どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

『マイセン動物園展』 /            夏やすみのオトナたちへ…

-No.2183-
★2018年09月13日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3109日
★ オリンピックTOKYOまで →  315日
★旧暦8月15日、十五夜・仲秋の名月
(月齢14.1、月出17:44、月没04:06)


※きょう13日は、七十二候の「鶺鴒鳴(セキレイが鳴き始める)頃」。ぼくにはセキレイが秋口に鳴き始める…という認識がありませんでした(年じゅう鳴いてる気がします)、ゴメンナサイ。
※きのうは、一転、あの炎暑が日々がウソだったみたいな「熱冷まし」な1日。ホッとしたら、途端に、夏じゅうの暑気疲れがドッと溢れたみたいに、グッタリ、悄気〔しょげ〕てしまいました! …と、今朝もまたヒンヤリ目覚め、こりゃ一気に秋冷じゃ…身体がついてけんがぁ!!!













白磁洋食器のコレクション展…

 この展覧会が7月に始まることを知らされたとき。
 ぼくは(ボクには縁がないな…)と想った。

 ドイツ、エルベ川沿いの「マイセン」に西洋白磁の洋食器産地があり、その貴族趣味の高価なこと…くらいはボクも知っており。
 それゆえの(縁がない)想いだった。

 ぼくの趣味は、〈土〉の「陶器」にあって、〈石〉の「磁器」にはなく。
 質感でいっても、「やわらかい」「ぬくもりのある」陶器が好みで、「つめたい」「透明感のある」磁器はどうも肌があわない、そんな気がする。

 日本の産地でも、有田・伊万里や九谷といった磁器の名品を観ても(ふぅ~む)と唸るくらいがオチで、それ以上の感動にまでいたることは、これまで、ついになかった。

 これは、たいへんシツレイな言い方になってしまうけれども、(売り物を並べて展覧ですか…)とのイジのワルイ感想すら抱いたくらい。

 …でも、待てよ。
 (ここがボクらしいアマノジャクなところで)
 売り物にだって、歴史も発展もあれば変遷だってあるだろう、と。
 そっちの興味が湧いた。

 また、
 これまで手にしたことがなく、これからも手にすることはないだろうモノのほうが、コレクターや趣味人の見方とはちがった、つまり正直な鑑賞ができるだろう気も湧いた。

 そして、なによりのキメ手になったのは、「マイセンの技法」とやらが、ぼくの好きな動物表現にどれだけ成功しているのだろう…それを見とどけたかった。

  ……………

 出かけたのは新橋、汐留。新開発地区のパナソニック東京汐留ビル。
 家電を中心に、新築・リフォームの提案ショールームを展開しているメーカー・ビルの4階。

 貴重な美術品を展覧する〈美・術・館!〉のように、肩ひじ張らないふんいきはヨイ。
 そこには、期待と憧憬の瞳にくわえ、ぼくの第一印象とことなることのない、値踏みと商談ふうのくだけたムードもまじっていた。ははぁ……
 (主催側のネライは、夏やすみのオトナたちへ、というわけだな)

 さきに、〈見どころ〉をざっと紹介しておくと。
 17世紀初頭に、憧れの東洋磁器芸術に魅せられたドイツの王族によって設立され、以来300年の歴史をあゆんできたマイセン製品の、なかでも〈動物作品〉に着目。
 出品約120点のうち、9割が初公開(8割が彫像作品)になる、という。

 さて
 最初の展示《猿の楽団》から、つぎつぎに登場してくる動物たちは、ネコ、イヌ、サル、シロクマ、ペンギンなど、リアルで可愛い人気者たちだ、が。
 その多くに、神話や寓話を主題にした場面が設定さており、伝統的な西洋文化の香りがふりまかれる。

 そうして、ぼくは、マイセンの動物たちに特徴的な、あることに気づく。
 それは、言ってみれば「リアルすぎるまでのリアリティー」というもので、基本的に〈ボカシ〉をきらうからだろう、ときに、それぞれの動物そのものがもつ本性が、ちらりと、しかし鋭くあらわれてしまう。
 これは、日本人のもつ感性とは明らかに異質なもの。そこに、文化の相違を認める。

 だから、磁器作家やプロのモデラ―たちは、好んで動物の個性を際立たせようとする…のだが、表現のうえで成功しているのは、むしろ、たくさんの小花彫刻で装飾された「スノーボール」(写真、中段・右)上の、鳥や動物たち、ということになり。
 動物たちには、やはり、自然主義の方がお似合いだ。

 マイセンのリアルは、19世紀末から20世紀初〈アール・ヌーヴォー〉の時代に花開いた「イングレイズ・カラー」技法よる動物たちにも顕著で。
 これは、釉薬の上に絵付けをし、焼成後、絵の具が釉薬のなかに沈みこむ絵具による技法が、リアルの向こうに本性をあぶりだしている。

  絵具がはがれないので食器の装飾に最適なこの技法、繊細な造形や、やわらかな色あいで動物のこまやかな表情を伝える…というが、ざんねん〈愛すべき姿〉からは遠ざかるむきもあるようだった。

 ぼくが、『マイセン動物園展』を一覧しての結論を言えば。
「もっとも動物らしい〈愛すべき〉フォルムの創造に成功していたのは、マックス・エッサー(1920~30年代に活躍したマイセンのモデラ―)のベドガー炻器〔せっき=陶器の肌合いにちかい、石のように硬く焼きしめた器=日本の備前信楽にちかい〕による〈動物彫刻〉たちであった」(写真、上段・左がエッサーの《カワウソ》)

  ……………

※『マイセン動物園展』は9月23日(秋分の日)まで。紹介遅れ、お詫びします。