どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.96~  〈目がヨカッタ〉二人の役者の死

-No.2274
★2019年12月13日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3200日
★ オリンピックTOKYOまで →  224日
★旧暦11月17日、十六夜の月・立待の月
(月齢16.9、月出17:27、月没07:21)





◆たまたま……

 同じ日(11月3日だったか…)の新聞「訃報欄」に、地球の東西から、一般にはまったく無縁かと思われる二人の名が並んで…けれども、ぼくにはこれが、偶然には思われませんでした。

 一人はマリー・ラフォレさん。
 フランス(亡くなったときの国籍はスイス)の女優・シャンソン歌手…といってもピンとくる方は少ないかも知れません、が。

 映画デビュー作『太陽がいっぱい』(1960年、仏・伊、ルネ・クレマン監督)で、アラン・ドロンの相手役をつとめた…と、ここまでくれば「あぁ、あの不思議な存在感を秘めた女優さんネ」、となるにチガイない女〔ひと〕

 ほとんどの映画ファンが、ドロンの「ネコをかぶった野生」の魔力に惹きつけられるなか、映像世界のもうひとつ奥を探ろうとする同じ映画ファンには、この女〔ひと〕のかもしだすアンニュイな、(その頃の)フランスの若者のふんいきが、たまらなくヨカッタ。

 とくに目が佳くて、その瞳はいつも遠くを見ていた…といっても、それは〈茫然〉とはチガって、ただただ遠いんじゃない、遠くて深い、そう〈深遠〉の境地に観る者をひきずりこみました。

 翌年の映画『赤と青のブルース』は、そんな彼女のためにできた、いわばプロモーション・フィルムのようなもので。
 作品としての評価なんぞより、マリー・ラフォレのシャンソン…やっぱりアンニュイたっぷりの歌声にしびれさせる、そのためにつくられ、そのとおりにファンをシビレさせておいて。

 少なくともボクにとっては、それっきり、〝虹の彼方〟の女〔ひと〕になりました。

 マリー・ラフォレ、11月2日没、80歳。

  ……………

 もう一人は山谷初男さん。
 この男〔ひと〕の場合は、生涯〝脇役〟人生でしたから、映画・演劇・テレビの出演履歴だけで、もう膨大。

 訃報欄の記者は、そんな彼の履歴のなかから。
 若松孝二監督の『胎児が密漁する時』(66年)で注目され、寺山修司が主宰した劇団「天井桟敷」に参加…とか。あるいは
 蜷川幸雄演出の舞台『王女メディア』や『ハムレット』。NHK大河ドラマの『国盗り物語』など。とぼけた雰囲気をかもしだす演技、素朴な役柄で親しまれた名脇役…とか。
 あれこれ掘り起こしてくれました、けれども。

 ぼくは、どの作品の、どんな役がヨカッタか…というようなヤボは、この男〔ひと〕には、ふさわしくない気がして。

 ただ、この役者さんも目がすてきでした。しかも、歌舞伎のように目でキメる(演技する)のではなく、去りぎわに…フ…と微苦笑するときの目が、なんとも仏さま、救われる性質〔たち〕の絶品でした。

 秋田の角館〔かくのだて〕の出で、生家が駅前旅館で、東北弁と編み物が特技…なんて、ぜんぜんフツウじゃありませんでした。
 
 山谷初男、10月31日間質性肺炎で没、85歳。