どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018さんりく巡礼 / <報告記17>-女川町-復興と変貌

-No.1979-
★2018年02月21日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 2905日
★ オリンピックTOKYOまで →  519日
★旧暦1月17日、十六夜・立待月
(月齢16.6、月出19:22、月没07:29)









◆シーパルピア女川

 《11.3.11》大津波被害とその復興が、もっとも目に見えて顕著なところとは、女川町(宮城県)と陸前高田市岩手県)だろう。
 どちらも被害が大きかったうえに、復興風景にダイナミックでめざましいものがあった。
 (上掲写真、右上は17年夏) 
 
 女川町の場合は、町の規模が小さく、コンパクトにまとまっていたのが大きい。

 新設なったJR石巻線の終着「女川」駅。
 ここに、話題と人気の入浴施設、女川温泉「ゆぽっぽ」がある。

 そこから、海辺を通る国道398号にかけて、ゆるやかな坂になった一帯にできた新商店街「シーパルピア女川」がそのメイン、住民と旅客がふれあえる〝にぎわいの居場所〟だ。
 汀に近い一郭には、味わいと観光部産の「ハマテラス」もできている。

 ぼくたちは、まず、「シーパルピア女川」を含む〝居場所〟の区域に、七十七銀行女川支店を訪ね。
 銀行の敷地内にできた慰霊碑に、あらためて掌を合わせた。

 この慰霊碑ができるまでは、すぐ西側の高台にある女川町地域医療センターの敷地内に、仮の献花台が設けられてあったものである。
 (上掲写真、下左は17年夏、女川地域医療センターにあった献花台)

 じつは、この医療センターこそが、女川の津波被害を見とどけた砦のような存在であり、台地上に立てば、女川湾岸から後背地にかけての全貌が一望の下にできることから、ぼくたちの定点ウォッチポイントのひとつにもなっていたのだった。

 慰霊碑は、東日本大震災のあの大津波で犠牲になった、行員と派遣スタッフ12人の霊に「あの日のことを忘れない」誓いをこめて建立されたもの。

 ふと、想う。
 これまでに掌を合わせた慰霊碑の数、いくつくらいになったろう。

  ……………

 「シーパルピア女川」には、いうまでもなく、観光客を迎える体裁をととのえた店舗が多い。なかにあって、ひときわ異彩を放つ店舗にエレキギターの制作・修理工房「GLIDE GARAGE」がある。

 ぼくは、ついに楽器には縁の薄い人生だった、けれど。
 まわりに音楽環境がなかったわけでもなく、ギターにうるさい知人も居て、その息子から「いいギターをつくるところが女川にある」と聞いていた。

 「GLIDE GARAGE」がつくる高級エレキ「SWOOD(ソード)」の特徴は、地場の技術が光っていること。
 ボディーとネックには、三陸沿岸に伝わる「気仙大工」の技が生かされ、金具を使わない製法でクリアな音を実現、弦をボディーに固定する金具テールピースには、音を伸びやかにする釜石生まれの新合金が使われている……

 楽器店ではなく工房だから、飾り気はない。
 商標がわりに展示されたエレキの奥で、工房の若いスタッフが一心不乱に制作の手を進めていた。

  ……………

 町の心臓、役場に近い高台に女川小学校を訪ね。
 「2020東京オリンピックの聖火をバイオメタンで燃やそう!」プロジェクトへの協力をお願いして、この街を後にした。

 いま現在(19年)、女川小学校の生徒数は197人ほど。
 …といっても、震災津波前には5校あったのを、再編・統合して(つまり町に1つ)の結果であり、しかも年を追って生徒数は減ってきている。

【女川町の被害状況】も見ておこう

 〇震災前の人口 10,051人  ※2010(平成22)年10月国勢調査
 〇震災後の人口  6,334人  ※2015(平成27)年10月国勢調査
 ※5年前より3,717人減。人口減少率は 36.98%で、これは福島県楢葉町の 87.3%に次ぐ全国第2位の減少率。

 〇直接死者 593人
 〇間接死者  22人
 〇 計   615人
 〇行方不明 258人

 〇全壊家屋 2,924棟
 〇半壊家屋   349棟 

  ……………
   
 日本海を北上する台風に押された雨雲のせいだろう。
 ついに、この日(18年8月29日)も一日、降っては…やむ、かにみえて…また降りだす、天気かわらず。






DAP Vol.6 JR女川駅(女川温泉ゆぽっぽ)建築家 坂茂: 建築写真家 田岡信樹 写真集 (一生に一度は行きたい日本の名建築)

DAP Vol.6 JR女川駅(女川温泉ゆぽっぽ)建築家 坂茂: 建築写真家 田岡信樹 写真集 (一生に一度は行きたい日本の名建築)