-No.0401-
★2014年10月27日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1327日
★オリンピック東京まで → 2097日
◆「風景は人」、よくもわるくも真実
きのう宿は、温泉ホテル「きたひやま」。
バリアフリーの設備もりっぱに整って、料金も都会並み。
日帰り入浴もできる大きなお風呂に入って、かみさんの報告によれば。
「お隣りに大きなパークゴルフのコースがあるんですって、そこで運動したあと、ここで汗を流して帰るのがいま流行りなんですって」
とのこと。いいね、やるねぇ、高齢元気塾。
瀬棚港の背後、日本海の海を見晴らす立象山に上がった。
そこには、予定では昨日テントを張って泊ることになっていたキャンプ場「せたな青少年旅行村」もある。またのチャンスということもあるから、ロケーションなど確かめておきたかった。
左右、見渡すかぎり北桧山の汀、渺茫たる大海原。
環境はよし、サイトもよさそう。
左手に遠く、奥尻の島影が見える、日本初という風力発電の洋上風車も見える。
陸側を振り返り見れば、丘の上には悠々とした牧草地の広がりがあり、川沿いの低地には黄金色に稲穂の稔りゆたかな水田もある。
思わず、ホッとため息の、のびやかさ。
ここでも、つくづく「風景は人」と想った。
(ボクのコトバのなかでも佳作ではないか…)
人はみな「風景」を称賛するが、その風景もじつは「人」あってのもの。
絶えて人っ気のない世界に、人は感受性のかけらさえも見いだすことはできない。
ボクが、旅に魅かれ惹かれて、生涯にたったひとつ得た「極意」かも知れない。
「島」というだけで、少なくとも2割は不利な条件の奥尻を想いかけて…。
ふとその想いは遠く遥かに翔けて、《3.11》被災地東北の福島県へと跳んだ。
この“北の大地”北海道と福島県とで、「復興タッグ」を組めないものだろうか。
福島県沿岸部の放射能汚染地帯は、たとえ“帰郷”がかなったところで、この国自体が深刻な人口減の流れにあるなか、いずれ、いくつかの町村は消えていくことになるのではないか。
“郷土”は恋しくとも、生きることのできない“郷土”なら、やむをえない。
狭くゆとりのない国土、でも、北海道になら望みはある。
たとえば「道南」は、東北地方とも環境に大きすぎる違いはない。
たとえば「せたな町」は、若年女性(29~39歳)人口の減少率、道内で21番目に高い。つまり、いずれ消滅する可能性が大きい。
そして、消滅する可能性の高い順のトップ20以内には、「江差町」「奥尻町」も含む6つの町が含まれているのだ。
“人口減”に悩む北の大地と、“放射能汚染”に悩む福島県の町村とが、どういうカタチであれ、復興のために手をとりあう、タッグを組むことには深い意義があるのではないか。
ぼくは《3.11》被災地東北の巡礼をつづけながら、いつも、この想いが頭をはなれない。
少しでも可能性があるのなら、お手伝いをしたい、との思いをつよく持ってもいる。
いちばんなのは、北海道の町村から福島県の町村へ、「ご一緒に」の声をかけてくれるのがいい。
まずは〈住民1人の声〉でもいい。
福島県の側からも、「いいね」と。
応える〈住民1人〉の声があればいい。
「復興タッグ」を目指して、「交流」からスタートすればいい。
「この指と~まれ」で、いきたいな。