-No.0413-
★2014年11月08日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 1339日
★オリンピック東京まで → 2085日
◆オバマが負けた
アメリカの中間選挙で、こっぴどくやられた。
新聞・テレビには、専門家によるさまざまな敗因の分析と、今後の見通しが見られるけれど。
ボクも、同盟国ニッポンの庶民的な視点から、民俗目線でヒトコト。
6年前、オバマが大統領選に勝ったとき。
日本の小浜市民なんかが陽気に浮かれてお祝い騒ぎするなかで、ボクはマジに彼の身の上を案じた。
そう、暗殺されることになりはしないか、心配した。
その危険性が、まったくなかったわけでもないから、だが。
ケネディー暗殺の頃とは、状況がずいぶん変わってきた空気は、たしかにある。
でも、“アメリカの心底”は変わっちゃいない。
「アメリカはもはや世界の警察ではない」ことは、認めざるをえないとしても。
「強いアメリカ」の旗を降ろすつもりは毛頭ない。
ただちょっと、「いつもの世話好き」な側面がでただけかも知れなかった。
オバマの幅広い支持層となったリベラル派は、彼に新しいアメリカの夢を見たろう。
保守派は、アフリカ系黒人指導者の器を計ってみる気だったか。
人種差別意識も、ようやくのことで、そこらへんまでは、なんとか…。
強面ばかりじゃいまの時代モテない、ことは白人社会もわかってはいたし。
なにしろ、あのときの大統領選では、じぶんたちの側にコレといった強力な人材がなかった、ことも確かだった。
オバマは、けっこうよくやった、とボクは思う。
彼の「CHANGE(変革)」は、ケネディの「TOGETHER」ほどではないにしても民衆にアピールしたし、キマッテもいた。
実際、医療保険制度改革なんかだって、アメリカほど強烈な個人主義国家でなかったら、拍手喝采ものであったろう。
再選を目指さず、1期で退いていればナンのことはなかった。
「いい大統領でしたよ」といわれたろう。
政権の座が長くなって、保守派もついに限界、痺れをきらした。
「ティー・パーティー」の背後なんか、すでにけっこうキナ臭い。
オバマも結局、スピーチほどにリベラルではなかったか…。
暗殺の怖れが現実味をおびるところまでは、踏みこめなかったか…。
彼もまた、アメリカ白人社会のよいとこどりの人であったか…。
TPP交渉における強引な、自国企業利益のごり押し黙認なんか、ぜんぜんラシくもない。
本来なら同じ立場にあるといってもいはずの、ヒスパニック系の人々に対する(結果)ツメタさが、(結局)中間選挙の大敗に烈しく痛く響いた。
あと2年……は、長い。
コワイのは、いま世界的に広まりつつある「苛立ち」感と、それにともなう過激な右傾化だ。
こんどの中間選挙大敗は、まちがいなくこの流れをさらに加速する。
「アメリカの自由も、かぎられたものでしかなかった」
EU諸国周辺に渦巻く不穏な乱気流、威信喪失大国アメリカに対するロシアのリベンジ・ムードも不気味だ。
オバマに、レィムダック(死に体)を跳ね返す起死回生の秘策ありや。
あるいは、リベラルの潮流を滞らせないために思いきって退き、うまくヒラリーに引き継ぐなんて奇策も…。