-No.1900-
★2018年12月04日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2826日
★ オリンピックTOKYOまで → 598日
★ほ~っと溜息の犯罪映画★
1963年といえば、ぼくが18、前回・東京オリンピックの前の年にあたる。
この年に公開されたフランス映画が『地下室のメロディー』だった。
主演はアラン・ドロンと、あの高倉健が憧れたジャン・ギャバン。
監督は、フランス犯罪・刑事もの映画で知られたアンリ・ヴェルヌイユ。
いうまでもなく、みごとな犯罪の手口と、にもかかわらずの逆転劇という、フランス犯罪映画十八番〔おはこ〕の上等な出来栄えの作品である。
そうして、これもフランス映画の特質というべき、じつに気の利いた台詞〔せりふ〕まわし。
ドロンとギャバン。
どちらも名優なんぞとはいうまい、文句なしの大スター、これでいい。
ただ、ギャバン映画は男ひとり、ほくそ笑んで観るにかぎる…が。
ドロンには、彼のすぎた二枚目ぶりに嫉妬しつつも、彼女を誘って観に行くのが得策だった。
そんな青春時代の映画を、ひさしぶりに録画、テレビ画面で観た。
いい作品は、リビングを映画館に変えてくれる力がある。
コートダジュールの避暑地、カンヌのホテルを舞台に。
カジノのオーナーが売上金を運びだす日を狙って、地下金庫を襲撃。
10億フランの大金を奪ってバッグに詰め、なにくわぬ顔でホテルに戻る…が。
思わぬ事態がおこって計画変更を迫られ、さらに、かさなる不運がかさなった末に。
朝のホテルのプールの水面に、つぎつぎと浮かび上がりはじめる10億円の札束……
チンピラ青年フランシス(ドロン)は茫然と、そしてベテラン辣腕ワルのシャルル(ギャバン)は、さすがに無念の顔色ひとつ変えずに しかし それをただ見つめるほかなかった……
最近の映画の、技術の進歩にはたしかに、目を瞠るものがある、けれど。
映画作品トータルの、しゃれっけとか、エスプリといったものは、むかしの作品におよばない気がする。