どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.93~  〝金ラメ〟の蛹…秋の陽に輝く、ヒョウモン蝶

-No.2257
★2019年11月26日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 3183日
★ オリンピックTOKYOまで →  241日
★旧暦10月30日
(月齢29.3、月出05:36、月没16:21)







★パニックにならないが準備もない習性★

 9月9日に、台風15号が房総半島に大きな被害をもたらして去ったとき。
 正直(今シーズンは、もう、これっきりにしてほしい)思いだったのだ…けれど。
 それとは裏腹に、台風のコースどりが東寄りに変わってきたこととあわせて、(もう一丁か二丁は〝だめ押し〟があるんじゃないか)じつは、イヤな予感がしていた。

 それが、これから先、この災害列島の将来像を描いて見せるような19号の来襲になった10月12日は、また新たな〝減災警報〟として刻印されることになった。

 歴史学者磯田道史さんは、「災難に遭う時節には災難に遭うがよく候」と言った良寛の言葉を紹介して、「日本人はパニックにならないが、準備もない。そういう習性がある。やりたくないものをやらなきゃいけない場合は、法令を作ってでもやるしかない」と、災害と日本人について語っている。

 ぼくは(パニックにならないとはかぎらない…)と思う者だが、「準備をしたがらない習性」については同感する。
 しかも、その心根に、仏教の教えから来る「諦観」があってのことではないのだから、ますますコマってしまうのだ、が。

 ま、ソレはソレとして……

★ジョロが使えない!?★

 その19号が南太平洋で台風になった頃。
 ぼくは、もうひとつのビックリ体験があった。

 わが家には、庭に水撒き用の外蛇口があり、そこに深緑色したプラのジョロが置いてある。
 ぼくは、ほんとはブリキのジョロが好きなのだが、どうも錆びる欠点があってイケなかった。

 そのプラの深緑色のジョロの腹に、水撒きに出たボクの遠目が、秋の朝陽を照り返す金色のモノ…いくつかのラメの粒になって輝いているのを発見……

 (えっ、なんで?)
 不審をいだいたまま、なぜか姿勢ソロリとなって近寄って、見れば
 (やっぱり!)
 蝶の蛹。

 ジョロのすぐ傍には、小ぶりのコンクリの角鉢がひとつ、土に半ば埋めてあり。
 その鉢には、スミレが植わっている。
 (蝶ファンの方なら、もうオワカリだろうけれど、その前に、ちょっとタンマ)

 このスミレがただのスミレじゃない。
 もう、時の経過として「むかし」と言っていい、オーム真理教事件が終末の山場を迎えていた頃。
 サティアン群落があった山梨県の上九一色〔かみくいしきむら〕村付近、現地の農家で付近を案内してくださった方の庭に可憐に咲いていたのを愛でたら、分けてくださったもの。

 品種は知らないけれど、スミレは、愛らしい花にもかかわらず、丈夫で繁殖力も旺盛。
 毎年、花咲かせつつ株をふやして、すっかり吾が庭に定着している。

 ことし、そのスミレに、すでに花もない時季になって、黄橙の翅の蝶がヒラヒラ舞っていた。
 これまでになかったことだから、きっと蝶にしてみれば、いいとこ「め~っけ」だっのだろう。

 そこまで見とどけ、念のため写真に撮って(上掲、右の2枚)、ヌシは何蝶じゃ…と探索にかかる。
 
 …が、蝶マニアでもないボクには「名」で調べる手がかりとてなく。
 ネット上で探したら、『蝶の蛹図鑑』というのに出逢い、画面をスクロールしていったら、「タテハチョウ科」の「ヒョウモンチョウ族」の蛹に付合ピッタシすることが知れた。

 すでに記憶はうすれかけていた、けれども、舞っていた蝶もたしかに図鑑にあるヒョウモンチョウ族の翅の色、そして黒い斑点であり。
 ただ、翅色は黄色よりも橙がかって濃かった印象がある。

 蛹の色・形、スミレの葉に見かけた毛虫(幼虫)の姿などからすると、「オオウラギンスジヒョウモン」か、あるいは「ツマグロヒョウモン」か、と思われるけれど。
 日本には8属14種の「ヒョウモンチョウ族」蝶がおり、オス・メスの区別も、さらには個体を同定するのもむずかしく、採集するか注意深い観察が必要とされるそうだから、それ以上の追究はボクにはできない、が。

 なにしろ派手な〈金ラメ〉、それも、突っぱりロックンローラーみたいな尖がりメタリック。
 写真では、光線の加減で少しおとなしく見えるが、ゲンジツはそれこそ「ピッカー」なのであった。
 
 蝶の蛹は、それだけで、蝶マニアの気もちがワカルほどに魅惑的なものだが、なかでもオオゴマダラの金の蛹など、毒蝶類のもつ〈警戒色〉は、ほとんど、、どう見ても〈恫喝色〉といっていい。

 その伝でいけば、このヒョウモンチョウ族の蛹の〝金ラメ〟も、そのクチらしいが、毒はないそうな。されば、これも〈突っぱり〉であろうか…たしかに、出しかけた手を思わず引っ込めさせるほどの効果はある。

 ぼくは、ジョロの〝金ラメ〟蛹を、そのままに放置した。
 …が、草花に水やりの必要があって使うと、蛹が動く、かに見える。
 そこで、そっと指で揺らしてみたら、モゾッと、こんどはハッキリ蠢〔うごめ〕いた。 〝金ラメ〟の蛹は、尾の部分で取り付いたものから逆さづりになった〈垂蛹型〉というらしい。そういえば、なんとなく頭が下のように見える。
 (ついでに、蛹の取り付け部には、ごていねいに毛虫時代のなごりまでのこされているのがワカル)

ヒョウモンチョウ族」蝶の生態は、草原性の草につよく依存。成虫は草にじかに卵を産むのではなく、周囲の樹木や岩石などに産卵する(それで…とつぜんに湧いて出たような気がしたのだろう)。
 どうやら蛹は、越冬して春に成虫(蝶)になるらしい。
 この〝金ラメ〟蛹がどんな種類の「ヒョウモンチョウ族」蝶なのかは、それまで知れないことになる。

 そこで…こまったのは、ジョロを乗っ取られたこと。
朝顔に つるべとられて もらひ水」したのは加賀千代女だけれど。
 ぼくの場合は
「蝶の仔に ジョロうばわれて 秋ふかし」  
 冬場は出番が少ないとはいえ、どうやら、もうひとつジョロを用意する羽目になりそうな気配の、わが家でありマス。