どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「プラスチックごみ」による海洋環境汚染問題に…/反応の鈍さ見せつける海洋国〝島国〟日本

-No.1749-
★2018年07月06日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 2675日
★ オリンピックTOKYOまで →  749日



アメリカのトランプ大統領が6月18日、「宇宙軍」の創設開始を指示したそうな。これは陸・海・空軍、海兵隊沿岸警備隊と同格の「第6の軍」という。いちどは「宇宙開発」をリードしながら、その後は中国やロシアなど、他国の発展に脅かされてきたアメリカの威信回復と防衛に、「宇宙の支配権」確率が不可欠というわけだ。日本でも27日、宇宙航行研究開発機構(JAXA)から、あの小惑星イトカワ」から奇跡の帰還をはたした「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が、小惑星「りゅうぐう」上空へ無事、到達したとの発表があった。………。科学の発達はケッコウなことだ、が。われらが生命のふるさと、この奇跡の〝水の惑星〟を汚しっぱなしにしておいて、「宇宙にさすらう選択」がはたしてどんな行く末につながるのだろう……*





◆先進七カ国首脳会議の「海洋プラスチック憲章」

 〝米朝首脳会談〟騒ぎで、すっかり脇に押しやられた感のあった先進七カ国首脳会議(G7=6月8・9日)。
 このとき、深刻化する地球規模の問題、プラスチックごみの削減にむけた「海洋プラスチック憲章」の承認を見送った国があった。
 海洋国の島国ニッポンと、もう一か国は〝権利〟経済大国アメリカ。
 ニッポンの安倍首相はこの会議でも、口では世界協調を訴えかけながら、態度は協調に背を向けた。

 「海洋プラスチック憲章」の掲げる対策の眼目は、以下の2つ。
  〇2030年までにすべてのプラスチックを再利用あるいはリサイクル可能なものとし、代替品がない場合には回収可能なものとする。
  〇2030年までにリサイクル素材の使用率を少なくとも50%に増やす。

 アメリカ不承認の事情は知らないが、「アメリカ・ファースト」で押しまくるトランプ政権の思惑は知れている。
 しかしアメリカは「合衆国」、その各「独立国」といってもいい「州」それぞれによっては、すでに強い規制にのりだしているところ(カリフォルニア、ハワイ、ニューヨークなど)もあり。
 また、経済の現場に立つ企業は大衆の志向に敏感だから、たとえば世界最大のファストフードチェーン「マクドナルド」は、イギリスでプラスチック依存をあらため紙ストローの提供を始めている。

 非承認の理由、日本政府(中川環境相)の説明によれば「まだ市民生活や経済への影響など調査が済んでいない」とのこと、「期限つきの数値目標がネックになった」ということらしい。
 こういう国際間のとりきめごとの際は、事前に根まわしの通知があるはずだから…つまり これは…いいわけにすぎない。

 ま、なにしろオクレをとってしまったのだから、今後の挽回策と信頼回復に〝待つ〟しかない(政府はその後の閣議で、来年6月大阪で開かれるG20までに「プラスチック資源循環戦略」の策定を決めた)のだが。
 どうも安倍政権に根本的な、<おともだち可愛がり>と<票にならないことはやりたくない>体質からすると、あまり期待はできそうにない。

 でも、ことは、すでに容易ならない事態にまできてしまっている。

◆「プラスチックごみ」の環境汚染問題

 それはすでに、レイチェル・カーソン沈黙の春』の頃、1980年代から予測され、指摘され、確認され
、そうして深刻化してきた。

 プラスチックの生産と消費量は年々拡大して、14年には全世界の生産量3億トン以上。
 世界経済フォーラム(WEF)年次総会16年度の報告によれば、世界の海に流れ込むプラスチック微細ゴミ(マイクロプラスチック)の量は毎年800万トン以上。重量に換算すれば50年には<魚の量を上まわる>と予測されている。

 15年、国際環境計画(UNEP)のまとめよれば、世界のプラスチックごみの、ほぼ半分が包装容器などの使い捨て製品。
 総排出量では中国が最多だ、けれども、1人あたりの排出量ではアメリカが最多、日本が2番目に多い。

 マイクロプラスチックというのは、レジ袋など処理されずに投げ捨てられたプラスチックごみが、水波や紫外線などによって徐々に砕かれ、0.5mm以下の微細な粒あるいは繊維になったもの。
 これらは自然界では分解されず、つまり、拡散したものはとり除くことができない。

 これら、すでに知らされていたものに加えて、21世紀になると「マイクロビーズ」という新たな問題が提起されることになった(プラスチックごみ総量の約1割程度にあたるらしい)。

 マイクロビーズは洗顔料や歯みがき剤に洗浄効果(古い皮膚や汚れを擦り落とす)を高めるために使われるが、問題はそれが「下水に流すことを前提に生産されている」こと。したがって、それは即、川や湖沼に流入して環境を汚染することになり。
 さらには、その表面にポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害化学物質を吸着しやすいために、環境汚染はより深刻に……。

 これを受けて14年春、アメリカ、ニューヨーク州政府はマイクロビーズを使った製品の販売を禁止する法案を提出。この動きが他州にもおよんで、欧米の洗顔料 大手有名メーカーは素材を果物由来のものに転換するなどの対策にのりだした、という。

 翌くる15年、ドイツでの「G7」では、共同声明に「プラスチックごみ問題への対策強化」がもりこまれ、「地球規模の脅威」に対処するため「使い捨てプラスチックの利用削減」で合意した。
 太平洋や大西洋、インド洋には、海流の影響による巨大な「たまり場」があるとされるほか、汚染は北極海にもおよんでいる…ことが報告れている。
 (このときのG7では海洋酸性化問題への対応も話し合われた…〝汚れっちまった地球〟)

 そうして、いま、欧米先進諸国に上記のような企業をまきこんだ動きがあり、後進諸国でもプラスチックごみ削減の意識がたかまってきている。使い捨てプラスチック製品の生産を禁止したり、使用時に課金したりする規制を導入した国・地域が少なくとも67にのぼるという。
 そんななか、世界から注視されているニッポンの動きはにぶい。

◆そんな「国まかせじゃイケナイ」との声もある

 「まったく無くす」のは無理だから、「リサイクルされない製品は使わない」など、市民の側からのコンセンサスが必要だ、と。

 (ちなみに、消費者意識に敏感な企業サイドの反応では、やっとニッポンも遅ればせながら前向きに歩み始めた。まず日本プラスチック工業連盟が、「別な素材の開発などを通じてプラスチックごみを削減する」ことを呼びかけ、最大手3社がこれに応じて宣誓書を提出。また日本化粧品興行連合会でも、マイクロビーズを製品に使わないよう会員企業に求め、まず花王が16年中に全面的に使用をとりやめた。)
 
 ぼくも、上記の意見に賛成する。
 エコロジー生活をこころがける立場から、これまでに、ぼくはいろいろな場面での脱プラスチック、代替品さがしをしてきたわけだけれど、ざんねんながら「100%無し」は難しい…と言わざるをえない。
 つまり、プラスチックのもつ「可塑性」ほど、人の生活にありがたい特性はない。

 とくに、医療用機器・器具に利用されるプラスチックのおかげで、気づかないうちに、ぼくたちはずいぶん助けてもらっている。
 だから、せめて「100円ショップ」の雑多な品物など、他にいくらでも材料に選択の余地のあるものには、安易なプラスチック使用を避けるべきだ、とボクは思う。

 ……………

 この間にも、フィールドワークの調査研究は進んで。
 17年秋には、京大環境工学チームによるニッポンの「里海」ともいうべき東京湾や大阪湾、そのほかの汚染状況が報告された。
 (ちなみに〝里海〟というのは、〝里山〟の〝沿岸海域版〟といっていい)

 全国(湖水の琵琶湖をふくむ)7つの海域で計197匹の魚を採取し、その消化管を調べた報告によれば、そのうちの約4割にあたる74匹からマイクロプラスチック計140個が見つかった。
 そのうち、検出率がもっとも高かったのは東京湾のカタクチイワシで約8割に達し、次いで大阪湾、女川湾のイワシ類に多かったという。

 イワシ類は、いうまでもなく鰓でプランクトンを漉しとって食べている。
 ぼくは子どもの頃から、魚は内臓(できれば骨から丸ごと)まで味わうものと思って育った。とくにサンマの塩焼きは骨まできれいにしゃぶって喰ったものだ…が、成人する(環境問題がいわれはじめた)頃から内臓は避けるようになって、いまにいたっている。

 サンマは中位の捕食者だが、餌食になる小魚からマイクロプラスチックは採りこまれ蓄積する。
 しかもマイクロプラスチックは、サイズの小さいものほど化学物質の吸着率は高まることが知られている。
 
 このように、もちろん魚や海洋生物への影響大。
 だが…人の体内にとりこまれた場合はたいがい体外に排出されるものとみられる…というのが、ぼくにはどうも信用ならない。

◆汚染は底生の貝や、さらには深海にまで

 18年6月。
 東京農工大のグループが、東京湾と沖縄・座間味島で調査した結果、これまでは海外で検出例があるだけだった日本産の貝類、東京湾ムラサキイガイムール貝)とホンビノスガイ(オオアサリ)、座間味島のイソハマグリからマイクロプラスチックを検出。なかには欠片〔かけら〕とは別に繊維状の化学繊維屑も混じっていた、という。
 (ちなみに海外からは、ペットボトルや岩塩から検出の報告もあり、誤飲・誤食した鳥や魚への影響が懸念される)

 浅い海底に棲息するものだけではない。
 国連環境計画(UNEP)と海洋研究開発機構(日本)共同の、有人潜水調査船「しんかい6500」での調査(1982~2015)によれば、水深100mから1万mを超える深海にまでプラスチック<ごみ>の存在を確認、うち89%がペットボトルやレジ袋由来の使い捨て<ごみ>。
 深海になるほど使い捨て<ごみ>の比率が高かったそうだ。

 ぼくたちはこれまでに、漁網に絡まったり、投棄プラスチック被害に遭って死んだ鳥や魚を目にしてきたわけだが、それがいよいよ吾が身にも迫ってきたことをセツセツと実感する。

 ちなみに、ぼくは。
 魚ばかりではない、貝類の腸〔わた=内蔵〕も美味しく賞味する者だが…近ごろは、だんだんに気がすすまなくなってきている。

 気の毒な魚や貝に、詫びて、喰って、よろこんで死んでやろう 気には まだなれない……