どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

高級魚と惣菜魚、ヤガラとヤマガレイ

★2013年11月06日(水曜日)
★《3.11》フクシマから →  972日
★オリンピック東京まで → 2452日

*お出かけ(伊勢参宮)中の留守ブログです*




 わが魚食についてを想うこと。

◆先日デパ地下“鮮魚コーナー”で

 「山ガレイ干し」というのを買ってきた。
 初顔の魚だった。カレイはカレイでも、名前を聞いたことがない。
 魚好き、魚食家を自認するボク、70近い歳になっても、まだまだ知らないこと、食べたこともない魚がいっぱいある。
 魚食文化の日本に暮らしていてもそうなのだから、世界の海にうって出たら「なんにも魚を知らんヤツ」に落ちこぼれてしまうのだろうか。

 とにかく、初耳のヤマガレイ、ひと塩干し。兵庫産とある。
 炙って食べてみると、まぁまぁ旨かったが、いくぶん匂いがつよく、脂のノリにくどさが感じられた。そこで、ぼくは思った……。

 これはきっと養殖ものであろう、と。しかも「山ガレイ」と呼ぶからには、海ではなく、岸から離れた内陸産ではあるまいか、と。
 新技術はいまや、それくらいのこと苦もなくしてのける。
 くどい脂のノリがそう思わせた。が、違っていた。

 調べてみると、一般には(正式にも)「ヒレグロ」と呼ばれるカレイの仲間で、名前のとおり鰭が黒い。魚類には地方名や混称が多いが、このカレイもかなりややこしいようである。
 「東北ではふつうの惣菜魚」で、「但馬(兵庫県)地方ではヤマガレイと呼ばれて日本海の浜では人気がある」といい、驚いたことに輸入もされているそうな。
 知らなかったナ。

 生ではヌメリが(凄く)つよく、独特の臭みがあるが、一夜干しにするとこれが一変、香ばしく美味なものなる、とも。
 ふうむ、なるほどボクの食感とも近い。

 珍しい魚でも、ましてや内陸養殖育ちでもなかった。
 そして、ボクにとっては「まぁまぁの魚」に、いまのところとどまっている。

◆吹き矢か水鉄砲を想わせる“準珍魚”

 あれは昨年の秋、三浦半島だった。
 長井の浜の、鮮魚直売所で久し振りに出逢ったときには、思わず「お~ぉ」と声を上げてしまったほどに懐かしかった。たまたま、少しまとまって上がったのだという、身は小ぶり。
 「アカヤガラ」市場では単に「やがら」と呼ぶ。
 市場の魚になっているくらいだから珍魚とはいえないのだろうが、ふつう魚屋さんの店先ではまず見かけることがなく、料亭か寿司屋でもときたま程度となれば“準珍魚”といってもよかろう。

 高級魚であるけれども、まだ経験のあさい料理人なんかだと、一瞬とまどう。
 「棒を呑んだような恰好」が鳥の嘴かなんぞのようでもあり、(喰うとこはあるのか)と思わせるくらいに身は細い。
 実際、プロの言葉でいう「歩留まりのわるい」魚で、身といわれる部分は全体の3分の1くらい。

 かみさんの病平癒の祝いに2匹買って帰り、捌いて刺身にした。
 赤い皮をひいたあとも、かすかに赤みののこる白身が美しく、こりっとした食感も風味もすぐれた極上の刺身が味わえた。
 もったいないから、頭としっぽで汁の出汁をとる。この出汁がまたいい。
 脂がないわけではないが、ごく性質の良い脂のせいだろう、けっして汁が濁らない。

 だから料亭などでは、主に吸い物にする。さすがに上手な汁に仕立てて供する。
 寿司屋では、炙ったのをツマミにしてもらったことがあるが、これもいい味わいだったのを忘れない。皮付きのまま筒切りにしたのを焼くわけだけれども、その皮にカニかエビかというような甘さがほんのりとする。
 噂では、ヤガラの干物が香ばしさも最高だと。しかし、これはいまだに話だけ…。

 それっきり、長井の浜にはときどきに寄っても、ヤガラにはお目にかかれていない。

*写真は、長井水産直売所、店頭のアカヤガラ。美味追求にすっかり気をとられて刺身の料理写真は撮り忘れました、ゴメンナサイ*