どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「日本」の「マラソン」と「駅伝」の、いま

-No.2273
★2019年12月12日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3199日
★ オリンピックTOKYOまで →  225日
★旧暦11月16日、満月・望月・十五夜
(月齢15.9、月出16:36、月没06:18)


※きょうは、七十二候の「熊蟄穴(熊が冬眠のため穴に隠れる頃)」。まだ、懸命に冬眠のための栄養補給に余念のない熊もいることでしょう。



※写真は19年9月15日男子MGCレースのスタ-ト直後(ウィキペディア

◆日本の長距離ロード(駅伝・マラソン)界が揺れてきた

 寒さひとしお身に沁みる季節になって、ことしも、駅伝・マラソンのシーズン到来。
 シーズン幕開けを告げる10月14日(月)の出雲駅伝(全日本大学選抜)では、國學院大學が初優勝して伝統校にひと泡ふかせる〈のろし〉を上げ。

 つづく10月26日(土)、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝=年明けの1月2・3日)の予選会でも、新興勢力の東京国際大学がトップ通過を果たして3年連続4回目の出場を決め。
 なお、それだけではすまない余韻をのこしました。

 ちなみに、まず、以下の出場権獲得10校を見ておくと。
 2位/神奈川大、3位/日体大、4位/明大、5位/創価大、6位/筑波大、7位/日大、8位/国士館大、9位/早大、10位/中大。
 このなかで、筑波大(東京高等師範学校⇒のちの東京教育大学、過去に第1回大会優勝の実績がありながら94年以降はずっと遠ざかっていた)が、じつに26年ぶりの復活出場。

 ほかは一見、伝統校・常連校がふんばった…かに見えます、けれど、過去3回の優勝を誇ってきた山梨学院大が17位で予選落ち、33回の連続出場がここで途切れ。
 また伝統校のひとつだった大東文化大も18位で出場をのがしました。

 すぐ後の11月3日(日)、全日本大学駅伝(対抗選手権大会)は、東海大学が16年ぶり2度目の優勝を遂げて、あとは、これといったサプライズもなくすみ……

 これで、学生界最高峰の駅伝はいよいよあとひとつ、「大学三大駅伝」のフィナーレ「箱根駅伝」をのこすのみになりました…が。
 その箱根駅伝も、さきの台風19号による被害、箱根山中で甚大。果たして駅伝が開催できるかどうか…いちじは不安視されたほどでした。
 地球温暖化にともなう劇症気候を想うと、これから先のロードレースは、中止あるいはコース変更が頻発しそうでもあります。

 そんな不安な環境にくわえて、オリンピックのマラソン競歩も共に)開催地が札幌に移転される仰天の事態があって。日本の長距離ロード(駅伝・マラソン)界は、天候でいえば「どんより寒ざむ鈍色の空」模様。

 そんな空気を色濃く反映したような、今シーズンの大学駅伝界…との感、ひしひしと身に沁みます。

 これまで信じられてきた「やっぱり伊達じゃない伝統校のつよみ」に、徐々にひび割れの生じ、広がっていく気配が、どうやらたしかにあるようです。

  ……………

 そんなとき、たまたまネットで、(いつの話しかもワカラナイけれども)次のような発言があったらしいことを、知りました。
 そのひとつは、日本陸連ラソン強化戦略プロジェクトリーダー瀬古利彦さんの意見。
 「箱根駅伝にマラソン区間を」というもので、要旨は「全10区間ハーフマラソン級の距離を走らせるのであれば、せめて1区間ぐらいマラソン距離があっていい。そのための練習がきっと将来の優れたマラソンランナーを育てるにちがいない」と。
 ふむ、なるほど…ではありますね。

 もうひとつ、これに呼応するような発言は、驚異の市民プロ・ランナー川内優輝くんの意見。
 「ニュー・イヤー駅伝(正月元日に行われる全日本実業団対抗駅伝)にマラソン区間を」というもので、要旨は「学生時代には箱根でハーフマラソンの距離を走ってきた選手が、社会人に成長しているにもかかわらず箱根ほどの距離もこなせていないのはオカシイ(同大会の現状は7区間100km中ハーフマラソン級の距離をカバーするのは4区だけ)」と。
 ふむ、これまた、なぁるほど…です。

 しかし、一応はワカル、けれども一方で、「じゃ5000mや1万m、トラック長距離種目の強化はどうするんだい?」との反論もありそうで。

 これは焦りからでしょうか、なんかドタバタじみてきた感があります。
 それは、「日本にメダルを」と期待するファンの焦りでもあるわけで、中止になった東京のコースだったら、外国勢は暑さと湿気に弱いだろうから日本勢に有利…なんてね、いくらなんでもそれはない、でしょう。

  ……………

 というところへ、のこったオリンピック男子マラソン1枠を争う有力候補の1人、設楽悠太くん(27、ホンダ)が11月3日、「東日本実業団駅伝(ニュー・イヤー駅伝の予選会)」の3区を区間2位の記録で走ったあと。

 来年3月に行われる「ファイナルチャレンジ」東京マラソンへの出場を表明
 ただし、これには彼らしいコメントが付きました。いわく
「オリンピックはどうでもいいというか、そっちよりも1億円が欲しい。お金のために走る。MGCは賞金もなかった。いま、ぼくが生きているのは走れているから。走るためにはお金がいる」と……

 これはつまり、「オリンピック切符よりも日本記録更新でもらえる報奨金1億円のほうが大事」なので、「オリンピック代表権を獲得しても辞退する可能性がある」ことを示唆したもの。

 さぁて、どうする陸連、マラソン強化戦略プロジェクトリーダー瀬古さん。
 まるで、アスリート・ファーストよりメダル欲に血道をあげる関係者の本心を、肝心の選手にスパッと見抜かれてしまったみたいな……
 この仰天発言に、ナニか有効な対抗措置は、考えられるのでしょうか?

 ぼくが、9月15日のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)レース後、報告した記事のなかで、設楽悠太くんのひょっとして予想されそうな動向について、ふれておいたとおりの展開になりました。
blog.hatena.ne.jp

 ここで、ぼく自身の思いを言わせてもらうと、〈天才型ランナー〉設楽くんらしい発言だと思いますし、きわめて率直&正直な心境吐露でもあるのでしょうが、やっぱりスッキリ「いいんじゃない」とも言い切れないものが、のこります。

 ひっかかるのは、じゃ「きみが思ったとおりの結果になったとして、その影響がもろに及ぶ大迫傑くん(設楽くんの代理出場になるかも知れない)にはどう声をかけるつもり?」。

 スポーツマンシップには反するんじゃありませんか…ということです。
 ぼくの言うことはキレイごとすぎる、でしょうか…ネ。

  ……………

 だって、海外に目を転ずれば、世界はもっとスゴイことになっています。

 男子マラソンでは、現在の世界記録(2時間1分39秒=大迫傑日本記録との差4分11秒)をもつエリウド・キプチョゲ(ケニアが10月12日、ウィーンで行われた〝特別〟レース(ペースメーカーやドリンクの伴走補給など特殊なサポートを受けて記録に挑戦するもの)で、史上初、夢の2時間切りを達成(1時間59分40秒)を達成していますし。

 女子マラソンでも、ブリジット・コスゲイ(ケニアが10月13日、シカゴ・マラソン2時間14分04秒野口みずき日本記録との差5分08秒)という世界記録を樹立して独走優勝しているのデス……

  …………… 

 いっぽう国内では、11月10日(日)。
 「ファイナルチャレンジ」レースの1つ、もっとも記録の出やすいコースの福岡国際マラソンで、日本記録の誕生なし(大迫傑くんにおよばず)、あらためてこの記録そのもが、やはり高い壁にはちがいないことを、あらためて印象づけました。
 来春にのこる2レースで、誰かこの壁を超えるには、よほどの勢いがないとイケません。