-No.0410-
★2014年11月05日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 1336日
★オリンピック東京まで → 2088日
◆「すかなごっそ」でアマダイの刺身
休息タイムの宿泊、京急観音崎ホテルでも、ぼくらはたいがい1泊朝食付きか、素泊り。
ここの洋食ディナーも素敵なのだが、定連で訪れるには贅沢。朝食バイキングにしても、気をつけないとカロリーオーバーになりかねない。
そういうわけで、少なくとも夕食は、用意の品を部屋に持ち込んですませる。
そのための食材店が何軒かある、なかでもお気に入りは「すかなごっそ」。
そこは、“三浦大根”で知られる三浦市との境に近い澄んだ空気の丘陵上。“新鮮野菜”選り取り見取りの農産物直売所だが、別棟に半島産の鮮魚コーナーもあって、こちらがぼくの専門。
宿泊の夕食用ばかりでなく、帰途にも立ち寄る買物どころだ。
今回、帰りがけに覗くと、旨そうなアマダイに目がとまった。
即ゲットして、三枚におろしてもらう。あとは、家に帰ってサッと刺身にすればいい。
いい味の汁になりそうな“あら”も、忘れずにもらっておく。
アマダイは、漢字で「甘鯛」とも書くが、ぼくはその、頭の丸い姿形とピンクの色気からして「尼鯛」がふさわしかろうと思う。
そんな綺麗なフォルムに似ず、この底魚は肉食性。また、タイとは名ばかりの、いわゆる「あやかり鯛」で、じつはスズキの仲間である。
脂の少ない、淡白な白身が上品な高級魚だけれども、身が柔らかく水っぽいので、一般に刺身で供されることは少ない魚だ。
食べられる鱗をおとさずに焼く「鱗焼き」という調理法もある、といえばお分かりいただけよう、ムニエルやポワレなど洋風料理にも似合う食材なのだ。
わが国では、かつては「若狭のひとしおもの」、高級干魚「グジ」として知られてきたわけだが。
ボクには、ウソかマコトか、徳川家康の死因が好物のこの魚(静岡では興津鯛)による食中毒であったという説が、興味深い。「ひとしおもの」の美味を食べすぎたものか。
また一説には、低生魚ゆえか有機水銀の蓄積が高い魚ともいわれるらしい。
ともあれ、その晩のアマダイの刺身、ほんのり甘い味わいまろやかに、ぼくの舌から喉もとをなめらかに滑っていった。
そうして翌朝はまた、一塩のアマダイあら汁、上品に朝の食卓を彩ってくれた…という次第で、もうしわけない、口福にすぎて写真を撮り忘れてシマッタ…。
(そういうわけで、お見せするのはフリー百科事典『ウィキペディア』から借用したものデス)