どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北2018福島・巡礼/ <報告記04>-いわき市④-母と…子どもたちの未来を守る「たらちねクリニック」の活動

-No.1785-
★2018年08月11日(土曜日、山の日
★11.3.11フクシマから → 2711日
★ オリンピックTOKYOまで →  713日
*《11.3.11》から7年と5ヶ月の…お盆です*


*このジリジリと天辺から焦がし焼きにされるような〝炎暑〟は、もはや〝異常気象〟と呼ぶのさえ場違いなほど。ボクの住む町田市でも先日の金曜日には、一瞬ではあったけれど車の外気温センサーが40℃を記録しました。前にも申し上げたとおり、気温が35度を超えたらもはや人間のまともな〝意識〟活動領域ではありません。真夏日が途切れることなく連続するこの〝温帯砂漠化〟現象。しかも炎暑災害は世界的…となれば〝気象非常事態〟宣言のときではなかろうか。国をあげて、地球世界がこぞって、抜本対策にとりくむ必要に迫られている~ぅ!!!……* 











◆〝常磐もの〟の漁獲で知られた小名浜港に近く

 ぺったらこい(平らな)いわき市街地の、中心部。
 目指す「たらちね」は、交差点に面したビルにありましたが、たどりつくのには手間どって。
 車の運転席から探す目線に、ビル屋上の看板は死角に入っていたからでした…

 被災地行脚では、どうしようもなく迷ったり、よほどのことがないかぎりボクは、こちらで勝手に探し訪ねて行きます。
 あいにく留守なら、あきらめる。
 そこまでの道のり、訪ねた足跡だけでも肥やしになります。

 さきさまには迷惑なことでしょうが、約束(があってもなくても)に遅れるほうがいやでしたし、ぼくにはいつも、<遠慮>がさきにありましたから。
 「たらちね」のときは思いがけなく難渋して、やむをえず道を尋ねて電話したら、応対に出た方が待っていてくださいました。

 迎えてくださるふんいきが、そのままカウンセリングふうに想われ。
 「たらちね」の設立主意からすれば、あたりまえかも知れませんが、いつも気のぬけない被災地行脚をつづけてきた身には、ほっと気もち和むものがありました。ウレシかったぁ…!

 「たらちね」の発足は2011(平成23)年10月、つまり《11.3.11》のあった、すぐ秋。
 その母胎「いわき放射能市民測定室」の設立趣意書には、こう謳われています。
 (以下は趣意要約)

  〇原子力発電所の事故による広範な放射能被害の下で、不安な生活を強いられているわたしたち自身が、よりよく、より強く、生きていくために。
  〇不安の払拭は、その正体を追い詰め、正しく認知することから始まります。(中略)わたしたちは地域住民とともに、被爆の事実をひとつひとつ確かめていく、ということから始めます。
  〇わたしたちは永続する課題である内部被爆の防止・軽減のために、次のことを実行します。

  1.食材に内在する放射能を地域住民の求めに応じて測定し、測定データを提供。
  2.食生活や労働およびその他の生活活動にともなう人体への内部被爆を、全身放射能測定によって測定し、データを提供。
  3.一連の測定データが地域住民の安全にとって重大な意味を持つ場合は、必要な見解を公表。
  4.地域住民がもっともたやすく被爆の状況を知りうるものとして、当測定室の測定データを公表。
  5.計測器の適切な管理のもとで計測機器の普及に努め、トレーニングを実施。
  6.専門家と連携して事実を究明、知見の集積に努める。
  7.地域住民の測定機関と連携、広範囲の被爆状況の情報化に寄与する。

  〇わたしたちは、数年後、数十年後に、この事故による心と身体の健康被害者が、少しでも少なくなるように、今やるべきことを、今できることを実行する測定機関をめざします。

 ……………

 以上、述べられていること。
 たいせつなのは、それが、ほんとうなら、しかるべき公的機関によってなされるべき測定、事実の究明、住民へのデータ公表・周知である、ということ。
 それが、いち「市民測定室」の手に委ねられなければならない、この国の現実をシッカリ認識しなければいけません。

 無責任な方策おしつけと、おざなりな事後処理をかさねて、この狭小な国土に深刻なダメージを及ぼしつづける愚行に対しては、半端ないレッドカード通告あるのみ…と、ボクは思う者です

◆「たらちねクリニック」誕生

 ぼくが「いわき放射能市民測定室」を知ったのは、この春、東京であった『福島 生きものの記録』全5作一挙上映会。そのフィルムに、この画期的な市民活動が紹介されていました。
http://blog.hatena.ne.jp/sashimi-fish1/draft-scat.hatenablog.com/edit?entry=17391345971624820969

 映像に映し出される生きものたちの、どうあれ、ひたむきな姿に心うばわれるいっぽう、放射能「市民測定室」という果敢(…に思えました)な活動にふみこんだ人たちのあることが、シン…と琴線ふれました。

 案内してくださった奥の部屋に、その測定室はあって。
 放射線の粒子を検出・計算する液体シンチレーションカウンターや、食品放射能セシウム)汚染を測定するスクリーニングシステム、ガンマ線スペクトロメーターなど、素人には最新理学研究室にでも踏みこんだようなふんいき。
 食材、土壌、水など、さまざまな条件や場面での測定をたゆまず継続、測定データの公表をしています。
 
 しかも、これらの機器類がすべて、関係諸団体や個々人からの寄付金によって購入・設置されていることに、おどろくばかりでした。

 チェルノブイリ原発事故後のベラルーシでも活躍した「ホールボディーカウンター(全身放射能測定器)」もあって、水2リットル入りのペットボトルを詰めた段ボール箱にグルリを囲われていて……ふつうなら鉛かコンクリートの壁で遮蔽されるべきところ、水にもそれに替わる遮蔽能力がある、とのこと。

 この「市民測定室」にプラス、昨春からは「たらちねクリニック」をオープン。ここでは、甲状腺検診ばかりでなく、総合的に子どもたちの体調を診察、「子どもドック」の受診や「相談室」利用もできる。

 ぼくは、もっとも気になる子どもたちの「甲状腺検査」結果、時間経過による推移を知りたいと思いましたが、クリニックが開院したばかりなので、それはまだ無理。
 これから先、息の長いとりくみになるわけでした。

 福島という県は、「脱原発」を標榜するあたりまではイイのですが、次世代を担う子どもたちの「甲状腺被曝」に対する〝冷めきった〟態度にはウンザリ。
 なるほど「甲状腺癌」と放射線被曝の因果関係は、まだ解明されるに至っていないわけです けれども あくまでも対処は「予防原則」でなくちゃいけない。

 「フクシマ」の原発事故劇に一刻も早い〝幕引き〟をはかりたい政府は、あれこれの復興寄与を条件に、なんとか県を懐柔する策に出ていることは想像に難くありませんが…そんなものにマケてもらっちゃコマるんです。
 
 とまれ……
 「たらちねクリニック」のこれからは、まだまだ十分とはいえない認知度をたかめて、より多くの市民・周辺住民たちの信頼にこたえていくこと。

 クリニックに用意されている「子ども待合室」や「ヒーリングルーム」には、「お母さん・お姉さん」目線の温もりが随所に感じられます。
 
 「福島の子ども保養プロジェクト」では、沖縄県久米島にあるNPO認定法人「沖縄・球美〔くみ〕の里」へ、これまでに4000人もの親子を心身いやしの旅に誘ってきました。
 そうして、この<保養の旅>から帰った子どもたちからは、心にも身体にも、おどろくほどの改進・快心効果がえられたといいます。

 「たらちね」の「クリニック」と「市民測定室」、チバリヨ―(沖縄の言葉で、がんばれ)。
 これまで「たらちね」の存在を知らなかったお母さん方に、この投稿が少しでもお役に立てば…と願います。
 認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね | トップページ

◆付言「たらちね」

 「たらちね」の語意を、ご存知の方はおそらく、みなさんご高齢!?
 「たらちね の」は「母」にかかる枕詞〔まくらことば〕、漢字で書けば「垂乳根」です。

 けれども「たらちね」は「母・母親」と決まったもんでもありません。
 この言葉には「父母・ふたおや」の意も、のちには「父親」の意も含まれました。

 これ、考えてみれば、じつに、いま「いくめん」の世にマッチしたコトバ。
 「たらちねクリニック」でもこの語感をたいせつに、母親にくわえて父親も抱きこんだ活動の輪をひろげてほしいと思います。