どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018福島・巡礼/ <報告記25>-まとめ②-避難解除

-No.1889-
★2018年11月23日(金曜日、勤労感謝の日
★11.3.11フクシマから → 2815日
★ オリンピックTOKYOまで →  609日




◆17年春までに「避難解除」

 まだ福島市の渡利地区、花見山公園の木陰に休み、胸の想いを追っている。
 池の蓮の花が、夏の暑さを忘れさせてくれる、浄らかな美しさだった。

 ……………

 政府が、福島第一原発事故後の「復興指針」を「改定」、閣議決定したのは《11.3.11》から4年後の15年6月12日。

 具体的には、「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」の避難指示を16年度末までに解除。
 事業再建に向けた集中支援の方針と、被災者の自立をつよく促すこととし。
 避難住民の〝帰還〟促進と、〝賠償〟から事業〝再建〟への転換を図り。
 東電による、両区域住民への精神的損害賠償(慰謝料)支払いを17年度末で一律に終了(営業損害と風評被害の賠償は16年度まで)とする、という。

 方針の文言はいい。
 要は実態に適応した<内実>で、現状に無理はないか。
 <指導力>が<強制>になってはいけない…とボクは思った。

 あくまでも余所者の視点ではあるけれども、あれから7年、福島の実情を見聞きしてきた者の実感だった。
 せっかく造った仏に、だいじな魂がない。
 「帰れっていわれても、これじゃ帰れない」のは、多くの住民にとって偽りのない本音だし。
 <冷たい>というより、やっぱり親身ではない<ひとごと>なのだった。

◆「仮設住宅」の無償提供うちきり

 福島県が、この8月末に示した方針だ。
 帰還困難区域など〝浜通り〟4町村(浪江、富岡、葛尾、飯舘)の避難者3、298戸を支援してきた制度が、オリンピックのある20年3月末で終了する、という。
 いまなお全町避難のつづく、大熊・双葉の2町については、今後の状況を見て検討する。

 つまり、復興公営住宅がほぼ完成したので移ってもらいたい、はじめから2年ほどの利用を見込んで建てられた仮設は住環境もよくないし、ということだろう。
 しかし、まったく新しい環境に待っているのは〝孤独〟だという、マイナス面の認識はなく、配慮もされてはいない。

 おおまかに現状を見れば、少しでも余裕のある人 というか なんとかなる人の多くは、すでに「仮設」を離れている。
 のこされたのは、災害弱者。仮設を出ようにも出られない人たちだ。

 もちろん、ぼくだって、<弱者>の<ふり>を巧みに利用して生きる者のあることは知っている…が。
 それをいいことに、弱者すべてをひっくるめて悪者にしてしまう<面倒みるのも無駄>あつかいは、生きることへの冒瀆だと思う。

 これらの動きの背後にチラチラするのは、2020年に開催されるオリンピック絡みの思惑ではないか、ということがある。
 政府は「復興五輪」と謳いあげた手前、なんとか体裁をつくろいたい、「避難者なんかもう一人もいません」ということに、どうしてもしたいのだろう…と思えてしまう。

 〝帰還〟の呼びかけが〝孤独死〟を招くことになったら、町村の存続もない、のではないか……
 

◆もうひとつ「災害援護資金」の借金苦

 これは福島県にかぎらないことながら。
 被災者の生活再建のため、国などが市町村を通して貸し付けた資金の、生かされた形跡があまり見られないらしい。

 共同通信のアンケートでわかったのは、この9月11日。
 岩手・宮城・福島3県、計24の市町村で、返済期日が来た約7,500世帯の、約半数にあたる3、460世帯が〝滞納〟している、という。
 滞納総額は約4兆円。しかもこれは、貸付けられた資金のまだ3割弱にすぎない段階での話しだ。

 原因は明らかで、震災・原発事故による〝失職〟や高齢化。
 つまり、収入減とそれによる生活苦。被災者の生活が借金(返済猶予期間は6年程度)によっても立て直せていないわけで、この〝滞納〟はますます膨らんでいきそう。
 1世帯あたりの貸付額、最大で350万円という数字も、せつない。

 19(平成7)年の阪神大震災、あのときの援護資金でさえいまだに、未返済分が約30億円ものこっている、という。
 どこかサミシい、なぜかカナシい……