-No.0415-
★2014年11月10日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1341日
★オリンピック東京まで → 2083日
*高倉健さん没*
◆地下水脈は“水の血脈”
ぼくたち人間は、水なしでは生きられない。
ぼくたちは、水を飲んでいる。
だから「水のことなら分かっている」気でいる。
けれどもじつは、知っているようで識らない。
地表を流れる〈川〉は目に見えるから分かるが、地層に浸みこんで流れる〈地下水〉は目に見えないから、想像の域でしか分からない。
それが、見えるカタチになった。
上の画像は「地圏環境テクノロジー」(東大大学院の登坂博行教授が設立した大学ベンチャー)が、地形や地質をもとに計算、ビジュアル化した地下水の流れ。
赤で表現されたのを見れば、これぞ、まさに“血流”。血脈の音さえ聞こえてきそうな気がするではないか。
地下水の流れは、川にくらべると遥かにゆったりとして、1日に10センチ程度なんて場合もあるそうな。
それはやがてどこか、海に近い低地か、あるいは海底に湧きだす。
ぼくらはその地下水を汲みあげ、水道やペットボトル入りの飲料水(ミネラルウォーターなど)として飲んでいる。
もう一度、画像をよく見てほしい。
山から平地へと流れる水脈の、ことにも東京湾に向かう膨大な水量は、まさしく“水の首都”に違いない。
動脈のごとくに太やかなそれは、太平洋へと流路を変更(徳川家康による改修)される前の利根川の流れ、そのままのようでもある。
“水の首都”東京はしたがって、一方では“水害の首都”あるいは“水に弱い首都”でもあるわけだ。ナットクである。
〈川〉は国の管轄だが、〈地下水〉は市町村の管理に委ねられてきた。
その弊害が、かつては首都東京の地盤沈下(東部海抜ゼロメートル地帯の成因)であり、また近年の水質汚染や、海外資本による土地(地下水ごと)買い漁りなどをまねいてもいる。
わが国ではずっと、地下水は土地所有者のもの(使い放題)であった。
国はこの夏になってやっと、地下水保護を含む「水循環基本法」を施行したばかりで、すべたが「これから」という危なっかしい状態にあるのダ。