どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018さんりく巡礼 / <報告記30>-釜石市③・補遺-高台へダッシュ!

-No.2033-
★2018年04月16日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2959日
★ オリンピックTOKYOまで →  465日
★旧暦3月12日
(月齢11.1、月出14:34、月没03:14)









◆「逃げのびる」体力

 東日本大震災の後、被災地東北行脚を通じて、ぼくは……
 津波に人命・財産が攫われる可能性の否定できない地域には、「人、住むべからず」。
 つまり、「住戸を建ててはならない」と思い決めてきた。
 
 津波被害の怖れのある地域は、「生業(漁業・商工業など)の場にかぎる」こと。
 それらに就労できる人は、いざというとき「高台へ駆け上がって逃げる体力のある者にかぎる」こと。
 そのために沿岸各自治体は、体力測定を兼ねた「避難運動会」を定例行事とすること。
 この運動会で基準の体力に達しなかった者は、「高台での就労」を余儀なくされること。

 そうして、親しくなった人たち、折あれば行政関係の人たちにも、この話をしてきた。

 それが芽吹いた…とは思わない、けれども。
 やっぱり、地元にも(このままではいけない)気分はあったのだ…と感じている。
  

◆釜石の「韋駄天競争」は2月節分

 2014年から始まったこのイベント。
 5回目の18年には県内外から約120人が参加、6回目のことし19年の参加者は過去最多であったという。

 韋駄天競争は、市内中心部の高台にあるお寺、仙寿院まで約290メートル(高低差は約30メートル)の坂を全力疾走で駆け上がる。

 仙寿院は、大津波のときには市街地住民の逃げ場となり、その後はひきとり手のない遺骨をあずかったりと、社会貢献で知られるお寺。
 ぼくたちも、これまでに2度、慰霊に訪れている。
 (上掲の写真、上段の2枚はその折、境内から市街を見下ろしたもの。下段の2枚は、韋駄天競争主催者のホームページから借用させていただいた。

 励みにしてもらう目的の表彰は、男女それぞれの一番になった者に「福男・福女」の称号ほか、親子や小学生などの部門ごとに授与される。

 しかし、なによりたいせつになのは<競走>よりも<高台へと駆け上がる脚力>。
 いうまでもなく「津波が来たらなにを措いても高台へ」、東日本大震災から学んだ教訓を忘れないため。

 つまり、あくまでも避難訓練が主旨だから、<歩いて>でもいい。
 そのかわり、緊急時を想定するのだから「どんな天候でも」やる。

 そのために必要なのは永続させるくふう。
 地域に根づいた行事にしなければならない。

 「釜石応援団 ARAMAGI Heart(あらまぎはーと)」の企画に、仙寿院の住職が賛同して開催されることになった。

◆「津波伝承 女川復幸男」は3月、女川町復幸祭の前日

 13年から始まった、こちらは、新設なった石巻線女川駅前から。
 あの日の津波到達時刻15時32分、「逃げろ!」の合図で、参加者たちが数百メートル先の高台にある白山神社までを駆け上がる。
 やはり「津波が来たら高台へ逃げる」、津波避難の基本を徹底させるための年中行事として企画された。
 (記事下写真は、スタート地点になる女川駅前)

 トップでゴールした男は「女川復幸男」に認定され、復幸祭で「きぼうのかね」を鳴らす権利、ほかの特典が授与される(上位3人までに認定証と白山神社での祈祷を授与)。

  ……………

 以上、どちらも、新年恒例の人気神事、西宮神社兵庫県西宮市)「福男選び」を手本に誕生している。
 西宮神社もまた、かつての阪神大震災の被災地にほかならない。
 「福男」が、東北の二つの被災地とつながったわけだ。

 西宮神社1月10日の「福男選び」といえば、近ごろはテレビ放映も盛んな人気イベント。
 午前6時の開門と同時に、数千人が参拝一番乗り「一番福」を目指して、本殿まで230メートルの境内を猛ダッシュ、先着3人が「福男」に認定される。

 この<本家>西宮神社は、釜石と女川の行事開催趣旨に賛同、公認行事と定めて全面的に協力。
 西宮神社開門神事の講社長が、毎年出向いて参加。

 その、こころはひとつ、「がんばれ逃げろ」だ。