どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018さんりく巡礼 / <報告記50>-苫小牧②-「セコマ」と「千歳川発電所」

-No.2120-
★2018年07月12日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3046日
★ オリンピックTOKYOまで →  378日
★旧暦6月10日
(月齢9.7、月出14:42、月没00:49)




セイコーマート…ふんばる

 2018年9月6日(木)。
 北海道胆振東部地震震源に近い被災地、厚真町にその一端を見とどけてから、苫小牧西港のフェリーターミナルへと急ぎ。
 18時45分発の夕方便「さんふらわあ」の乗船手続きを、押しかけるキャンセル待ち客多数の喧噪のなかすませて、ホッとため息まじりのひと息……

 乗船車両誘導のアナウンスがあるまで、車室内で待機。
 その間に、このたび「北海道初の大地震」に遭遇した経験と、その対処法の反省。

 あれこれ想うことが多かった、なかで、なにが一番に〈心づよかった〉か…で、とくに印象につよくのこったのが、〈ご当地コンビニ〉とでもいうべき存在。
セイコーマート」について、もうひとこと、つけくわえて、述べておきたい。

 こんどの大地震とそれにともなう大規模停電によって、頼みの綱のコンビニが、ほとんどの店舗で品切れ状態に陥ったことは、すでに述べた、が。
 じつは、品切れとか品薄になる以前に、全国展開する大手コンビニ・チェーン店舗の多くが、停電によって休業せざるをえない状況に追い込まれたことの方が、遥かに影響がおおきかった。

 そんななかで、「セコマ」(本社・札幌)が運営するご当地コンビニ・チェーン「セイコーマート」が、非常用電源や自動車から引いた電源で、みごとな非常時対応、道内1100店舗のほとんどが店を開け続け、ホットな食品を提供したり、レジもふだんどおりに稼働する…といった奮闘を見せて、道民の称賛浴び、あらためて厚く支持されている。

 じつは、ボクのカミさんは道南に実家があり、またボクたちもかつて、函館にセカンドハウスのマンション一室をもっていたことがあって、セイコーマートはよく知っていた。
 しかし、〈北の大地に暮らす〉という生活者の実感はやはり薄く、たいがいの買い物もスーパーで済ませていた程度だから、〈なじみ〉には、ほど遠かった。

 それに、失礼ながら…全国展開の大手コンビニにくらべると、店舗も品ぞろえもどこか垢ぬけない、というか、ようするに田舎じみたふんいきであった記憶が濃い(ほんとにゴメンなさい)。
 おそらく、道内でも、街場に暮らす人の多くに、この印象があったのではないか…と思う。そういう事情が下敷きにあったうえでの「ありがとうセコマ」の声…だったにちがいない。

  ……………

 ぼくは、まだ(今回でも)経験がないけれど、人々の声に聞くところでは、店内調理コーナー「ホットシェフ」の評判がいい。
 ガス釜がある店舗では、震災直後から米を炊き、手づくりおにぎりを提供してくれた、という。
 「ホットシェフ」の導入は1994年からで、現在はすでに954店舗に導入済み。
 暗いなかに、ポッと明るい店が開いているだけでも安心できた…と、ふりかえる声も少なくなかった。
 (地味に見える=飾らずに地元密着、ということをいまはナットク!)

 この「セコマ」…じつは、日本のコンビニ誕生第1号(1971年に1号店)とPRする。
 その地域密着型、発祥のきっかけは2004年、全道に猛威をふるった台風18号。そのとき、電源がないためにレジが使えず、商品の値段もワカラなくなった状況に、災害対応の必要意識が芽生えたのだ、という。

 「セコマ」は、物流面でもつよかった。
 このたびの地震では、札幌配送センターこそ他と同様、停電・荷崩れ・一時配送停止に見舞われたけれども、釧路配送センターは100%自家発電で稼働、一部、札幌の分までカバーしてみせた。

 しめくくりは、道をはじめ計17市町村、陸上自衛隊北部方面隊、北電などと「災害発生時協力支援協定」を結んでいること。その効果は、このたび関係8市町に水・パン・おにぎり・カップ麺などを提供、厚真町では自衛隊が行う炊き出し用味噌などの食材も用意している。
 いまは全店舗に、「非常用電源セット」とマニュアルも配布済み、という。

 あらためて、一般庶民もこころして肝に銘ずべし。
「地域には地域密着が似合うし、なによりつよい味方」でもある!

  ……………

 「セコマ」の前身は、酒の卸売業(なぜかウムとナットクできる)。
 酒屋の存続を創業の理念とするせいか、フランチャイズの基本も共存共栄で、このあたりが他の大手コンビニチェーンとは、おおいに異なる。
 
 その後、社会的な大問題にまで発展した営業時間にしても、セコマは原則7:00~23:00。
 繁華街などの店舗では、24時間営業を選択するところもあるが、それも、あくまでも自主的。数時間延長のかたちが多いという。

 店舗側にテリトリー権がある(大手にはない)ため、セコマの店舗同士が近接して、客や従業員を奪いあうような事態もまねかない。

 きわめつけは、ロイヤリティー(加盟店料)で、セコマの「売上総利益の10%」というのは業界一、他よりも圧倒的に低い。
 そのわけは、グループ会社が牧場や加工・物流工場をもっているため、加盟店が商品を仕入れてくれるだけで儲けがでているからだ、そうな。
 (同業他社には、耳に痛い…参考にすべき…ことばかり)
 
  ……………

 セイコーマートは北海道のご当地コンビニ…のように紹介した、けれど。
 じつは、関東の茨城・埼玉にも店舗がある。それでも、身近な範囲とはいえないけれど、こんどは気をつけて道外でも「セコマ」のオレンジ色の看板を探してみたい…と思う。



◆唯一「全道ブラックアウト」に巻きこまれなった…支笏湖温泉街

 もうひとつ、「ちょっといい話し」は。
 このたびの北海道胆振東部地震で、もっとも社会的影響甚大だった大事故、北電(北海道電力)がまねいた全道ブラックアウトの非常事態に、唯一、巻きこまれなかった(地震直後を除いて…)地区が存在したことだ。

 まったく別な意味での「ホットスポット」といってもいい……
 そこは、全国でも屈指の透明度で知られる支笏湖畔の温泉街。
 札幌と苫小牧のちょうど中間あたりに位置して、観光客の多いところでもある。
 そこが、なぜ、あの停電騒ぎから、のがれられたかは……いうまでもない。

 北電の電力に拠らなったから。
 この地区の電力は、もともとは王子製紙が自社苫小牧工場用に発電した電力を、湖畔地区にも提供したカタチ。
 湖畔のホテルや飲食店から民家にいたるまで約100軒が、支笏湖に源を発する千歳川流域5つの水力発電所で発電された、王子製紙の電力に拠っている。

 …というか、送電線(王子湖畔配電線)も北電とは別物(完全分離)だから、ほかの契約はありえない。
 明治後期の発電開始という、設備にも由緒がかおる発電所から生まれる電気、電力料金も北電と同じに設定されている…そうな。

 不便があるとすれば…といっても、毎年11月中旬(観光閑散期)、数時間の「計画停電」のみ。
 (ほかに台風などによる倒木で電線が切れることもあるにはあるが…)
 そんなときは、店は休業するかバッテリー電源に切り換えるかでのりきり、家庭でもあれこれの工夫と智慧とで「たいしたことはねぇ」という。

  ……………

 以上。「セコマ」と「千歳川発電所」と。
 こういうたぐいの、「ちょっといい話し」に感性が鈍いようだと、その人の〈防災・減災意識〉もアヤシイことになる!