと、かみさんが「シュトーレン」の季節を想い出して、ウォーキングがてら買いにでかけた。
パン好きの方には「釈迦に説法」であろう、「シュトーレン」はドイツ文化圏で〈クリスマスの〉特別な食べものといわれる。
卵やバター、レーズン、果物の砂糖漬け、スパイスなどを練り込んだパン生地を、平たく焼き上げた菓子パンは、粉砂糖をたっぷりまぶしてできあがる。
その形は〈幼子イエス〉をあらわすとか。「おくるみ」姿、ということであろう。
この「シュトーレン」を子どもたちは、少しづつスライスして食べながらクリスマスを待つ。
甘~い菓子パンだけれど、大人にもいただける。
(期間限定…という魔力もあるかな…)
食べおえても、かんじんのクリスマスが、まだこない。
もうひとつ、買って。
そしたら、いただきものにホテル・オークラの「シュトーレン」。
縁なんて、そんなものだから、おもしろおかしい。
質実なドイツの雰囲気と味は、郊外のパン屋さん。
だが、さすがに洗練された上品な味わいのホテル・オークラ製の方がまさっていた。
この「シュトーレン」、これからこの時季、わが家でも定番になりそうな気がしている。
ついでに、想い出すことがあった。
それは「カレンズ」という、干しブドウがたっぷり詰まったパン、形は食パン。
函館で見つけた、やはり郊外のパン屋さん製だったが、すばらしく“食べ重み”のあるもので、いっぺんにファンになってしまい、ずいぶん食べた。
(カレンズは、地中海沿岸産の小粒な種なしブドウでつくられる干しブドウ)
とにかく「これはパンか、はたまたレーズンのつなぎにパン生地か」というくらいの品で、使う小麦粉に特別な力がなければならない、ということであった。
なにかの都合で、その小麦粉が輸入できなくなったとかで…ついに、憧れのブドウ・パン「カレンズ」も夢の彼方へ…。
しかし、こうしてみると、ボク(結構パンが好きみたいデス)よね。