どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

渋谷ゆらめく-其の壱- /           オール・ジェンダー・トイレ

-No.2172-
★2018年09月02日(月曜日)
★11.3.11フクシマから → 3098日
★ オリンピックTOKYOまで →  326日
★旧暦8月4日
(月齢3.1、月出08:07、月没20:13)




◆渋谷がオモシロイ!

 …と思った。
 まるで、陽炎(かげろう=〝糸遊〟とも)のたつが如くに、ゆらっと、した。

 年の瀬の忍び寄る頃になると、毎年、やれハロウィーンだ、それクリスマスだ年越しカウントダウンだ…と、ただもう〈羽目を外したい〉ばっかりの若者たちの踊り場と化す街には、「やだねぇ」のひと声しかなかったのだ、が。

 渋谷区には、シッカリ時代に向きあおうという気概があるらしい、ことに気がついた。
 この渋谷の区が、「トイレのキホン方針」なるものを策定したのが昨18年12月。
 全国でも珍しいことだ、と。そりゃ、そうだろう。多くの人が集まる都会でなければ、表だってはあらわれにくい課題なのだから。 
  
「トイレのキホン方針」の〈目的〉も、〈まちづくり〉となんら変わりない。
 それは、「みんな」が社会参加できる、ことにつきる。

 たとえば、車いす利用者とか、乳幼児連れ用のトイレなら、個別事業者の配慮で解決されてきているところもある。が……
 トランジェンダー(生まれたとき=戸籍上の性と自認する性が異なる人)とか、異性の排泄を介助する場合のトイレは? となると、とたんにドンと壁にぶちあたるのがゲンジツ。
 外出先となるトイレには、課題が多い。

 渋谷区の〈多様性〉の取り組みと、協力の呼びかけに、賛同する企業・店舗も増えつつある、という。
 その、ひとつ。
「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の、トイレのくふう、その実際を見分〔けんぶん〕しに出かけた。

 Bunkamura(文化村)に近い宇田川町、繁華街の一郭。
 外国からの観光客も多く訪れる、商業施設の一種独得のふんいきに、まずナットクできるものがある。
 微妙なテーマは、異文化と融合する広場にこそあらわれやすく、意識もされやすくなる。

 そのトイレは、入り口を仕切る衝立〔ついたて=壁ほどの閉鎖性はない〕に、ピクトグラム付きのわかりやすい表示があり、中はその案内どおりに配置されたドア。
「MEN、⇦」、「WOMEN、⇨」、「ALL GENDER(すべての性)、⇧」

「⇧」に入ってみる。ちょいと、どきどき。
 …だが、その「個室」は、ふつうより広めの空間に、ベビーチェア、サニタリーボックス、着替え台が設けてあるだけで、便器にかわりがあるわけではない(アタリマエか…)。
 同店では、新宿東南店、池袋駅北口店に同じ仕様がある、そうな。

 内に入って、なぜかホッと安堵感があるのは、広さのせいばかりではない、家庭のトイレと同じ〝安心空間〟であることがキメてになっている、のがワカル。

 ぼくは、べつにスル用があって入ったわけではナカッタけれども、ナニか、ナゼか、このチャンスがもったいないことに想えて、ともあれ、便座に腰かけてみた。

 坐った途端に、女装の記憶があざやかに、よみがえった。
 そうして、このような記憶というのは経験のない人には遠すぎることなのだろう…と、これまた、峻烈に気づかされ……

 けっきょく、やっぱりスル用もなく、トイレを出て。
 ふと…こんな場面を、ダレかボクを知る人に見られはしなかったか…という、甘酸っぱくフクザツな、どきどき感をあじわっていた。

  ……………

 異文化の匂いが濃厚にただよう店の空間は、ぼくを平静にはしてくれず。
 やむをえず、ぼくは、そこを出て、近くのティールームに、落ち着ける場を見つける必要があった。

 そこで、この〝トイレの多様性〟というテーマを、あらためて冷静になって考察してみると、コレはコレで、なかなかタイヘンなことがわかってきた。

 たとえば……
  〇多様なニーズを受け容れるトイレ環境のことがある
   その設備・表示・配置など(男性小便器に間仕切りか、すべて男女共用化か)
   現実的な〈分散配置〉からスタートするとして、どう具体化していくのか

  〇「オストメイト」への対応もある。
   これは、ほんとにまだ、一般にはほとんど知られていないと思
   うのだが、疾病や事故などによる必要から、ストーマ(人工肛
   門・人工膀胱)と呼ばれる便や尿の出口を、手術でお腹に取り付けている人た
   ち。彼らに必要なのは〈流し場〉であって、ふつうの便器ではない。しかも、
   その流し場は掃除用具や手足の〈洗い場〉に間違われやすい。
 
 これらのことを想うと、障害や性差によるトイレ事情の悩みはいろいろで、しかも、当時者以外には理解しづらいこともある。

 渋谷区では、これらの課題を解決していくために。
  〇利用者の困りごとを皆で共有し
  〇産・官・学・民、一体になっての協力体制づくり
 を目指すそうで。すでにTOTOやLIXILなどメーカーの協力も得ている。

 期待して見守りたい、と思う。