どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.85~  マッチョな「ヤドカリ」ほど宿替えを繰り返す!

-No.2211-
★2019年10月11日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3137日
★ オリンピックTOKYOまで →  287日
★旧暦9月13日、十三夜の月
(月齢12.7、月出16:17、月没02:55)



★順番を待って並ぶ★

 …といっても、そこは海底でアル。
 海底に、やや大きめの〈空き家〉になった貝殻があり、そこへ、いま住んでいる〈借家が手狭〉になったらしいヤドカリがやってきて、〈借りたい〉意思を示す。

 ヤドカリが、〈借りたい〉意思をどう示すか…といえば。
〈現住〉していた殻を脱いで(殻から脱出して)、〈新物件=空き家〉の方へ、その場ですばやく引っ越(身を移す)せばいいわけで。
 手つづきもナニもありません。早い者勝ちです。

 自然観察の記録映像の、なかでもヤドカリの〈宿替え〉場面は、やはり珍しい部類にはいりますが、ときたまお目にはかかれます。
 ところが、こんどの場合は、ハッキリ「これまでとは別」、新発見モノだった。

 だって、いま〈新物件〉の空き家に〈宿替え〉を目論むヤドカリのすぐ後ろに、次にできる〈新物件〉の空き家をねらって、すでに、〈後釜〉ねらいのヤドカリが居り。そればかりか
 あろうことか、そのまたすぐ後ろには、〈次の次〉の順番を待つヤドカリがいた、ではないかぃな。
 (さかなクン…じゃないけど、ギョ・ギョ・ギョ―であった!!!)

 いうまでもない、と思うが、ヤドカリの〈宿替え〉は成長にともなう〈衣替え〉である。
 ついでに、いうまでもないが、ヤドカリは貝ではないから自分では殻をつくれないし、成長させることもできない。
 しからば、小さくなった殻を捨て、より大きな殻を見つけて〈棲み替え〉る。
 ちなみに、その貝殻はじぶんの体にあった大きさか?…は、鋏を殻にあてて測る、という。

 つまり、その場面をここに再現すれば(あぁ、焦〔じ〕れってぁな…見せちまいたいところダ)、3匹のヤドカリ(宿借)が大きい方から順に小さい方へと、順番待ちの列をつくっていたのですよ。
 (笑っちゃいましたねぇ!)

  ……………

 このブログ、おつきあいの長い方は、覚えていてくれるかしら?
 あれは4年ほど前。
 沖縄の旅から帰ったボクたちの手荷物にまぎれこんで、密航(?)してきたオカヤドカリ「ウォーリー」くん、とのその後のアレコレごとを。

 ここには、その初回記事を紹介しておきますネ。あとは「オカヤドカリ」で記事検索してくだされば…4~5回の連載になっていたかと思います。
blog.hatena.ne.jp

  …………… 

 ともあれ、そんなヤドカリとの、思いがけないふたたびの邂逅。
「ウォーリー」との共棲(?)生活でも、しみじみ感じたことだけれど、あんな、たわいもない小さな命にも、すこぶるつきの、しなやかな強靭さが秘められており。

 それは、まず、体勢。
 ヤドカリは、節足動物甲殻類のエビ(十脚目)の仲間である、のだけれど。

 貝殻の〈空き家〉を棲み処とする渡世の事情から、じつに無理・窮屈な状況下にある。
 全5対10脚のうち、4・5対めの脚はすでに退化して貝殻を保持する役に特化。
 歩脚として使われるのは第2・3対のみで、第1対は極端に左右不対称な大きさの鋏脚になっており、これが貝殻に身を潜めたときの蓋になって、外敵から防御の役も担っている。

 この仕組みがまた、じつにヨクできていて。
 貝殻の開口部の形も千差万別であろう、のに、どのヤドカリをとって仔細に睨んでも、隙間も無理もほとんど感じさせない。
 ぼく想うに、ヤドカリの体には微妙で複雑な調節機構が整っている……

 腹部は、長く柔らかな袋状になっていて、巻貝の殻にあわせて、らせん状。
 つまり、トータルして、ひどく歪んだ態勢をとらされているのが、ヤドカリ族なのである。
 貝だってそう…ではあるが、あっちは、みずからつくりあげる体勢、こなたヤドカリの場合には、いってみれば〈棲み家〉に体をあわせるしかなく、その境遇の差は歴々然としている。

 殻から出てしまったヤドカリほど、ミジメったらしい姿は、ほとんど他に例を見ない。
 腹部から尾部にかけてなど、金輪際、まともに見られたモノではない。

 しかも
 渡世場面でのヤドカリは、つねに〈住宅難〉のキビシイ状況下にある。

 静物学の世界には「限定要因」といわれるものがある。これは、
「生物(種)の個体数は、その生物が必要とする諸条件のうち、もっとも限られた(キビシイ)資源の量によって決定される」というもの。すると、
 ヤドカリにおける〈限定要因〉は、食餌量などではなく、アットウ的に〈借りられる宿の数〉になるらしく。

 そのために、ヤドカリどもは、いつも烈しい〈空き家争奪戦〉の最中にあり。
 たとえば現実の海岸で、目につく場所で動く貝があれば、そのほとんどがヤドカリというような現象になるわけなのだ。

 ヤドカリの〈貝殻=空き家〉争奪戦には、ぼくも何度か遭遇したことがある。
 強そうな個体がやってきて、素晴らしい快適〈新物件〉を発見するや、力ずくで住民ヤドカリを追い出して乗っとる。その仁義もナニもない乱暴狼藉ぶりは、とてもふだんのヤドカリらしからぬ!

 そんなヤドカリゆえ…いかにもアリソウな、実験結果も報告されており。
 それによれば、他の個体と比較した場合、〈棲み処〉の引っ越しを繰り返す個体ほどペニスのサイズが大きかった…そうな。

  ……………

 巻貝に〈宿を借〉ているヤドカリは、なかでどんなコトになっているのか?
 素朴な疑問のこたえるため、いまどきは、巻貝に似たガラス製の〈空き家〉を用意して棲みつかせ、その生活ぶりを展示する水族館もある、らしい。

 ボクは、まだお目にかかっていない。
(そこまでやるか…)と思う反面、折あらば(ゼヒ見ておきたい)欲望も捨てきれぬ。
 人間の欲求というヤツは、ホントに手に負えない。
 ……だから究極、争いは絶えない、のではないか……

 もうひとつ。
 気になるのは、ヤドカリの排泄。
 巻貝は、排泄口が蓋の近くにあるので、必要に応じてフタをあけ、排泄をすませたらフタを閉める、そうな。
 ヤドカリは、どうか?

 前にも述べたとおり、ヤドカリが利用する巻貝の殻はあくまでも〈借りもの〉だから、そんな進化とは無縁にちがいない。
 本など読んでも、そんなことにはふれていない。ので…

 以下はボクの、ヤドカリを飼ったことがある者の想像だが、彼らの場合には、どうも、夜間にソッと殻を抜け出して用をたしているらしい。ウンチング場面を目撃したわけではない…けれども、朝になって見たら殻の外の砂が、糞らしきもので汚れていたからである。

 一部の無理解者は、巻貝のワタ(腸)を糞と誤解しているが。
 それこそ迷惑千万なことで、清潔を旨とする同じ生物仲間が、マサカ! 糞を抱えたまま暮らしているワケがないのダ!