どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.46~  サバクツノトカゲ

-No.2026-
★2018年04月09日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2952日
★ オリンピックTOKYOまで →  472日
★旧暦3月5日
(月齢4.1、月出07:44、月没21:54)



※若緑もえる新緑のなか、桜の花びらが、きのうからしきりに…ハラハラ陽を浴びて耀きながら、目の前をながれていきます。桜は満開の頃より、この散り際の方により風情が感じられます。わが家の脇の緑道もこれから春満開になります。






★眼から血を吐くスゴ業師★

 ぼくは地理的な人間で、歴史も地理的に理解しようとする。
 だから日本の、都道府県の位置関係くらいならノー・プロブレムだ、が。
 アメリカの州になると、代表的な幾つか…くらいしか分からない。

 「アリゾナ州」は西部だったな…くらいの、これまでは知識だったが、現アメリカ大統領のトランプさんが「メキシコ国境に壁を」と騒ぎだしおかげで、やっと頭に入った。
 メキシコとの国境の州は、東から西へ、テキサス・ニューメキシコアリゾナ・カリフォルニア。

 このアリゾナ州と、メキシコのソノラ州との間に広がるのがソノラ砂漠で、その大きさは日本の本州がすっぽり入ってしまうほど、という。
 この国境の砂漠は、その過酷な自然が、これまでに多くの不法移民たちの命を奪ってきたことでも知られるわけだが…ここで話題の主人公は別にいる。

 サバクツノトカゲ。
 トカゲも日本にいるのは、命の危険に遭遇すれば尻尾を犠牲にして逃げる、くらいのものだ、けれども。
 このサバクツノトカゲは、扁平な体じゅうに棘(襞状の鱗)を並べ、後頭部には短い角状の突起(これも正体は鱗)をもって、イザともなれば相手に噛みついて威嚇することもある、という負けん気魂の、さすが爬虫類。

 といっても、しかし、せいぜいが10cm程度の小兵、大きな動物には踏んづけられてしまうような存在なのである。
 ふだんは、褐色を主にした複雑な砂色模様の体を砂漠に溶け込ませてカムフラージュ。暑い日中は砂に潜ってすごすことも少なくない。
 好物のアリを、舌に砂がつかないように上手に食べて暮らし、サボテンを巣にして眠る。

  ……………

 餌も、身を隠す場所も少ない砂漠では、生きる知恵と工夫が試される。
 サバクツノトカゲが、運わるくノスリ(中型の鷹の1種)に見つかり、襲いかかられてしまった場面。
 ドキュメント映像が、ノスリの頑丈な脚爪に攫われるサバクツノトカゲを写したとき、ボクは思わず(ヤラレたか)と唸ったのだけれども。
 
 つづく場面では、そのノスリがサバクツノトカゲを食べようとして悪戦苦闘、しきりに羽をバタつかせる態をよく見ると、ツノトカゲは吾が身のトゲトゲを上手い具合に突っ張って食べさせない。
 そうしてついには、根負けしたノスリがポイ捨てて飛び去り、サバクツノトカゲはちゃっかり勝利をおさめてござった。

 このトゲトゲの活し方はじつに巧みで、砂漠に多い蛇に襲われたときなどにも、トゲトゲを誇張しながら大袈裟にひっくり返って見せ、相手を怯ませたりもするのだった。

  ……………

 さらに吃驚させられたのは、砂漠の縁辺に暮らす人家の、飼犬に見つかってからかわれた場面。
 (砂漠にはオオカミに似た哺乳類のコヨーテも棲む)
 サバクツノトカゲの顔面からナニか噴き出されたと思ったら、それがなんと! 眼から飛んだ血。
 俗に「血も涙もない」などと言うが、サバクツノトカゲの場合には、眼から「血の涙」である。

 このとき噴出される血の量は、体内の血のじつに3分の1にあたるそうで、1~2mも飛ぶという。

 血を浴びせかけられた犬は、イヤイヤするように尻ごみ、後じさる。
 ナレーション解説によれば、この血には、イヌ族がイヤがる臭気がふくまれる、とのことで。
 この臭気のもとは、サバクツノトカゲが好んで食べるアリのうち、シュウカクアリと呼ぶ強力な顎をもつアリの、毒に含まれる強酸性の蟻酸〔ぎさん〕とか。

 あの場面は、いまだに、ひたすら犬が気の毒だった。

  ……………

 なお、このサバクツノトカゲが登場した映画がある、とかで。
 調べたら、アーサー・ペン監督、ポール・ニューマン主演の西部劇映画『左ききの拳銃』(1958年アメリカ)であった。

 レフト・ハンデッドのガンマン、ビリー・ザ・キッドを描いたこの映画、主演のポール・ニューマンが大好きなぼくもたしかに観たのだが…サバクツノトカゲの出演記憶は、ザンネンながらない。