どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

2018オリンピック考③/           「OAR」と、そして「ドーピング」

-No.1624-
★2018年03月03日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 2550日
★ オリンピックTOKYOまで →  874日

*3月3日「雛祭り」「桃の節句」、いまどきは「耳(33)の日」。ぼくの声が大きいのはじつは<耳の聞こえがよくない>から、それもあるかも…と医者から言われた。すると子どもの頃から<難聴>気味だったことになる。実際、耳鼻科の難聴外来には子どもの患者が少なくない。近ごろはまた、高音の音楽をヘッドフォンから聞く習慣からだろう、聴覚の疲労から来るストレス性<若年難聴>もふえている…そうな。*



権威主義の拠りどころ「オリンピック」

 2018冬期「平昌」オリンピック閉会式の、だらだらと長い時をかけたセレモニーを観るのに飽きて、ぼくは途中でベッドにもぐりこんでしまった。

 ワカルことはワカルのだ。
 あれこれ苦労して、金もたっぷり注ぎこんで、やっと招致に成功した折角のオリンピックである。とくに今大会、韓国の場合には、同一民族である北朝鮮との関係修復(将来の再統一を目指す)という、なにしろ重い課題があったのだから。

 しかし。
 開会式のときにも感じられた、はじける喜びとはまったく別の、懸命な〝シコシコおつくり〟感が、閉会式にいたって、その底深さをシラジラと露呈して、正直、薄気味がわるかった。
 とどつまり、オリンピックは「権威主義の拠りどころ」ではないか。

 かつては「参加することに意義がある」とされたオリンピック、それがホントは<たてまえ>にすぎなくて、「入賞」なんて言ったってマダマダ「負け組の上位でしょ」、「銅メダル?」って「3番目だよね」、「銀メダル?」かぁ「まだ上があるじゃん」。
 で、やっぱり「金メダル」しかないのだ、「勝たなきゃダメよ」。
 結局は「勝利至上主義」でしかない。
 勝ったヤツばっかりちやほや、負けちまったヤツなんか誰ぁれも知らんぷり。

 「勝利至上」は、出場する選手間の意識にとどまらない。
 むしろ、観衆の側にもっと強烈な「勝利至上」意識があって、それが選手たちの立場を否応なしに追いこむことになっている。
 (かく言う、ぼくも、じつは正直、つまるところ少なからずそれをしてきちまったことになるわけで、ゴメンナサイ、とても反省している)

 さらに言えば、「金メダリスト」に輝いても「これでやめます」とは、選手諸君なかなか言わない。
 今大会、日本の金メダリストのなかからも一人くらいは、「ありがとうございました、満足です幸福でした、次のチャンスはほかに譲って、これでやめさせてもらいます、」と言う選手が出てくれるかと思ったのだけれども、ぜんぜん違ってた…とても、寂しかった。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、「国別メダル獲得数」を競う表現を禁じてはいるが、それも最早<たてまえ>にすぎない。
 どこの国でも、「自国がどれだけのメダルを獲り、それはほかの国と比べてどれほどのものなのか」に熱中する。
 いうまでもなく、経済的にすぐれた先進大国が、この場合にもつねに優位をたもつ。はっきりって後進諸国の多くは参加するのがやっとなのに。

 トップアスリートは、異口同音に言う。
 次は「連覇だ」「世界新記録だ」あるいは「あっちの金メダルも欲しい」と。
 キリがない。

 どう理由をつけようと「ほかに(することが)ない」のも事実問題としてある。
 収入の基盤をもてないままに、くるしい競技生活をつづける選手も(結局はつづけることができなくなるケースが多く)ある。「アスリート」と呼ばれる語感は清々しいが、競技団体だってスポンサーなしに成立するものは少ないのだ。
 賞金だ、報奨金だ、終身年金だ……
 なにしろ金がかかる、かかりすぎる(と言ったら言いすぎか)……

 それよりなにより、もっともっと先に、普遍一般的なヒトの幸福感を高めておく努力が必要だろう。そうなって初めてヒトは、もっとおおらかに、オリンピックもメダルも迎えることができるだろう。

 だからといって「オリンピック」を、いまなくしてしまうことも、現実にはできない。
 人々に勇気や高揚感をもたらしてくれるスポーツは、いうまでもない、音楽やそのほかの芸術と並ぶ〝文化〟であるからだ。

 しかし。
 時を経て事情がおおきく異なってきたいま、「オリンピック」の在り方を根本的に考えなおすことは必要、不可欠。
 弱小国でも開催できる規模(もはや強大国だけで維持できるものでもない、平等でもない)に、費用の縮小と競技&種目数の削減も必要、不可欠。

 地球の皆さんで、よくよく考える。
 選手の皆さんも共々に、よ~く考える。
 気がつけば明日、「だれもいない」「なにもない」世界に、ならないように……
 そのためのスポーツ、そこから始まるスポーツじゃないか。

◆「OAR」なんか、つまらない

 この大会、(国家ぐるみの組織的な)ドーピング問題を理由に、ロシアは国家資格での出場を認められず、潔白を証明できた選手のみが個人資格(国旗・国歌を使用できない)での参加を許された。
 それでも強大国ロシアからは、「OAR(ロシアからの五輪選手)」の名称で168名もの選手が参加。
 
 彼らは、オリンピック・マークの旗のもと、開・閉会式の入場行進をし、メダルの授与も受けたが、国歌の代りにはオリンピック讃歌が奏された。
「それも、いいじゃないか」
 ぼくは思った。

 韓国と北朝鮮「統一」選手団の、とってつけたような「青い朝鮮半島」影絵の旗なんかより、すっきりしていてイイ、あるいはひとつの理想形とも言えるんじゃないか、参加国すべてがこのカタチでもイイくらいだ…と。
 (実際、国旗じゃなしに〝国の形・位置〟を示す旗が揃ったら、どれだけ美しいかと思う)

 ところが、「ロシアからの五輪選手」たちんは、はなはだオモシロくなかったらしい。
 フィギュアスケート女子シングルの金・銀メダリストなど、表彰台上で顔をひきつらせたり、そっぽを向いていたりした、という。
 やっぱり「ロシア(国)の選手」でありたかったのダ。
 (まぁ、ロシアという国がとりわけ、愛国心のつよい国民で成り立ってはいるのだけれども…)
 それにしても、スゴイ。
「与えられる栄誉は、国にではなく、あくまでも個人に」なんてオリンピック精神、どこ吹く風じゃ。
 嗚呼…… 

◆2020TOKYOは「ドーピング」大会か

 夏にくらべれば規模の小さい、この冬の大会でも、ドーピングが、しかもロシア選手に、またしても見つかった。
 それもロシアだけじゃなかった、日本選手にも見つかった。

 ぼくたちニッポン人は、つい近ごろまで。
 まさかドーピングに手をそめる日本人アスリートがいるなんて…いや…万が一みずから間違いを犯すようなことはあっても…少なくとも…他人を陥れるためにまでそんなことをするなんて…信じられなかった、のではないか。
 鼻もちならん、ええかっこしい。
 (じつはボクなんかもそのくち、まったくいい気なものだった)

 ところが、これも現実。
 ライバルである同僚選手に、禁止薬物入りのドリンクを飲ませたり、愛用の道具を使えなくしたり、といった非行事件にでくわしてビックリ仰天。

 聞けば、2020TOKYO大会のスポーツディレクターを務めるハンマー投げ室伏広治さんはもとより、一流アスリートたちの間では、口栓の開いたボトル入り飲料など絶対に飲まないのはあたりまえ、食事やティータイムの席を立つときにも同席者にあとをヨロシク頼んでおくなど、自己管理を徹底していると言うのに、ほとんど口をあんぐりのありさまだった。

 さらに、追い打ちをかけるような新聞記事に遭遇したのは、去年の秋10月。
 見出しは「ゲノム編集はドーピング」。

 世界反ドーピング機関(WADA)がまとめた18年のドーピングに関する禁止薬物リスト(18年1月1日から有効)に、遺伝子を自由に改変できるゲノム編集技術を使った「遺伝子ドーピング」が新たに加えられた、というのだ。

 狙った遺伝子を効率よく改変、病気の治療や食物の品種改良への応用が期待される新技術ゲノム編集は、ノーベル賞級と評価の高いもの。
 この技術がじつは、筋力増強・持久力向上など運動能力の強化にも活用できるからだ、という。

 けれども、まだ現実には報告例がなく、検査法の開発などもこれからのことだというから、たぶんに前もって<警告>の意味合いがつよいらしい、が。

 WADAの指摘するところでは、この「遺伝子ドーピング」。自然におこる突然変異と見分けがつきにくく、検査での発見も難しいことから「いずれドーピングに使われる怖れがある」と。
 しかも、その有効性と安全性とが共に確立した手法はまだない、ともいうのだからコワイ。

 やれやれ、そこまできたか!
 このままでいくと、2020TOKYO。
 「史上まれに見る複雑怪奇なドーピング氾濫の大会」として記憶されることになるのかも知れない。

◆なに!? 「雪合戦」もオリンピック競技にしてほしい…だって

 ついでに、付け加えておけば。

 平昌オリンピックが閉幕したばかりの新聞には、こんな記事まで。
「スポーツ雪合戦」を冬期オリンピックの正式種目にするため、来春3月に長野県白馬村で初の世界選手権を開催する予定だというのだ。

 そういえば前に、「綱引き」がオリンピック競技に名のりを上げたことがあり、また一方には「スポーツちゃんばら」なる、スポーツか遊びかワカランものまであったりもする。

 あぁ……
 なんだか知らん、もう、頭んなかがチラクラしてきそう!