どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

『まんが日本昔ばなし』の市原悦子さんと常田富士男さん江

-No.1942-
★2018年01月15日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2868日
★ オリンピックTOKYOまで →  556日
★旧暦12月10日 → ☆十三夜月へ4日
(月齢9.4、月出11:58、月没00:14)





市原悦子さんが亡くなりました…

 1月12日の訃報です。
 心不全で、行年82でした。
 
 市原さんといえば、新劇、もとは俳優座の、すてきな女優さん。
 いろいろ、ひっくるめて観て、あらためて<お芝居のために生まれてきたような>方でした…けれども。
 
 なんといっても一般には、テレビドラマ『家政婦は見た』(1975年=昭和58)で、思わず(ウフッ…)と、ほほえましく記憶されている方が多いのではないでしょうか。
 ほんとに、あれは秀逸。
 視聴者もおおいに楽しませてもらいましたが、市原さん自身も愉しんで演じていたと思うのです。

 いや……
 ぼくにとっては、もうひとつ。

 忘れられない声の出演作品がありました。
 はぃ、そうです、『まんが日本昔ばなし』(1975年=昭和50年放送開始)。

 常田富士夫さんと、ずっと二人だけで、すべての声を分担(ときには男女入れ替わったりも)して、(お噺によって絵の作者は変わったんですが)どんな絵柄にも合わせた…というより、いつでもシックリ合ってしまうのでした。
 こんな番組ほかにないですよ、いまだって。

 これはイイ、放送だけですませちゃもったいないよね。
 子どもたちのための本をつくろう…ってことになって、お話しの再構成から編集までの仕事を、ぼくのプロダクションでさせてもらいました。

 文庫版、1話1冊の32ページ仕立て、5冊で1巻のシリーズが、おかげさまで気に入られて。
 アニメの原画を借りてつくったので、なかには絵が手に入らないお噺もあったりしましたが、たしか50冊の箱入り版が、上・下2箱にもなりましたっけ。

  ……………

 追悼番組では、『鶴の恩返し』が映されていました、けれど。
 ぼくの、これが一番とっておきは『牛方と山姥』。
 臆病者の牛方の声が常田さんで、あっけらかんと喰いしんぼな山姥が市原さん。
 絶妙の掛け合いドラマはサイコー傑作でしたね。
 それからというもの『牛方と山姥』は、子どもたちにお話しをするときの、ぼくの十八番演目になっています。

  ……………

 …で、ごめんなさい。
 いまになってハッと気がつきました、すっかり忘れていました。

 市原悦子さんと、常田富士夫さん。
 このお二人こそ、元祖<声のお芝居>名人。

 つい、このあいだ発表させてもらったばかりの。
 「クリア・ボイス大賞」から、はずしとくわけにはいかない大御所さんだったことに。

 申し添えれば、常田富士夫さんも先に昨年夏、脳内出血で亡くなっています、行年81でした。

  ……………

 ここに、あらためて。
 お二人に「クリアボイス大賞・特別賞」をさしあげ。
 1月9日掲載の記事を訂正の上、再掲させていただきます。

  ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

【ミミにやさしい「クリア・ボイス大賞」発表/すてきな音の空間をもとめる会】 





◆「クリア・ボイス大賞」

 これは、「すてきな音の空間をもとめる会」によるものです。
 ざんねんながら、会員はまだ私(浅生忠克)ひとり。
 なので、わたしの「聞こえ」の判断で決めさせていただきました。

 聴覚障害と呼ばれる、(疾患にはちがいない…けれども)なかでは程度のかるい、と思われている領域に、「難聴」があります。
 わたしは、大学病院の耳鼻科で検査をうけた結果、「中程度の難聴(ふつうの人の70~80%くらいしか聞こえていない)」と診断され。
 いま現在、補聴器とつきあっています。

 症状をわかりやすく説明すれば、日常の会話で相手の言葉が<聞きとりにくい>ことが少なからずあり。小鳥のさえずり、風鈴や電子通知音に気づけない。
 高音で小さな声の女性の甘いささやきなどは…(いまはもう)ふんいきだけでしか、あじわえません。
 しかも

 そんな「不幸」な境遇が、私だけじゃなかった。
 じつは、難聴は子どもたちにも少なくないし、近ごろは若者たちの間にもふえてきている。
 全人類の10~20%には「なんらかの耳の障害」があり、65歳以上の高齢者になればほぼ半数が「難聴」の身、といわれます。
 また、聴力に問題はないとされる人たちにも、じつは「聞きとりにくい」あるいは「聞こえていないけど前後関係で対処している」、状況があります。

 それにしては
 「音」に対する注意、「聞こえ」に対する配慮がなさすぎる、いまの世の中。
 「難聴」者は、みずからの「聞こえ」を改善する努力をしながら、もう少し、世の中が「音」や「聞こえ」にやさしくあってほしい、と願っています。

 アナウンサーや俳優・声優さんなど、声でコミュニケーションをとる職業のプロには、「クリアに聞こえる」話法の研鑽につとめてもらいたいし、音響や録音関係の技術者の方々には、「迫力」より「透る(通じる)」音を追求してほしい。

 そんなきっかけづくりのム-ブメントとして
 「クリア・ボイス大賞」をノミネートしたい

 では、発表します。
 栄えある第1回「クリア・ボイス大賞」は…
  【特別賞】
  ☆女声 / 市原悦子〔いちはら えつこ〕
  ★男声 / 常田富士男〔ときた ふじお〕
  【大 賞】
  ☆女声 / 相武紗季〔あいぶ さき〕
  ★男声 / 中井貴一〔なかい きいち〕
 ※【特別賞】女声の市原悦子さんと、男声の常田富士男さんは、1970年代から静かに一世を風靡した『まんが日本昔ばなし』の、ついに二人っきりの声を演じきりました。その声を表現すれば<究極かわいくて、味わいのある、懐かしい声>でした。市原さん19年1月没82歳、常田さん18年7月没、81歳。合掌。
 ※【大賞】女声の相武紗季さん(33)は、主にテレビドラマ・映画・CMで活躍する女優さんですが、<声優>の素質も群を抜いています。愛らしい表情をもったやさしい声音、それでいて女声にありがちな<語尾の消える>こともなく、なにしろ癒されます。最近ではNHK『岩合光昭の世界ネコ歩き』の語りが秀逸。
 ※男声の中井貴一さん(57)は、役者としてあたりまえのことながら。近ごろは安心感をもって観て・聞いていられる俳優さんが少ないなかにあって、<けれん味のない王道>とも言える<台詞まわし>は、さすが。血筋(父=佐田啓二、姉=中井貴恵)を思わせます。その透る声は『雲霧仁左衛門』でも健在。


 ……………

 以上
 「すてきな音の空間をもとめる会」の「クリア・ボイス大賞」に賛同くださる方。
 どうぞ、ひと声かけてください。

 来年、第2回の発表にはぜひ、幅広い合議の結果をおとどけたしたい、と思います。

 相武さん、中井さん、に親しい方がおられましたら、ご本人にお伝え願えれば幸いです。
 できれば、コメントなどいただければ……

 ※おしまいに、ドイツの哲学者カントの言葉
  「目が見えないことは人と物を切り離す。
   耳が聞こえないことは人と人を切り離す」