どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

首都高「日本橋」地下化を想い考える/      たしかに目障り、景観もよくない…のだけれども

-No.1777-
★2018年08月03日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 2703日
★ オリンピックTOKYOまで →  721日



小田急の特急ロマンスカーLSE(7000形)が7月10日、引退した。この春デビューした最新型GSE(70000形)と新旧交代ということらしい。歴代ロマンスカー最長の運行記録をもつ名車、「ロマンスカーの代名詞」ともいえるLSEの引退を 正直 ぼくは思ってもみなかった。ご覧のとおりのフォルムは、もはや車両デザインの域を超えて〝不滅〟の境地にある。車両の老朽化はやむをえないだろうから、いずれ時機をみての復活を期待したい。*










◆悩ましい日本の〝道標〔みちしるべ〕

 「お江戸 日本橋 七つ立ち~」
 「こちゃえ~ こちゃえ(こちらへ)」の声に誘われるようにして、ひさかたぶりの日本橋
 地下鉄を下り、案内板で直近の出口を探すも見当がつかず、改札で駅員に「日本橋は…」と尋ねる始末で、いまどき日本橋見物なんぞ、あんまり流行らない のかも知れない。
 
 <銀座の柳>に迎えられて雨の日本橋…なにやらぼんやり、もの思いにふけって佇んで見えた。
 浮世絵にも誇らし気に描かれた日本橋。この国の重要文化財の上を、首都高の高架に塞がれたのは1963(昭和39)年。
 ぼくが高校を卒業した年だった。

 いまでも、よく覚えている。
 その当時だって、狭く建て込んだ都心を縫うようにしての首都高速道路は、難工事の連続だった。
 だから、よくぞオリンピック(翌1964=昭和40年)に間にあわせたよなぁ…感動の方が勝って、なんとも気の晴れない閉塞感に気がついたのは、その後のこと。
 そうして日本橋は、<江戸の昔>の想い出世界に逼塞することになった……

 この頭上を塞いでいた首都高の高架を撤去、地下化する構想がもちあがったのは、小泉政権の2001(平成13)年、ときの国交相扇千景、姐さん。
 しかし、多額の工事費がネックになって机上の話しはそれ以上の進展をみなかった。
 
 幻になりかけた構想が、いまになって再燃。
 そのわけは、もちあがった日本橋周辺の再開発計画にある。
 国と都が協議して昨年7月に地下化の方針が固まり、この5月22日に国交省と東京都、首都高の運営会社などで開いた地下化に向けた検討会で、具体的にルート案が決まった。

神田橋ジャンクション(JCT)-江戸橋ジャンクション(JCT)間の約1.8km

 これは、当初  検討されていた竹橋JCT-江戸橋JCT間、約2.9kmから短縮され、コスト削減も図られたものだ、という。

 いま、あらためて見る首都高の高架は、かなり低い、低すぎるくらいに低い。古い民家の戸口を潜るように、背をこごめて入る気分だ。

 夜間に〝都心環状〟を走ると、高架道路の壁の間から、ライトアップされた「お江戸 日本橋」が 瞬時 束の間 幻想風景のように視界をよぎる……
 (ただし、不心得にこの風景をタノシモウなどとすれば、疾走する高速道路上から谷間を覗きこむことになってキケン! きわまりない)
 
 しかも、橋のたもとの装飾彫像と都章、それに橋名板がなければ他の橋とかわらないし、橋下の水は暗く淀んでゴミが浮いている始末じゃ…ぜんぜん らしくもない。 
 
 日本橋周辺の首都高地下化を後押しするのは、地元商業関係者らでつくる「日本橋地域ルネッサンス百年計画委員会」それに「名橋『日本橋』保存会」。
 その思いの丈はワカルのだ。できることなら橋も、昔ながらの木橋に架け替えたいくらいの心もちであろう。

 どうせやるなら、ドンといきたいところだし…いまのままじゃ風情もなけりゃ、てんで日本の中心の〝礎〔いしずえ〕(ここに日本の〝道路元標〟がある)〟らしくもない。
 
 しかし
 難工事の課題は、今も昔も変わらず重い。近辺は地下鉄などの構造物が多く、いうまでもなく、流れてはいないが川もある。
 工事費も莫大なものになるだろう。数千億円が見込まれる事業費や費用分担のこともある。

【ここで取材歩きの…後日談】
 7月19日になって、総事業費3200億円がはじき出された。
 「わぁ~ぉ!」高額の負担、内訳は
  〇首都高運営会社 2400億円
  〇東京都      320億円
  〇中央区       80億円
  〇地元民間事業者  400億円
  (おカネってホントあるとこにはアルもんですねぇ)
 これでも、当初予想された4千億~5千億円からは(既存の地下道路を活用することなどによって)かなり圧縮された…というのだ、が。
 単純計算すれば、1mあたり1億8000万円。
 これは、海底トンネル「東京湾アクアライン」1mあたり1億円弱の〝倍〟近い額……
 
 「ほんとうに必要な事業なのか」、疑問の声が多いのもとうぜんだ。

 老朽化した首都高の改修(日本橋あたりの高架壁にも錆が浮きあがっている)が全体でいくらかかり、国民・都民の税負担はどれほどのものになるのかの算出が先決…という識者の声もある。
 日本橋一つのために、その他が犠牲になっちゃイケナイのは、いうまでもない。
 
 しかも、順調に進んでも着工は2020東京オリンピック後になるわけで、これも負のレガシーになりはしないか…の心配もある。
 (さぁ…どうする)

 もう時代がチガってきているのだから ということで 「このさい思いきって日本橋 廃絶」を論じる向きもあるのダ。
 
 ……………

 仰ぐ日本橋 橋上の空が 思いのほか高い。
 思いきるなら いっそ高架の上に クリスタルな桟敷の楼閣を築く手もあるか……
 ぼくは想ったことだった。