どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

<幻の定点ポイント>になるか…晴海客船ターミナル

-No.0015-
★2013年10月06日日曜日
★《3.11》フクシマから →  940日
★オリンピック東京まで → 2483日



◆選手村ウォッチの定点もとめて晴海へ

 10月3日、もういちど晴海へ、客船ターミナルへ。

 こころそよぐというか、それだけでほんのりときめく感のある、“ターミナル”というのは不思議なところだ。鉄道なら“終着駅”だが、終着駅は“始発駅”でもある。大勢の人が集まり、それでいて群集のなかの孤独を味あわせもする。心に病を抱える人をも惹きつける…。

 有楽町駅前から乗った東京駅発の都バスは、数寄屋橋・銀座四丁目・歌舞伎座・築地・勝鬨橋と、ウィークデーながら車も人も賑やかに溢れる目抜き通りを行く。この晴海通り筋はオリンピック期間中の盛況たいへんなものになるに違いない。
 だが準備もまだ始まる前のいまは、トリトンスクエア前でビジネスマンたちが降りてしまうと車内は閑散、都会の海辺へ散歩に出かけるらしい年寄り数名だけになった。このバス路線は晴海客船ターミナルが終点になる。

 オリンピック招致委員会がこしらえた資料を見ると、晴海地区のほぼ半分が選手村関連施設用地となり、西南端にある客船ターミナルもその範囲内にとりこまれている。完成予想図ではそうなっているし、実地を踏んで見るとどうやら間違いないことがはっきりする。
 わずかな望みは、船の乗降客や送迎客をどうするのか…ということにあったが、よく考えてみれば「にっぽん丸」「飛鳥Ⅱ」「パシフィックビーナス」などの大型客船の入出港は、ふだんは月に2~3回くらいのもの、大会期間中はほかの埠頭を使えばいい。
 
 それにしても、これといって拠り所ひとつ見あたらない、平ぺったい広がりの埋立地
 
 思ったとおり“本日休業”埠頭に船の姿ないターミナルは抜け殻も同然、孤立した砦。館内は徹底した省エネ・モード下にあった。
 1階の隅っこにポツネンとある守衛室を覗くと守衛さんがポツネンと一人。
 「まだ詳しいことはぜんぜん聞かされてないけど、この辺みんな立ち退きになるんじゃないの、そんな風だね、選手村ができればもちろん一般は立入禁止だよね、警備のこともあるし、アタシ? さぁ、どうなるかわかんないけどさ、そのときんなってみなきゃねぇ」
 しかし……。

◆ターミナルの高みはやっぱり魅力

 エレベーターで6階に上がり、高さ7階に相当する展望台に立てば360度の眺望。なかでもレインボーブリッジからウォーターフロントの景観には優れていたけれども、惜しいかな無粋な鋼鉄の枠組が視界を切り取る。

 4階に下りても眺めにさほどの差はなかった、いまはまだ目線を遮るものがほんどない。
 外階段からは選手村の出現を待つ空間がぱっちり望まれ、ぼくは(ここを一次定点に)定めようと思った。そうしてあらためて見なおすと(あんがい狭い)気もするのが意外だった。ここに、小さいとはいえ世界がすっぽり納まってしまうのか。

 すぐ脇の晴海ふ頭公園も歩いて、官公庁船専用桟橋や運動場など、いずれ一時的にせよ立ち退きになるであろう風景を見おさめ。
 すぐ南隣りの埋め立て地、豊洲に第二定点を探す。
 汚染土壌問題で物議をかもした築地市場の移転先が、ちょうど晴海運河をはさんで選手村の向かいにあたる。けれども一帯は地図ではまだ空白地帯、完成の予定も延び延びになってきたし、できてもサテなにかと面倒が多そうだ。
 
 〈ゆりかもめ〉の市場前駅に降りて確かめると、晴海との間に架かる豊洲大橋(これもただいま建設中だがもうじき開通の予定)のほうが、いくぶん高みになり好角度から眺められてよさそう。暫定だけれども第二定点にきまる。

 帰路はなりゆき、〈ゆりかもめ〉で新橋へ。
 この新交通システム高架線は、オリンピック会場“東京ベイゾーン”の中枢を効率よく経巡って、しかもパノラマ・ビュー。これまた期間中の大混雑はまちがいないだろう。
 なにしろ高みの見物はいいものだ。

 *写真、(左)は晴海客船ターミナル4階外階段から選手村予定地の眺め。(右)は晴海ふ頭公園にある官公庁船の専用桟橋*