どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018さんりく巡礼 / <報告記51>-フェリー船中で想ったこと-福島はどうなっていくのだろう

-No.2126-
★2018年07月18日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3052日
★ オリンピックTOKYOまで →  372日
★旧暦6月16日、十六夜・立待月
(月齢15.7、月出20:01、月没05:30)


※きのうの満月、見てくれたかい。「何年ぶりか…!」というくいら上出来のマンゲツだった、ヨカッタ。
※きょう(旧暦6月16日)は七十二候の「鷹乃学習(タカの幼鳥が飛ぶことを覚える)」…旧暦では梅雨が明けている!?











◆「洋上風力発電」実証実験…頓挫のオソマ

 苫小牧港夕刻発、翌日午後に大洗港に着く、商船三井のフェリー「さんふらわあ」。
 ともあれ〈船上の人〉…となって、またひとつ、支援の旅をおえる感慨にひたる……

 翌朝は、洋上の朝焼けになった…けれども、どこかに不安をはらむような気配…天候はいまいち、雲も多く、海上は靄ってきていた。
 そのせいか、昼頃に福島沖を通っても、いつも確認するのを愉しみにしている「浮体式洋上発電」の、あの巨大な風車を見つけられなかった。
 あるいは、ぼくがチャンスを見のがしただけかも…だが。
 
  ……………

 帰宅後に、愉快ではない報せが待っていた。
 それは、2018年10月27日の新聞記事。

 政府が「フクシマ(原発事故)」からの復興の象徴にともくろんだ、福島県冲の「浮体式洋上風力発電」施設3基のうち、世界最大級といわれた1基(風車の直径167m)の撤去が決まった。……と(!?)

 理由は、商用化を目指した実証実験が機器類の不具合で低調に終始したため、とのこと。
 15年末から始まった風車の運転は、問題が続発して17年1月からの1年間で設備利用率3.7%と低迷、事業化の目途はついに立たずじまいになった、ということであった。
 再生エネルギー導入の旗手と目された計画が事実上、頓挫したことになる。……(嗚呼、なんたるドジ)

 関係者からは、「功を焦って先に〝福島ありき〟の結果、準備(技術)不足を露呈しておわった」とする指摘があった。〝技術立国〟のはずの国が…なんてこった…。
 事業化に成功すれば、大規模な開発になり、雇用も少なからず生まれる目算だったはずなのに、である。

 のこる2基については、なお実験期間を延長して可能性を探る方針という…けれども。
 風車の直径80m(出力2000kw)の1基は設備利用率32.9%と、事業化目標の30%をなんとか上まわったものの、126m(5000kw)の方はわずか18.5%であった、という。
 現状の技術力を上まわりすぎた設備…ということになるらしく、これまでに投じられた予算、計約585億円があまりにも、もったいない。

  ……………ところで……………

 その一方で、東電は、独自に、房総半島銚子沖で、1基5000kw規模の風力発電風車(海底に着床式)約200基を稼働させるための実証実験を始める、とのこと。
 これによって得られる電力は、一般家庭30万世帯の年間消費量に匹敵(約原発1基分に相当)するもの、という。

 以前はどうであれ、いまの現実的な諸情勢からすれば、「原発に将来がない」ことはすでに明らか。
 それがわかっているゆえの、東電の、将来の生きのこりにかけた布石には違いない。
 そこは営利企業のこと、政府がらみの〈カネのことはいいから…とにかく、やってみましょうか〉的な安易さは、まさかないだろう。
 ……とは思うのだけれど、どうも、いまひとつ信用できないのはコマッタことだ……

◆汚染水の海洋放出をもくろむ国と東電

 帰宅後、もうひとつ福島第一原発(東電)の問題、浮上したのは溜まる一方の汚染水、浄化処理したあとの排水をどうするか?

 この問題を検討する政府の有識者会議が、18年10月1日に行われたわけだ。けれども、説明のための説明に終始して、スッキリしないのはあいかわらず。福島県漁連はじめ関係者の猛反発を買っている。
 この問題のポイントは以下の3つ

 ①は、トリチウム
 福島第一原発、敷地内のタンクに溜め置かれた(原子炉核燃料冷却用に注がれてきた)汚染処理水が限界(満杯)に達しようとしていることから、これを薄めて海洋投棄しようという。

 原子力規制委員会の更田豊志委員長などは「海洋放出が唯一の手段」と、くりかえしてる。が、この「唯一の手段」というコトバは、どっかで聞き覚えがある。そう、安倍総理は沖縄辺野古への基地移転を、同じ表現で事実上ゴマカしてきているからで、そんなことは皆とっくに知っている。
 
 しかも、浄化処理してもどうしてもとりきれないトリチウムベータ線核種)を、仕方がないから薄めて流してしまおうという。「薄めれば問題はない」とする態度、そのものが無責任だし。

 トリチウムの正体も不気味だ。
 トリチウムは水や水蒸気の形で、経口ばかりでなく皮膚からも吸収。人体に入ると99%が吸収されて、しかも摂取量の2%はDNAにとりこまれ、〈DNAを傷つける〉ことがわかっている。
 さらに、動物実験では〈造血組織を中心に白血病などの障害〉をもたらす、ことも知られている。
 人体、とくに新生児・幼児への影響が懸念される。

 いつも指摘されることだが、「薄めれば問題はない」そんな〈証拠はない〉ショーコに、だれも「自分が責任をとる」とは言わない、「言える」わけがない。
 政府は科学者に下駄をあずけようとし、科学者はそんな政府の無責任な態度に苛立ちながら、でもしかし、たがいに運命共同体としての柵〔しがらみ〕からは逃れられない。

 ②は、浄化不十分(ほかにも汚染がのこる)
 東電はこれまで、〈除去できないのはトリチウムだけ〉のように言って(ゴマカシて)きたわけだが、じつはとんでもなかった。

 汚染水の、困難な浄化には「ALPS(多核種除去装置)」が使われているわけだけれども、それでも分離の難しいものがあって、(それはトリチウム以外にも)ヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99など、いずれもタンク内の処理水には法令基準値を上まわるレベルが残留している、とのこと。

 それでも東電は「これにはALPSの性能不足や故障もあった」と言い訳て、「放出前に薄めれば問題ない」というばかり。……で現実は、タンク保管されている汚染水の8割は浄化不十分だと!……

 前に、青森県六ケ所村環境科学技術研究所を見学した折の記事(-No.2092-6月14日)にも書いたとおり、まともな専門家なら、「専門外」の人々にナットクのいく説明、心を砕いて傾注することが絶対。
blog.hatena.ne.jp
 なぜなら、それ(道理)がすべてだからだ。

「わからんやつだ」と言うんだったら、それでオシマイ。
 不安に向き合えなければ、それでオシマイ。
「わからない」「責任もとれない」ことには、だれもナットクしない。

 ③は、最期の頼みは〈最新の技術〉

 最新の「トリチウム分離技術」は、近畿大などによって開発されている、という。
 アルミ製のフィルターをつかうこの技術によれば、高い効率でトリチウムを除去できる、そうな。

 この最新技術を導入して、難関のトリチウムを除去、さらに他の放射性物質の除去も再度丹念に行なう(順序は…逆か)までは、たとえ〈国中にタンクを増設してでも、貯蔵をつづける〉しかあるまい。
 それが、原発を〝国策〟として導入した〈日本国の責任〉というものだろう。
 
 さもなければ、ことは福島県漁業の被害のみにとどまらない。
 日本という海洋国家が、みずからのエゴでこの地球全体の、環境汚染国家の<汚名>をこうむる。